はじめ通信・子どもと教育のはた4−918 意外と多かった都立学校の化学物質 9月2日に夏の定期測定結果発表 ●9月になって、教育庁の学校健康推進課から、7月から8月にかけて行なった都立高校や養護学校での化学物質の定期測定の結果が発表されました。その結果、259校中43校の76教室で、基準値オーバーが出たことが分かりました。大半がホルムアルデヒドですが、約17%の学校で基準を超えていたことになり、予想を上回る結果と言えそうです。 ●教育庁はこの結果について、今年の異常な猛暑と、5時間閉め切ってから測定するという通常の使用状況との違いを強調していますが、5時間以上閉め切ったあとの特別教室などを授業や実験で使うことは十分ありえるし、都立高校はクーラーが設置されていませんから、やはり生徒が測定と同じ条件で学習することはあったのではないでしょうか。 ●2校の3教室については、通常の換気では基準以下にならず、使用中止しているとのこと。継続的に一定量の揮発物質が出ているようです。定期測定で、これほど基準を超えるとは考えていなかったせいか、都は基準値超過の場合の対応策について手引きを改定するとしています。今後も、定期測定を継続する必要があります。原因を突き止めて、きちんと対処すべきです。 ●教育庁の発表文書は、以下の通り。 平成16年9月2日 教 育 庁 平成16年度都立学校室内化学物質対策月間の実施結果について 都立学校室内化学物質対策月間の実施については、7月12日にお知らせしたところですが、室内化学物質の簡易測定を全都立学校において、室温が高いと放散しやすいといわれている夏期に初めて定期測定を実施しました。その結果がまとまりましたので、下記のとおりお知らせします。 記 1 期 間 平成16年7月12日(月)から平成16年8月11日(水)まで 2 実施内容 各学校の簡易測定機器を活用し、教職員等が特別教室を中心に、1校当たり5教室について、ホルムアルデヒド及びトルエンの濃度を測定した。 測定は、文部科学省の通知に従い、30分以上の換気後、5時間以上密閉して行った。 3 結 果(別紙参照) (1)都立学校259校中、基準値を超過したのは43校・76教室であった。猛暑の中、通常の使用状況とは異なる5時間以上の密閉状態での測定であったことと、測定の中心が特別教室であり、使用頻度が低く換気を行う機会が少なかったことが原因と思われる。 (2)簡易測定の結果が基準値を超えた教室については、使用を中止し換気等の対策を行い再測定を行った結果、41校・73教室で基準値を下回った。残りの2校・3教室については、現在、使用を中止し換気装置の設置等による低減化対策を行っている。 対策後、再度測定を実施し基準値を下回ったことを確認してから使用を再開する。 (3)測定結果については、各学校から保護者等に周知している。 4 今後の対応 (1)学校は、今回の測定で基準値を超過した教室、及び基準値以下の教室でも、換気を励行し、引続き室内化学物質の低減化に努める。さらに、基準値を上回った学校では、必要に応じて健康アンケート等を実施し、健康対策に万全を期する。 (2)学校は、今後とも簡易測定機器を活用し、備品購入や工事等の際にも測定を実施する。 (3)換気の徹底について、改めて全都立学校に周知し、今後とも児童・生徒等の健康で安全な学習環境を確保していく。 (4)今回の実施結果を踏まえ、基準値を超過した場合の具体的な対応等について「都立学校における室内化学物質の手引き」を改訂する。 [問い合わせ先] 教育庁学務部学校健康推進課 清吉 電 話 直通 03−5320−6876 内線 53−310 |