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はじめ通信・子どもと教育のはた4−801

知事の乱暴な大学構想に、都民の立場からの対案を示す・・都立の大学を考える都民の会がパンフレット発行

●参院選のあわただしい中で、都立大学をめぐって、次々と新たな事態が起こっています。
 何よりも重要なのは、7月に行なわれた文部科学省の大学審議会で、石原知事が申請していた「首都大学東京」(通称「首大」)の承認が先送りになったことです。
 都立大学の教員の多くが、新大学への「就任承諾書」の提出を拒否したり保留しているため、どんなにごまかしても首大オープン時の必要な教員がそろわないからです。

●都側は、次の9月の審議会で承認を受ければ、ぎりぎりでも来年受験には間に合うと考えているようですが、それはあくまで実務的に受験案内が、秋に出せると言うだけのことに過ぎません。(それさえ遅れる危険もありますが)
 受験生の多くは、もはや受験する大学を九分どおり固めています。それは受験案内を見るまでもなく、独立行政法人化した国立大学も含めて圧倒的な大学では、どんな学科でどんな傾向の問題が出るかなど、今年春までの過去の受験と大きくは変わらないからです。

●よしんば、石原知事の実業重視の大学構想に共鳴する受験生や保護者がいたとしても、大学の大まかな姿しか発表されておらず、だいいち授業料や単位バンクも、将来進める大学院があるのかどうかさえはっきりしない大学を、果たしてどれほどの若者が第1次志望で受験してくるでしょうか。
 これまでの「都立大学」のネームバリューに頼って、滑り止めで受ける受験生が多いなどとは考えたくないことですが、その危険が高くなっていると言わざるを得ません。

●こうした中で、昨年秋に大学内外の都民で結成された「都立の大学を考える都民の会」が、石原知事が「反対する連中は対案を出せ」と口癖のように言っているのに対して、都民の多くが納得できる方向を検討した結果をパンフレットにまとめ、発表しました。


 石原都政による都立の4大学の「改革」に不安や疑問を感じている方はぜひ読んで、「都民の会」への意見や激励をお願いします。

●たたかいはいよいよ正念場に近づいています。私は、都立の大学改革は今回の対案を含めて都民的な大きな議論を起こして、あらためて都民参加と大学人の声を尊重したルールある改革に立ち戻るべきだと考えています。
 それには何が何でも受験を強行し、来春に開学させるというやり方を考え直すべきではないでしょうか。
 このままでは受験生に敬遠され、首大は、スタートから都民不在で沈没していくことになりかねません。

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