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はじめ通信11−0509
北区の選挙結果から見えてくるもの・・その2
2大政党への厳しい有権者の評価


●今回の区議選で、北区の投票率は、前回を1・5%下回り、ついに50%を割り込みました。かつて私の初当選した区議選では70%近かったことと比べると、明らかに投票率が下がり続けています。
 そして投票所に足を運びながら、かつてなく多くの有権者がいわゆる”白票”を投じたり、議員を軽蔑する言葉を書き込んだりした無効票が千を超えたということです。

●それだけに前回を上回り定数を11人オーバーする55人の候補者からただひとりを選んだ今回の投票行動では、多くの有権者が主体的に考えた審判が下されたのではないでしょうか。
 その結果が各政党の消長や候補者一人一人にもはっきり現われています。
 第1に、前回区議選の「無所属」人気や、いわゆる「パフォーマンス」効果、新人女性等への期待感などイメージで選ばれた要素が、所属政党にかかわりなく大きく減少したと考えられます。
 前回、高位を獲得した自民党の二人の女性議員は、2期目に挑んだ今回、ひとりは千票減らし、もうひとりは4年間まともに議会活動や選挙での政策宣伝もないまま得票を約三分の一に激減させて落選しました。同じ自民の新人女性候補も期待感は集まらず二千三百台の得票でした。

●第2に、各党の得票を見ると、2大政党への有権者の目線が、確実に厳しくなっています。
 自民党は大幅に票を伸ばし、議席も前回の11から14に伸ばしたように見えますが、前期4年の間に、都議候補から区議に返り咲いた無所属の若手現職と、民主党の現職を取り込んだことが大きな要素です。しかしこの二人とも、前回より得票を減らしました。4年前は「無所属」や「民主」が、自民離れの有権者の期待を集めて当選したのに、旗色が悪くなると自民に鞍替えでは当然です。
 自民党は議席を増やしたことで戦術的には成功しましたが、この二人分を除けば前回より多数立候補させながら得票は減らしています。
 議席の数だけ追及し、初当選の女性議員などまじめに育てる気もなく”使い捨て”にするような姿勢が続くなら、必ず厳しいしっぺ返しが来るでしょう。

●民主党はさらに厳しい結果でした。区議を自民に引き抜かれた分を除いても2割以上得票を減らし、8人立候補しながらベテラン現職ふくめ4人落選。新旧交代も前任より大幅減票しました。
 民主党と共に政権交代で与党に加わっていた社民党もベテラン現職が落選しました。政権に入ったものの、勤労者に有利な政策が実現できないまま沖縄問題などで袂を分かち、結局国民の期待を裏切る結果になったことに審判が下されました。
 落選したのは、地元の水害問題で住民運動体から最も熱心な共産党の議員だけを除く露骨な”村八分”に加わってきたベテラン議員でした。

●第3に、マスコミ報道が限られた区議選では、新党ブームも吹き荒れませんでした。みんなの党候補者は3人とも当選しましたが、ベテラン区議の娘さんが高位当選したものの、男性候補は一応選挙活動したほうが下位のギリギリで当選、「4月末まで東北に救援に行っています」とビラに書いて全く姿を見せなかった「元春日部市議」のほうが少し多く得票したのは、政策のないこの党を象徴しているようです。

●今回、議員定数削減の主張を前面にして選挙に望んだ保守系会派「あすか」は、候補者を減らしながらも一定の得票を得ています。同じく「定数削減に反対した共産党」との攻勢をかけてきた公明党も、得票を伸ばしています。
 震災以来、防災や原発問題に重点をおいて政策を訴えた反面、有権者への議会改革のわが党の主張を伝えきれていないのも実感させられます。
 しかし今回、少数会派の新社会党の若手新人が最下位当選となるなど、定数が減ってしまえば「区民に背を向けた現職より若い新人がもっと出られる議会に」という議会改革には逆効果だということが浮き彫りになりました。

●この中で、わが日本共産党の候補者はいかにたたかい、どんな勝ち方をしたのかを次回は見て行きたいと思います。

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