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はじめ通信10−0217
3・15都議団懇談会でのそねはじめ前都議の発言
高齢化と格差のまち北区で、介護と住宅問題に取り組む

●予算議会の中で、北区議団とも協力して取り組もうとしている二つの課題について報告します。
第一は、介護施設の増設とともに格差を生まない施設のあり方をめざす課題です。
 都の来年度予算で、介護施設整備助成は、のきなみ大幅削減させられようとしています。
 都は「来年度の申請があまり見込めない」ことを理由にしているようですが、なぜ申請が減っているかの原因に目を向けようとせず、予算を減らすことしか考えない発想はゆるせません。

●施設整備の実状は、介護報酬がまだ低すぎて、ほとんど民間法人の経営となる特別養護老人ホームなどは都の補助単価では赤字になってしまうこと、国からの介護職員人件費給付が低すぎて人材確保が困難などの問題があります。

●同時に、金持ちしか入所できない最近の特養ホームの問題があります。
 この2年で北区内に2箇所の特養ホームが開設され、定員が200名以上増えましたが、全て個室のため月17万円程度の利用料が払えなければ入所できません。
 この間に北区の特養ホーム待機者は1200人から800人に減り、待機解消された400人の半分はこの二つのホームに入所したわけですが、北区の担当者からは700番目ぐらいの待機者まで入所申し込みの問い合わせがあったということです。
 つまり上位で待っていた待機者のうち500人ぐらいは辞退したことになりますが、その大きな原因が利用料の高さにあったと、私は推測しています。
 月17万円の利用料を負担できるのは、家族の負担が可能な人か、少なくとも20万円以上の年金をもらっている人に限られるからです。

●従って、今待機している人が800人に減ったからといって必ずしも楽観できません。その多くが個室型の特養ホームには入れない低所得の高齢者だと考えられます。
 国と都は私たちの要望に応え、部分的に利用料の低い4人部屋や3人部屋などの「多床室型」の特養ホームにも補助を認めるようになりましたが、これは次善の策でしかありません。これが続けば「貧乏人は多人数部屋で我慢しろ」という差別が固定化してしまうからです。
 さらに北区で「新町中学」跡地にいま計画中の特養ホームが、多床室割り当てが半分以下にとどまっているのは数の上でも不十分なのは明らかです。

●個室か多床室かは、金のあるなしでなく、認知症が重い人には同室の方に迷惑をかけないよう個室が必要な場合があるなど、本人の要介護の状態を見て選ぶべきものです。
 新しいしくみとして、収入が無い高齢者でも、必要な方には個室への入所を認め、利用料の軽減を行うなどの制度が必要ではないでしょうか。この点を、全体の特養ホーム新設を増やすこととあわせて追求して行きたいと考えています。

●第2の課題は、北区内の公共住宅空き家の活用です。
 以前にもレポートしたように、北区には全都の都営住宅の空き家・約1万1千戸のうち、1割近い約1千戸が集中しています。
 桐ヶ丘に5百戸、西が丘に3百戸、神谷や王子に2百戸などとともに、堀船3丁目の階段式住宅はエレベーターが設置困難のため、スーパーリフォームが終わっても高齢化した入居者が戻る見通しが無いなど、100戸ほどが若年世代などに活用する必要がある状態です。

●私は、昨年3月の予算都議会で、失業者への都営住宅の提供を質問し、実施を約束させましたが、実際にはほとんど進んでいません。
 また基準改悪で、都営の申し込みができなくなった共働き世帯にも、自治体の判断で募集できる国の法改正(所得の下から4分の1までの基準を2分の1まで引き上げ可能)も予想されます。
 生活の何よりの基盤として、低所得者や失業者、子育て世帯、独身青年などへの公共住宅の活用を広げるため、奮闘したいと思います。

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