子どもと教育のはた4−807 森永の学校給食撤退の動きに連動し来年度から都内4割の地域で、びん牛乳が紙パックに 「リサイクルは無理。ゴミを増やすだけ」と意見が ●先日、国立の共産党市議団から、次のような市民向けニュースとともに、都内4割の学校給食にだされる牛乳の包装問題が提起されました。以下、市議団のニュースの抜粋を紹介します。 「学校給食の牛乳が、平成16年度から、これまでのビンではなく、紙パックに変更することが問題になっています。これは、東京都が牛乳の供給業者からの申し出を受けて、区市町村に方針を示してきたものです。 その方針は、(1)残乳の回収方針・・残乳はこれまで供給事業者の負担で回収されていたが、今年度の2学期からは、学校および市で処理をする。(2)来年度から、容器をびん装から紙装に変える。紙装空きパックの回収についても、学校責任で処理し、廃棄物としてでなく、リサイクル資源(洗う、開く、乾かす)として活用を図る。 びん装から紙装に変更する理由は、森永乳業(株)が学校給食から撤退する方針を決めたことに伴い、国立市などの担当業者が入れ替わることです。 東京都は、びん装から紙装への変更をしない場合は、自治体単独で供給業者との契約をすること、としています。現在は、学校給食協会を通じて、牛乳一本200ccで単価38円48銭となっています。 国立市として、現時点での考え方と対応は・・。 (1)残乳の回収については、現場の先生や配ぜん員の意見を聞き、流しに捨てることは教育上良くないし、パニックになる。食べ残しの食管にいれて、給食センターで処理する。(2学期から) (2)紙装パックを学校で、洗って開いて乾かすことは、限られた給食の時間からみて無理があり、流しで洗えばパニックになる。結果としてごみとして捨てざるを得ない。(来年度から) (3)保護者には、学校給食運営審議会で説明をした。 (4)紙装パックの問題点として、見た目や食感がよくない。びん装の場合リユース(そのままの再利用)できるので、環境問題上のよさがある。 (5)保護者の意見を踏まえ、びん装のままでできないかという申し入れを、多摩地区学校給食共同調理場連絡協議会場長会(センター長会議)で行なう。 保護者からは、「食感上からも、ゴミ問題などの環境問題から見ても、びん装を続けてほしい。」「森永乳業は、採算が取れないから撤退するということだが、企業の社会的責任を考えてほしい」「国立市は、保護者の意見を踏まえて、他市と共同して、びん装を続けられるよう頑張ってほしい」「自治体独自でやるということも、選択肢の一つではないか。その場合の業者選定をどうするかなど早急に検討してほしい」などの意見が出されています。 日本共産党は、国立市や保護者、業者の意見を踏まえ、東京都への働きかけなど行なっていきます。多くの市民の皆さんのご意見をお寄せください。」 ●かなり詳しい経過が書かれていますが、読めば読むほど、大手乳業会社の身勝手さが伝わってきます。 東京の牛乳供給事業者は、森永のほかに、明治、協同、興真、日本ミルクコミュニティー、グリコが入っていて、森永が撤退すると、その後を引き受けるのは、日本ミルクコミュニティーのようです。ここは現在はびんで包装していますが、森永のやってきた地域まで担当すれば、紙に変更せざるを得なくなるということのようです。 ●下の表のように、これによって、来年度、新たに紙パックの給食牛乳になる地域が増えて、4割ほどまで広がりそうです。その中には、わが北区も入っているのです。 毎日の給食に出る牛乳の包装問題は、後始末まで考えれば、学校生活全体が時間に追われてキュウキュウとしている中で大きな影響を及ぼします。 保護者、学校、業者の意見を出し合い、子どもたちにとって何がベストなのかを徹底的に検討したうえで、区や都にきちんと対応させていかねばなりません。
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