今日はエクソシストとしての任務はないの。

 だから、溜まりに溜まった科学班の書類を手伝ってました。

















 ん〜…疲れた。

 デスクワークだけだとしんどいわね…

 昼食後から始めて…かれこれ5時間?流石に肩が凝ったわ。

 ペンを置いて伸びをしようとていた時、部屋のドアが叩かれた。



、今良いか?」

「あら?神田じゃない。どうしたの?」

「この書類だが、の持ってる書類のデータが必要なんだ」

「あ、本当ね。その書類なら今終わらせた所よ」



 書類を受け取り、必要事項を記入していく。

 これで終了かしら。

 今度こそペンを置いて伸びをする。

 ゴキっと、肩の骨が鳴った。

 うーあー…だいぶ肩が凝ってるわ。



「今凄い音したぞ…大丈夫なのか?」

「うん。ちょっと肩が凝ってるだけよ」



 自分で肩を解しながら、椅子から立ち上がる。

 神田も来てくれた事だし、ティータイムにでもしようかな。

 準備をしながら、空いた時間で肩を揉み解す。

 うーん……ここまで凝ったのも久しぶりね。ちょっと辛いかも。

 そう考えながら、コーヒーの準備をしていた。



「お待たせー。神田はブラックで良いのよね」



 コーヒーカップとお茶請けのクッキーをテーブルに置く。

 私も今日はブラックにしよう。

 淹れたてのコーヒーに口をつける。

 コーヒー独特の苦さが口に広がった。

 はぁ〜〜〜。疲れた後のコーヒーって美味しいv

 あ、でも…そろそろコーヒー豆が切れるんだった。

 下の街に行って買ってこなくちゃ。



「ねぇ神田。今度買い物に付き合ってくれない?」

「良いけど…何を買うんだ?」

「コーヒー豆。そろそろ無くなりそうなの」

「あぁ。ついでに俺も欲しい物があるからな」

「神田が?珍しいわね。何が欲しいの?」

「      」

「っ〜〜〜〜〜///神田のバカ!!」



 信じられない!!そんな事を言うかな!



「だが必要だろ?」



 ………確かにね。確かに必要よ。否定はしないわ。

 だけど、言わなくても良いじゃない///

 真っ赤になっている私を、神田はニヤニヤしながら見ている。

 絶対からかってる。

 膨れながらコーヒーを飲んでいると、神田が手招きをしてきた。

 何かしら?怪しい事この上ないわ…

 半目で睨んでいると、神田は笑いを堪え切れなかったのか肩を揺らしている。



「何にもしねぇよ。今はな」

「今は?じゃあ後からは?」

「さぁ。それは次第じゃねぇか?」



 何よ、私次第って…(汗)

 今の神田には近づかない方が賢明かも。

 そう思って、私は座ったままの姿勢を続ける。

 けれども神田は相変わらずニヤニヤしながら手招きしていた。

 …………………はぁ(溜息)

 判ってる。判ってるわ。私がどうしても神田に勝てない事なんて。

 惚れた弱み…かしらねぇ(苦笑)

 私は椅子から立ち上がり、神田の近くへ行った。

 神田はいきなり私の腕を掴み、そのまま引張る。



「きゃっ!」



 いきなりの事でバランスを取れなかった私は、そのまま神田へダイブ。

 びびびびっくりしたーーーー。

 と言うか、神田は何がしたいの?

 ただ単に私を驚かせたかっただけ…?

 訝しく思いながら立ち上がると、神田は自分の膝を指差した。

 神田の膝…?ますます訳が判らないわ…



「何がしたいの?」

「とりあえず、ここに座れ」



 ………はい?ここって…神田の膝ですよね?

 え?えぇ!?何でそこに座らなくちゃいけないのっ///

 必死で抵抗するけれど、神田が諦めるはずもなく…

 私は神田に背を向ける形で、神田の膝の上に座らされました。

 うぅ……私達しかいないとはいえ、かなり恥ずかしいです。



「何するの…?」

「いいから黙ってろよ」



 神田が何をしようとしているのか見えない。

でも、これでもエクソシストだもの。気配で何をしているのか判る。

神田は腕を上げて…そして…えぇ!?



「神田!?」

「何だ?は肩が凝ってんだろ?」



 そうなんです!神田がマッサージを始めたんです!!

 吃驚ですよ!!でも…



「大丈夫だから!平気だから!!」



 申し訳なくて断るんだけど、神田は聞く耳を持たず。

 そのままマッサージを続けてくれてるの。



「ね…ホントに大丈夫だから。明日には治るから…」

「五月蝿ぇ。大人しねぇと後ろから悪戯するぞ」



 それは勘弁願いたいです(切実)

 う〜……神田に止める気はなさそうね。

 じゃあ今日はお言葉に甘えようかな。



「神田」

「あ?何だよ」

「ありがとう」

「別に…はもっと俺に甘えて良いんだぜ」



 甘えるって具体的にどうすればいいのかしら?

 神田の膝の上で考えてみる。

 よくよく考えれば、男の人と付き合うのって神田が初めてなのよね。

 男の人にどう甘えて良いか判らないわ。

 このマッサージは…甘えているんだと思う。

 じゃあ他には?

 色々と考えてみるんだけど、うまく考えがまとまらない。

 それはね、この体勢にも原因があると思うの……

 何でマッサージをして貰うのに、膝に乗る必要があるのかしら?

 私が普通に椅子に座れば良いんじゃないのかなぁ。

 この体勢、かなり恥ずかしいんです…///



「神「



 この体勢をやめて貰おうと話しかけた私の言葉を、神田が遮る。

 ちょっと吃驚したかも(苦笑)



「何?」

「お前…かなり凝ってるぞ。肩だけじゃなくて、背中も」

「うーん…実はそうなのよね。机に向かってると凝るのよ。最近は錬金術の研究もしていたから」

「ったく…ほら、ベッドに行けよ」

「へ?何で?」

「全身のマッサージをするんだよ。この肩の凝り、背中からきてるものもある」



 促され、私はベッドへ歩いていく。

 そして、そのままうつ伏せに寝転んだ。神田もベッドに乗り、私の背中に跨る。

 それにしても肩の凝りが背中から来てる事が、神田はよく判ったわね。

 さっきのマッサージも上手だったし、何か経験でもあるのかしら?

 今度自分でも出来るマッサージを教えて貰いたいわ。

 そんな事を考えながら、神田のマッサージを受ける。

 肩甲骨、背骨の回り、肩、首。

 色々と解して貰った。

 神田は本当に上手で、気持ち良くて………

 書類作成の疲れもあり、私は何時しか夢の世界へ誘われていったの。











































 † † † † †



 ん……あれ?私…

 そうだわ。神田にマッサージをして貰ってて、いつの間にか寝ちゃったのね。

 じゃあ神田は?

 神田を探す為に起き上がろうとしたんだけど、体に何か重たい物が乗ってる。

 不思議に思って、それを見てみたの。

 それは神田の腕だった。

 神田は私を抱きしめる形で眠っていたのよ。

 私が寝ちゃったから、そのまま神田も眠ったのね。

 起こさないように、そっと体勢を変えて神田を見つめる。

 本当に綺麗な顔。

 キメ細やかな肌に長い睫。髪もサラサラで……

 そっと神田に触れてみる。



「女として自信なくしちゃうな。神田に嫉妬しちゃう」

「でも俺の事が好きなんだろ?」

「お…起きてたの!?」

「今起きた。で、どうなんだ?」

「嫌い……になれるはずないじゃないの」



 「こんなにも好きなのに」と呟くと、神田は額にキスしてくれた。

 ちょっと恥ずかしくて、でも嬉しくて。

 私は神田の背中に腕を回し、胸に顔をうずめる。



「ねぇ神田。さっき甘えて良いって言ったよね。今甘えても良い?」

「当たり前だろ」

「じゃあ、もう少しこのままでいさせて」



 ぎゅっと抱きつくと、神田も抱き締めかえしてくれた。

 髪を撫でてくれる手が気持ちいい。

 ちらっと視界に入った書類が気になったけど、何とかなるよね。

 今はこうして二人きりでいたいのよ。
















後書き
私の願望をいろいろと入れてみました(笑)
因みにこの話は半分私の体験談です。
さんのように恋人ではないですけどね。
某友人の膝に座ってマッサージをして貰いました。
先に私が彼にマッサージをしたので、そのお礼だったのです。
あの体勢は本当に恥ずかしい…
普通に椅子を交代して欲しかったですよー(^^ゞ
因みに最初の部分の神田さんの言葉ですが、今は秘密です。
大人部屋を作った時に、その話を載せるかもしれません(^_^)


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