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はじめ通信・04なつのたたかい821

石原都政によるファシズムの芽は都民世論を結集して刈りとろう

8・10北区革新懇話会で都政を語る

●去る8月10日の夜、北区の革新的な団体、個人の人々が集う「革新の夕べ」が開かれ、当初予定されていた小池晃参議院議員の講演が、国会などの都合でできなくなったため、急きょ私が、都政の現状と日本共産党の役割について30分話をすることになりました。

●今日の時点で、いかに正確に都政を分析し語ればよいかは自信がありませんでしたが、石原都政を乗り越える自分なりの展望を話させていただきました。

 話が終わった後で、第2部の懇親の時間に各テーブルを回ると、「石原都政がいかに危険で巧妙か、良く分かった」「話を聞いて、対決を叫んで玉砕するわけに行かない、いかに石原都政の実態を知らせ、都民を味方にするかが大事だと痛感した」などの感想が出て、都議団の奮闘に期待が寄せられました。

●私の講演の要約は、以下の通りです。

都政の現状と日本共産党の役割

はじめに

 石原都政の評価をめぐっては、参院選中の世論調査で68%と都民有権者の高い支持率を維持しているが、石原都政に福祉を削られた障害者や難病患者などは「早くやめるか死ぬかしてほしい」などと激しい恨みを抱いているほど。この評価のギャップはなぜ生まれるか。どう克服するかを見定めなければならない。

 来年は都議会の選挙で、石原知事が相手ではないが、石原都政の評価を抜きにはたたかいは組めない。いまだからこそ冷静かつ客観的にその特徴を解明しておくべき。

    石原都政の政治的特徴は何か

@  経済政策は、弱肉強食の新自由主義に基づく「構造改革」路線を国に先駆けて推進。
*2000年以来の財政削減で福祉予算を1割・660億円削減。他の大都市含む県は大阪のみ0・3%減で他は増額。
*第二次財政プランで直営の病院や施設を100以上廃止・移管。国と同じく市町村の補助金切りすてをねらう。

A  アジア諸国への差別と挑発・・草の根からの排外的ナショナリズムを煽り組織する。
*サッカー問題では記者会見で口を極めて中国政府や国民を非難。北朝鮮には戦争を挑発。
*いま攻撃のターゲットは学校での子どもたち。日の丸君が代のおしつけ、生徒や教師の人権を無視した教育内容への介入、学校つぶし。

B 女性・障害者蔑視・・封建的家父長主義・復古主義と退廃主義。
*障害者の人格否定、「ババア」発言。暴言だけでなく実際に女性財団つぶし、ジェンダーフリー攻撃。
*子どもへの体罰奨励、戸塚ヨットスクール支援。自らは性的退廃者やテロリストを主人公とした小説。

C    大衆向けに人気取り政策・言動を大宣伝。
*ディーゼル対策、銀行課税など都民に支持される政策を大宣伝の陰で全国一の福祉切りすて強行。国と対決ポーズとりながら公立保育園の国庫補助廃止に便乗。
これらの特徴は、ファシズム政治の常套手段だ。彼のやり口は、かつてのヒトラーに酷似している。では、石原政治はファシズムとして日本の政治に君臨していくのか?

    石原都政はどこまで来ているか

    ヒトラーの手法を盛んに模倣。たとえば、共産党を「ハイエナ」になぞらえる暴言は、ヒトラーが著書の「わが闘争」の中で、やはり当時のドイツ共産党を「ハイエナ」呼ばわりしていたのと瓜二つ。

    しかしヒトラーが保守的な政権党と決別し、投獄されても新たな政治結社をつくっていったのに比べ、石原は結局政権党との決定的対決は避ける。今回の参院選でも、北朝鮮非難を掲げる候補者を「彼なら応援する」と発言していたが、結局取りやめた。自分の政治潮流を国会に送り出すことより自民党との摩擦を避けるほうを選んだ。

    ファシズムの萌芽は出揃っているが、政治の担い手として統一化・体系化は、未だされていない。

しかし小泉政権の凋落によっては、石原政治が新自由主義の日本における政治的潮流の中心にのしあがる危険性は消えていない。そうなる前に、今なら都民世論と運動を高めることで、ファシズムの芽を刈り取って石原政治を一掃することが十分に可能だし、そのために奮闘したい。

 それには、来年の都議選で、石原と対決できるわが党の影響力を格段に高めなければならない。

   都議会の各党の動きは、すでに都議選前面に

   参院選結果からの危機感を前面に、候補者ごとに支持基盤の再結集を図る自民党。

   公明党は都議選最重点。8月中に候補者決定。

   民主党は党本部が3人区以上の選挙区には複数立候補の攻勢的戦略を打ち出し。

    いずれも、石原都政の事実上のオール与党状態が、ますますエスカレート。

    日本共産党の都政での役割と値打ち・・どうたたかうか

@都政を十把一からげにせず、石原都政を都民の目線でチェックし、どこに悪政の実態があるのかを具体的に明らかにするとともに、都民利益の立場から都政の転換の方向を示し実現をめざす。
*都政の3つのゆがみ(福祉・くらしの切り捨て、都の財政も環境も食いつぶす都市再生、憲法・教育の改悪)をそれぞれ具体的に明らかにしてたたかう。
*予算全体を組み替える提案で、都政を変える現実性・可能性を粘り強くアピールしていく。

A    都民のくらし・営業などの要望に耳を傾け、その願いを一つひとつ実現させる。
*介護、子育て、社会保障(年金・医療・生活支援)
*商店街、ものづくりへの支援、失業・雇用対策、公共事業見直し
*環境、住宅、街づくり

B    政治反動と真っ向から対決し、誰もが認める戦後民主主義の旗印をかかげてたたかう
*「九条の会」「教育基本法を守る連絡会」などの運動と連帯。

○新たな課題・・無党派層、青年への接近。
 *青年や無党派層の日常的な利益を守る取り組み。

 *日本共産党の実際の姿をあらゆるルートで伝えていきたい。

○すべての活動を来年の都議選勝利に結びつけるよう奮闘する決意。

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