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はじめ通信・子どもと教育のはた5−0314
生徒が自立的に動き出した各地の卒業式
卒業生が「先生をいじめるな」とアピール!

●民主党土屋都議らの議会質問を受けて03年10月・都教委の通達と実施指針に基づく卒業式や入学式の国旗・国歌の強制は、2回目の卒業式シーズンを迎えました。
 おととしは、「教員が起立斉唱しなければ処分」とされながらも「生徒が歌わないときはやむをえない」との扱いでしたが、昨年春の都議会予算委員会で土屋都議が「生徒が歌わないのも教員の指導責任」とエスカレートし、板橋高校などで「厳重注意」などの指導が行なわれました。不起立教員は200名を越え、2回目の人は戒告から減給に。
 さらに6月議会の自民党古賀議員の質問を受けて「生徒に歌わせる指導に職務命令をかけろ」とされ、9月に都教委の要請を受けて周年行事を迎える2校で校長が個別職務命令を出し、指導にも強制がかかり処分の対象になりました。今年の卒業式は、全ての都立高校で「実施指針」と「学習指導要領に基づく指導」などが教員に命令された中で行なわれています。

●各学校や地域で、この重苦しい現状をつきやぶろうとがんばっている、生徒自身や父母の動きが広がっています。
 国際高校の保護者とOBによる都教委への要請、「学校に自由の風を」の呼びかけで30数通の要請書を連ねたアピール、校長先生に多くの保護者が手紙を書いた学校、生徒自身がアンケートをとって、強制はおかしいと言う過半数の意見を集約した学校など、つぎつぎ創意が広がる中で卒業式の本番を迎えました。

●ある高校では、校長先生が壇上の日の丸に敬礼せず堂々と挨拶。「国歌斉唱」では生徒も教員も起立しましたが誰も歌わず、声が聞こえるのは来賓席だけ。最後に卒業生が「贈る言葉」のすばらしい合唱・・。
 またある高校では、卒業証書を受け取った生徒が「校長先生や都教委にお願いがあります。これ以上、先生をいじめないでください」と壇上から訴え、会場から長い拍手・・。
 君が代では全員起立したが、校長の挨拶のとき、2年生のほとんどが起立しなかった高校も。
 どこの学校でも、生徒が、自分たちが立たないと教員に処分がありうることを知りつつ、その攻撃をかいくぐって、抗議の意思を示していることや、それを生徒自身が自立的・自覚的に団結して行なっていることに最大の特徴があります。

●もちろん、この問題にまだ無関心な生徒が多いのも現実です。でも東京中の都立学校での、この強制をやめない限り、どの生徒も保護者も無関心ではいられなくなります。毎年様ざまなゲリラ的な抵抗の輪が広がり、これがむしろ都教委の意図に反して教育を愛国心の押し付けや戦争の人づくりの場にするなという世論と運動に発展することは間違いありません。

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