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はじめ通信・子どもと教育のはた4−919

なぜ北区が「良い子が育つ街ランキング」で全国3位に選ばれたか・・緑と図書館、「公共住宅の高齢化」が大きく影響?!

●誰かが見つけたらしく、我がマンションの掲示板に「Monthly takarajima」4月号のコピーを貼り付けているのが、ずっと気になっていました。題して「全国137市区の統計を徹底集計・・良い子が育つ街ランキング」という特集記事で、A4版で6ページという大型記事です。
 ここで、あれこれの統計を駆使した結果、子育てしやすい街として、京都市、奈良市に次いで、東京都北区が第3位にランクされているのです。「まさか〜」という思いの一方で「ひょっとすると、根拠があるのかな」という半信半疑で記事を分析してみました。

●まず同誌は、全国の市区町村のなかで、0歳から14歳までの人口割合の高いまちを、首都圏と関西圏から50市区ずつ集め、その他の道県は県庁所在地を加えて137市区を抽出しました。この点で北区は下位のほうだと思いますが、何とか入りました。(この順位は幸いにもランキングと関係ありません)

●この中で、@教員一人当たりの子どもの人数、Aサラリーマン世帯あたりの平均教育費、B公立図書館蔵書数、C医師の数、D子ども一人当たりの公園面積、E交通事故死亡者数、の指標で点数化してランキングしたというもの。
 これによると、京都市の365点、奈良市の362点に続いて、何と首都圏でトップを切って北区が350点で第3位となるそうです。ちなみに第4位は福井市で339点、5位は富山市で335点。
 都内の都市では11位に板橋、12位が世田谷、13位に江東が並び、16位八王子、17位目黒と続いています。

●なぜ北区が3位に・・?
 考えてみると、137市区に選ばれてしまえば、後は子どもの人口が少ないほうが有利だということが分かります。
 実際に、北区の3位ランクの説明として、「文京区と豊島区、板橋区、埼玉県などにはさまれ、印象の薄い区と捉えられがちだが、緑が多いなど、住環境が良い地域でもある。一方で子ども人口が減少しており、それが高ランキングの一因でもある」と、正直に書いてあります。
 したがって、子どもの多い街を選びながら、その中のランクは、「子どもが少ないほうが大事にされる」というあい矛盾した指標を設定しているところに、北区は偶然うまくはまったということです。

●もちろん、それだけではありません。
 たとえば区部にしては北区は緑が多いのは事実です。図書館も14館体制で23区でも多いほうですし、幹線道路が多いためか、交通事故は案外少ないのです。
 いちばん意外なのは、サラリーマン世帯の教育費が月平均7万円余で、何と137区市でトップに位置しているということです。
 北区は都内でも1・2位を争うほど、低所得世帯の多い地域なのです。たとえば、首都圏で子育てランクの高い16区市のなかで、平均年収の高い地域を挙げている一覧表を見ると、ほかの区市がほとんど全て800万円台以上なのに、北区は1位の東十条3丁目でも696万円、王子6丁目、王子1丁目と続きます。

●なぜ子育てサラリーマン世帯の教育費が都内でトップになるのか・・・。
 おそらく、低所得世帯が数多く住んでいる1万3千戸の都営住宅や3千戸の公社住宅、1万戸の公団住宅が、非常に高齢化して子育て世帯が激減しており、子育てサラリーマンの多くが、いま急増しているマンションに居住する中堅階層世帯になりつつあるせいではないでしょうか。
 しかも北区の子育て世帯は、単に子どもの教育にお金をかけているというだけではありません。最近の学校統廃合の動きや通学区域の自由化に対してもけっして無関心や区教委の言いなりにはなっていません。小学校の統廃合にたいしても、必ず地元の話し合いをもち、幾つかの学校については、計画の変更もさせています。
 3年前には学校統廃合を進めてきたやり手の官僚が、区民やPTAの厳しい批判を受けて、与党も拒否した結果、教育長になれなかったくらいです。

●偶然と同時に、北区の子育て世代全体の意識の高さをうかがわせる結果といってよいのではないかと思います。
 もちろんこうした世論がただ自然にできたわけではなく、北区の歴史や伝統に庶民文化の誇りがちゃんと存在していたのと同時に、この間、北区教委の一方的なやり方に多くの父母から厳しい批判があり、その先頭には、我が共産党の相楽議員や本田議員、山崎議員の活躍もあり、またかつて図書館を整備していく計画の策定時には、区議だった私もかなりしつこく提案して地域の分館体制の充実を勝ち取ってきた歴史もあるのは言うまでもありません。

●結論として、全国から子育て世帯の移住をこころよりお待ちしているのは、北区の行政だけはではなく、私たちもまた、皆さんといっしょに北区を文字通り実力で子育てランク日本一と言われるようにしたと願っております。

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