はじめ通信・らぴっど5−824 8月15日と19日に都市機構と北区が相次いでダイオキシン調査結果を発表 地下2メートルから最高基準の240倍のダイオキシンを検出 ●先日、都の環境局の担当者を通じて、北区の豊島5丁目団地と、近所のトンボ鉛筆跡地について、地表から基準を超えるダイオキシンが検出されたことを受け、都市機構(旧住宅都市整備公団)と、北区がそれぞれの所有地について、地表から5メートルまで掘り下げて、ダイオキシンの汚染を調査した結果が、正式に公表されました。 ●すでに速報値が北区議会には報告されていましたが、地表で基準を超える値が出た豊島東保育園では地下1メートルで14倍、旧豊島東小学校では、地下2メートルで240倍、東豊島公園では140倍の高濃度のダイオキシンが検出され、汚染は地下のほうが深刻であることが分りました。 ●当局は今回新たに見つかった汚染はいずれも地下なので、当面人体に影響は少ないとの見解を示していますが、地下の汚染が地表まで上昇してきているのではないかとの疑いもあるだけに、地下の汚染をそのままにして良いのか、地下に閉じ込めるのであれば、どうすれば地上に汚染が広がるのを防げるのか、など、多くの疑問が出てくるのは当然です。 ●私が王子5丁目団地の夏祭りでであった担当課長さんは「やはり今までと違い、人口が集中している団地であり、そこで人が生活している場ですから、住宅とはなれた空き地などと同じ扱いはできない。徹底的に対策をとらねばならないと思っている」と話していました。こうした個人の熱意がどこまで生かされるかはわかりませんが、引き続き住民の側から、根本的な調査と対策の検討を求めていく必要があることだけは間違いありません。 ●以下に、都市再生機構が発表した文書の抜粋と、北区の発表文書を掲載します。 平成17年8月15日 独立行政法人都市再生機構東日本支社 豊島五丁目団地の土壌汚染深度調査の結果について UR都市機構では、団地内におけるダイオキシン類土壌表層調査で環境基準値以上の数値が検出された9箇所において、深度方向のダイオキシン類調査を実施いたしました。このたびその結果が判明しましたのでお知らせいたします。 1 調査の経緯 当機構では、今年4月から6月にかけ、団地内のダスト舗装部分・植栽地・砂場・裸地において表土(地表下0〜5cm)のダイオキシン類の土壌表層調査を実施したところ、植栽地の一部から環境基準値を上回るダイオキシン類が検出された。 これを受け環境基準値以上の汚染が確認された9箇所において、深度方向の汚染状況を確認する調査を実施した。その結果、地中における汚染がこのたび確認された。 当機構では、8月15日(月)に「結果のお知らせ」を団地内各棟掲示板に掲示した。 2 調査の結果(別図1) (1)サンプリング 場所:土壌表層調査において環境基準値以上の汚染が検出された9箇所 深さ:表層、0.5m、1m、2m、3m、4m、5mを標準とし、自然地盤面を確認するまでサンプリングを実施した。 検体数:63検体 (2)環境基準値を上回った検体数 29検体 (3)環境基準値 1,000pg・TEQ/g (4)最大値 19,000pg−TEQ/g(地下2m地点) (5)環境基準値を上回った最も深い地点 4m ※pg=1兆分の1グラムのこと ※TEQ=毒性等量:ダイオキシン類は、毒性の強さがそれぞれ異なっており、毒性があるとされている種類のうち最も毒性が強い2,3,7,8−TCDDの毒性を1として他のダイオキシン類の毒性の強さを換算した係数をかけて、その合計値で表したもの 3 委員会の見解 当機構では、機構内に外部の学識経験者などによる豊島五丁目団地土壌汚染調査・対策等検討委員会(委員長東京農工大学大学院細見教授)を5月20日付けで設置しており、8月5日に開催された当委員会に調査結果の速報値を提出し意見を求めたところ、「今回、深度調査を実施した箇所においては、既に緊急対策(注1)が実施されており、ダイオキシン類の飛散防止及び直接摂取防止は図られているので、当面、日常生活をする上で支障があるとは考えがたい。」との見解を得た。 4 今後の対応 (1)今回の深度調査により、地中の土壌が一定の範囲でダイオキシシ類により汚染されていることが確認されたので、汚染の範囲を確認する深度調査を、団地内生活空間を対象に追加実施する。 (2)恒久的な対策については、委員会の意見、都・区の指導を得ながら検討する。 5 その他の調査等 (1)また、当機構では、子供の遊び場については、土壌表層調査で環境基準値を下回ったものの、調査指標値(注2)以上となったダスト舗装遊び場3箇所のダスト層のみを採取し分析も実施した。その結果、直接触れるダスト層のみではダイオキシン類濃度は環境基準値を大幅に下回った。 なお、当該3箇所については、より一層の安全性を確保するため、委員会で決定した対策工事(注3)を8月〜9月にかけて順次実施している。 (2)当機構では、土壌表層調査で環境基準値を下まわり調査指標値以上となった20箇所について、試料の混合分析(3〜5点混合)に加えて個別に分析を現在、実施している。さらに、先に行った大気調査のほか、別の2箇所で採取した大気の分析も行っている。 (注1)緊急対策 @植栽(高木を除く)をカットする。Aベージュ色の不織布(ふしょくふ)シートを敷き詰める。B約20cmの客土を行なった上芝等の種子吹き付けを施す。 (注2)調査指標値 250pg−TEQ/g (注3)対策工事 ・ダイヤモンド公園(No16) 砂場の砂を入れ替えるほか、既存のダスト舗装の上に不織布(ふしょくふ)シートを敷き詰め、砂敷(厚さ2cm)を行い、天然素材のチップボード(厚さ3cm)を敷き詰める。周辺の植栽地は、上記(注1)の緊急対策を実施する。 ・プリン山周辺(No30周辺) 砂場の砂を入れ替えるほか、既存のダスト舗装の上に不織布(ふしょくふ)シートを敷き詰め、砂敷(厚さ2cm)を行い、天然素材のチップボード(厚さ3cm)を敷き詰める。 ・ダストグランド(No33) 既存のダスト舗装の上に不織布シートを敷き詰め、普通土及び砕石敷き(厚さ20cm)を行い、ダスト舗装(厚さ5cm)を表層に施す (問い合わせ先) 東日本支社 総務企画部総務チーム 電話03・5323−2555 住まいサポート業務部業務チーム 電話03−5323−2621 (団地への掲示文書) 豊島五丁目団地にお住まいの皆様へ 平成17年8月15日 都市再生機構東日本支社 豊島五丁目団地内土壌調査の結果について(お知らせ) 日頃から都市再生機構の業務につきましては、こ協力をいただきまして誠にありがとうこざいます。 さて、当機構では、今年6月中旬の土壌表層調査(地表下0〜5cm)の結果を受け、環境基準値を上回った7箇所及び環境基準値と同等の2箇所において、深度方向のダイオキシン類調査を実施いたしました。その結果、地中から環境基準値(注1)を上回るダイオキシン類が検出されました。 今回の調査結果の速報値を当機構内に設置した「豊島五丁目団地土壌汚染調査・対策等検討委員会」(注2)に提出し意見を求めたところ、「今回、深度調査を実施した箇所においては、既に緊急対策(注3)が実施されており、ダイオキシン類の飛散防止及び直接摂取防止は図られているので、当面、日常生活をする上で支障があるとは考えがたい。」との見解を得ました。 また、当機構では、お子様の遊び場について、土壌表層調査で環境基準値を下回ったものの調査指標値(注4)以上となったダスト舗装遊び場3箇所のダスト層のみを採取し分析も実施しました。その結果、お子様が直接触れるダスト層のみではダイオキシン類濃度は環境基準値を大幅に下回りました。 しかしながら、当該3箇所については、より一層の安全性を確保するため、委員会で決定した対策工事(注5)を8月〜9月にかけて順次実施してまいります。お住まいの皆様にはこ不便をお掛けいたしますが、何卒こ協力のほどお願い申し上げます。 上記調査のほか、現在、土壌表唇調査で環境基準値を下まわり調査指標値以上となった20箇所について、試料の混合分析(3〜5点混合)に加えて個別に分析を実施しています。また、先に行った大奉調査のほか、別の場所2箇所(別図4のBC)で採取した大気の分析も行っております。これらの結果も今後順次判明いたしますので、その都度皆様にお知らせしていきたいと考えています。 なお、今回の深度調査により、地中の土壌が一定の範囲でタイオキシン類により汚染されていることが確認されましたので、汚染の範囲を確認する深度調査を、団地内生活空間を対象に努施します。実施時期等は別途お知らせいたします。 当機構では、今後も当委員会において、必要な調査及び恒久的な対策を、関係機関との協議を踏まえ、検討してまいりますので、何卒ご理解を賜りますようお願いいたします。 以 上 (注1)環境基準値 1000pg−TEQ/g ※pg=1兆分の1グラムのこと ※TEQ=毒性等量:ダイオキシン類は、毒性の強さがそれぞれ異なっており、毒 性があるとされている29種類のうち最も毒性が強い2,3,7,8-TCDDの毒性を 1として他のダイオキシン類の毒性の強さを換算した係数をかけて、その合計値 で表したもの。 (注2)豊島五丁目団地土壌汚染調査・対策等検討委員会 外部学識経験者を主な構成員とする機構内部の委員会。平成17年5月20日付で 設置した。委員長は東京農工大学大学院細見教授 (・注 ̄3)緊急対策 @植栽(高木を除<)をカットする。A不織布(ふしょ<ふ)シートを敷き詰め る。B約20cmの客土を行なった上芝等の種子吹付けを施す。 (注4)調査指標値 250pgTEQ/g (注5)対策工事 ・ダイヤモンド公園(No16) ・砂場の砂を入れ替えるほか、既存のダスト舗装の上に不織布(ふしょ<ふ) シートを敷き詰め、砂敷(厚さ2cm)を行い天然素材のチップボード(厚さ 3cm)を敷き詰める。周辺の植栽地は、上記(注3)の緊急対策を実施する。 ・プリン山周辺(No30周辺) 砂場の砂を入れ替えるほか、既存のダスト舗装の上に不織布(ふしょ<ふ) シートを敷きつめ、砂敷(厚さ2cm)を行い、天然素材のチップボード(厚さ 3cm)を敷き詰める。 ・ダストグランド(No33) 既存のダスト舗装の上に不織布シートを敷き詰め、普通土及び砕石敷き(厚 さ20cm)を行い、ダスト舗装(厚さ5cm)を表層に施す。 【お問い合わせ先】 都市再生機構東日本支社 担当/住まいサポート業務部業務チーム 電話 03-5323-3297(直通) 住まいサポート業務部住宅保全チーム 電話 03-5323-8076(直通) 東京北住宅管理センター 電話 03-5954-4611(代表) (北区の発表文書より) 平成17年8月 北 区 役 所 豊島地区内区有施設の土壌汚染調査の中間報告等について (お 知 ら せ) 日頃から北区政につきまして、ご理解・ご協力をいただき誠にありがとうこざいます。 北区では、今年1月から3月にかけて実施した土壌汚染の概況調査により、環境基準値を超えてダイオキシン類等が検出された区有施設(東豊島公園、豊島東保育園、旧豊島東小学校)の汚染状況を把握するため、現圧、詳細調査を実施しています。このたび、その中間報告を得ましたのでお知らせします。 また、あわせて、先の概況調査で環境基準値同等の数値(1000pg−TEQ/g)が検出されたことから表層土壌の追加調査を実施していた東豊島公園(南)と、豊島四丁目地区開発に伴い都市再生機構が調査していた区道の調査結果が判明しましたので、お知らせします。 今後、詳細調査の最終結果(10月予定)を受けて、ダイオキシン類対策特別措置法による地域指定のための手続きを進めてまいります。 ダイオキシンが検出された施設は、下表のとおりです。 上記の詳細調査は、深度5mまで調査し汚染濃度の最高値とその深度を記しました。 ※1〜4の施設は、ダイオキシン類の飛散防止措置と立入禁止措置を継続しています。 5・6の区道は、厚いアスファルトで舗装してあり、飛散防止措置はとられています。 引き続きこ理解とご協力をいただきますようお願い申し上げます。 今後の調査予定 上図番号1・3・4の施設:今回の中間結果をふまえ、汚染物質の範囲と深度を確定するための詳細調査をさらに進めてまいります。調査の最終結果報告は、9月下旬から10月下旬を予定皿1ますので、判明次第、お知らせいたします。 上図番号2・6の施設:汚染物質の範囲と深度を確定するための詳細調査を実施する予定です。 実施時期につきましては別途お知らせいたします。 【参考】環境基準値 1000pg−TEQ/g ※ pg=1兆分の1グラムのこと ※ TEQ=毒性等量、ダイオキシン類は毒性の強さがそれぞれ異なっており、毒性があるとされている29種類のうち最も毒性の強い2,3,7,8-TCDDの毒性を1として、他のダイオキシン類の毒性の強さを換算した係数。 (汚染調査地域図) 【お問合せ先] 北区役所担当課(北区区有施設に関すること) ・全般について 危機管理課 電話03-3908-1121(直通) ・旧豊島東小学校に関すること 企画課 電話03-3908-1104(直通) ・豊島東保育園に関すること 保育課 電話03-3908-9127(直通) ・東豊島公園・区道に関すること 道路公園課 電話03-3908-9275(直通) ・区道に関すること 道路公園課 電話03-3908-9213(直通) ・土壌汚染全般に関すること 環境課 電話03-3908-8611(直通) 都市再生機構(豊島4丁目地区開発に関すること) 東京都心支社 業務第4ユニット市街地整備チーム 電話03-3805-7334(直通) |