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はじめ通信・子どもと教育のはた4−917
白鴎高校の「つくる会」教科書採択に抗議し、来年はゼロをめざす

●9月16日、夕刻から、都立白鴎高校の近くの台東区立平成小学校を会場に、「つくる会」教科書問題で、たたかいをまとめ、来年の採択を許さないための集会が開かれました。
 全国教科書ネットの俵義文氏をはじめ、各分野での活動が報告されました。99年に卒業したばかりの白鴎OBの女性は、「たたかいはこれで終わることなく、あせらず粘り強く続けたい」とさわやかに語りました。在日韓国人の青年、居留民団の連帯の発言、石原都政の女性蔑視政策を批判する発言など、その多くが共通して、戦争に子どもたちを借り出そうとする小泉政治を先取りするような、石原都政の危険性を厳しく糾弾しました。

●最後に、来年の夏は白鴎も含めて教科書は一斉見直しになることから、前回より運動を広げて、採択ゼロに限りなく近づけようと意思統一しました。
 集会には、緊急にもかかわらず、日の丸君が代押しつけとたたかう教員や父母、性教育への攻撃を許さない運動、学校統廃合反対運動、そして憲法や教育基本法改悪反対の運動との大きな合流を訴える発言などが続きました。

●以下、集会のアピールです。
東京都教育委員会による中高一貫校への「つくる会」歴史教科書採択に抗議し、採択撤回を要求すると共に、今後の採択阻止をめざす集会アピール(案)

 去る8月26日、東京都教育委員会は、2005年4月に開校する都立中高一貫校・白鴎高校附属中学校(仮称)に、「新しい歴史教科書をつくる会」による扶桑社の歴史教科書を採択した。私たちはこの採択に強く抗議し、撤回を要求する。
 この教科書は、実在しない神武天皇を第一代と表記し、神話を多く記述する天皇賛美の内容である。また朝鮮の植民地化を正当化し、南京大虐殺を否定し、軍隊「慰安婦」を抹殺し、「大束亜戦争」を賛美する侵略戦争肯定の記述をしている。
 また、2001年の東京都教育委員会教科用図書選定審議会の調査結果においても、人権を取り上げた個所が最も少なく、人権尊重の観点に乏しい内容であると報告されている。
 今回東京都教育委員会には、都内を始め全国の保護者、市民、教職員、白鴎高校卒業生、在日韓国人、また韓国・中国などからも採択に反対する意見が数多く寄せられた。
 しかし東京都教育委員会はこれを一顧だにせず、極めて短時間に、具体的な理由を示す論議もなく、全員一致で採択を決定したのである。
 かつて戦前の学校では、国定教科書を使った偏狭な軍国主義教育が行われ、子どもたちを、命令一下アジアの人々をためらい無く殺執し、天皇やお国のために喜んで命をなげ出す軍国主義者へと育ててしまった。戦後私たちはその反省の上に立って、教育は、人権を尊ぶ平和で民主的な社会の担い手を育てるものでなければならないと努力してきた。とりわけ歴史教科書は、歴史の真実を教え、外国なかんづくアジアの人々との友好をめざし、戦争と差別を排除する観点から作られるべきである。
 今、日本社会は急速に危険な方向へ舵を切ろうとしている。政府はアメリカに追随してイラクに自衛隊を派遣し、有事体制を策定し、教育基本法に「国を愛する心」を明記し教育行政に強大な権限を与える方向に改悪しようとしている。
 また憲法第9条を改悪しようとしている。
 石原都政による今年の卒業式・入学式での「日の丸・君が代」強制と大量処分、ジェンダー・フリーや混合名簿への攻撃などは、まさにその先取りである。このようなやり方で人権を圧迫し、思想・良心の自由を奪い、「つくる会」教科書を使って子どもたちを「お国のために戦う」少国民に仕立てようとするやり方は、決して許されないものである。
 来年2005年は、中学校教科書採択の年にあたる。「つくる会」教科書が全国各地で採択されることを許さないたたかいが、今から求められている。おりしも今、東京都教育委員会が「つくる会」教科書の採択を強行したことに対して、各界からの批判が巻き起こっている。私たちは広く草の根の市民、教職員、生徒、保護者、在日外国人、アジアの人々と堅く手を結んで、このような教科書を決して採択させない運動を広く起こしていく決意である。 以上、決議する。
 2004年9月16日
      子どもたちに安心して教科書を手渡したい!9・16緊急学習交流集会

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