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はじめ通信6−6−20
北区でなぜ6校も愛国心通知表が使われていたのか

●ことの起こりは6月になって間もなく、大山都議が代表質問を準備する過程で教育問題を取り上げようといろいろ調べていた中で、志位さんが質問で取り上げ、小泉首相も「無理がある」と認めた愛国心を採点する通知表が地元の小中学校でも使われていないかと新宿を調べてみたのが始まりです。最初、ありませんと答えていましたが、間もなく1校だけありましたと回答が来たのです。
 急いで区議会で質問で取り上げたら、区長も教育長も、愛国心を採点する通知表を必ずしも悪いと考えていないという非常に悪質な態度をとりました。

●新宿で見つかったと知らせがあったのを聞き、私も何となく気になって北区の学校を調べてみることにしました。こういう調査が得意なのが本田区議で、彼が問い合わせると、なぜかなかなかでなかった資料が出てくるので不思議です。本田区議は二つ返事で区教委に聞いてくれましたが、答えは「いま調査中です」とのこと。これは出てくるかもと思っていると案の定、その日のうちに6校見つかったというのです。
 しかも、たまたま北区の全小中学校が今年から2学期制になり、当然通知表も全部改定するため区教委がどういうところを書き変える必要があるかを点検していたところだったので、全校の通知表が集まっていたからすぐわかったのでした。

●北区の教委の態度は「本来、通知表では指導要領の教育内容の項目について評価をすべきなのに、学校によっては教育目標の項目を採点していたので、それは適切ではないと指導した」といい、既に学校に、今年度からは「愛国心」のように「教育目標」に掲げられた項目は採点対象としないようアドバイスしているとのこと。なかなか賢い対応だと思いました。

●ところで私が「北区には愛国心通知表があるかも」と思ったのは、40年ほど前まで教育委員会のある幹部が盛んに愛国心教育を推進しようとしていた記憶があったからです。
 例えば誰かからこんな話を聞いたことがあります。「区内の小学校5年生のクラスで研究授業が行なわれ、まず子ども全員の机に置かれた日の丸の小旗を振るところから授業が始まる。その日は日露戦争で東郷平八郎のとった丁字戦法の説明で、黒板にマグネットつきの戦艦の模型を実際にロシアと日本の船隊の形に並べて子どもに動かさせながら、海戦を詳しく再現した。その模型が砲塔部分まで実物そっくりで男子が大喜び。最後はまた机の小旗を振って終わり。見学していて身震いがした」というものでした。伝統はどこかで生きているものです。

●都内の各区市町村で愛国心の通知表を探しましたが見つからず、後日朝日新聞には港区で1校と紹介されているにとどまりました。結局、北区が40校中6校で一番率が高かったということでしょうか。
 下に示したのが、その一例です。

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