私の横を通り過ぎた黒い人がアレを倒した瞬間、人の魂みたいなのが見えましたヨ!

 い…一体、ここは何なのデスカー?







 ……………うわ〜…(汗)ものっそ睨まれてますがー。

 誰にって?そりゃもちろん、黒い服を着たおにーさんですよ。

 はっきり言って逃げたいです!

 でも逃げたら追いかけられそうで怖いです。




「あ…あの…、大丈夫ですか?」

「へ?あ!うん…大丈夫…かな?」




 あまりにも私が固まっていた所為か、女性が心配してくれました。

 おねーさん、良い人や(ホロリ)

 そうだよ、よくよく考えれば、私何も悪いことして無い。

睨まれる筋合いなんてないもん。多分…きっと……(自信無さげ)

 意を決して黒服のおにーさんの所へ行こうとしたら、以外にもおにーさんの方からやって来て…




「馬鹿野朗!どうしてアクマに止めを刺さなかった!」




 と、いきなり怒られました(汗)

 何で怒られなくちゃいけないの?っていうか、アクマって何?

 もしかして、さっきのアレの事かな?

 アレをアクマって言うのかな?でも話から推測するとそうとしか思えないし…

 …ん?アクマ?この世界にはアクマなんているの?

 想像上のものじゃないんだー。




「ってお前、俺の話を聞いてんのか?」

「んあ?あ!はい!聞いております〜」

「………まぁいい。それよりお前は何者だ?」




 え?早速この質問?

 絶対聞かれると思ってたけどさ〜。何て答えようかな?

 『私は錬金術師で、異世界から来ました〜』って言ったら…

 うわ〜。絶対病院に送られるよ。もしくはその手の刀で切られる…?

 私の力を見ていないなら、誤魔化せるかな?誤魔化せるよね?

 良し!ここは口八丁で…




「言っておくが、誤魔化しは通用しない。お前の力も見せて貰った」

「え?ばっちりと?」

「ばっちり、はっきり見た」




 ピンチ!さんピンチですよ!?

 これで誤魔化せなくなりました。

 え〜?どうする〜?言っちゃう?言っちゃっても大丈夫かな?

 自問自答をしていると、黒服のおにーさんは私の腕をいきなり掴み、引きずって行く。




「え〜っと?どうして連れ去られているのでしょう?」

「お前には聞きてー事がある。俺と一緒に来てもらおう」

「拒否権は?」

「あると思ってんのか?」

「ですよね〜…」




 ま、いっか。行く宛なんかどうせ無いんだし。

 このおにーさん、見た目は怖いけど悪い人じゃなさそう。

 それに何かあったら逃げればいいんだし〜♪

 そうそう、忘れる所だった。




「おねーさーん!ばいばーい!アクマ?には気をつけてねー」




 何をどう気を付ければ良いのか判んないけど、とりあえずそう言って手を振った。

 強制的に連れ去られている私を見ながら、何事も無かったかのように素敵な笑顔で手を振ってくれるおねーさんは、
これからも強く生きていってくれるだろう。

 そんな貴女に乾杯☆




 くそう、いい性格してるんなら助けてよ!(本音)















† † † † †




 依頼されたアクマ退治を終え、教団に戻る途中だった。

 そこで俺は運命的な出会いをする―――








「きゃああぁぁぁ!!」




 突如聞こえた女の悲鳴。

 それだけならどうでも良かったんだが、同じ方向からアクマの気配がした。

 エクソシストとしての任務ってーのもあるが、アクマを俺は赦さない。

 だからそのアクマも破壊してやろうと思い、現場へ駆けつけた。

 そして、そこで俺は信じられない光景を見る事となる。




 今にもアクマに襲われそうな女とアクマの間に、いきなり地面から壁が現れた。

 その壁はアクマの攻撃を全てふさいだ。

 急いで辺りを見回すと、アクマから少し離れた所に女がいて、地面に手をついている。

 あの女が壁を作ったのか?

 いや、まさか。

 だが次の瞬間、俺は目を疑った。

 再び地面に手をついたかと思うと、地面から剣と銃を作り出しアクマに攻撃している。

 

 何なんだ!?あの女は?

 アクマに攻撃できるという事は、エクソシストなのか?

 だが見たところイノセンスは持っていない…

 それとも、最も珍しい寄生型か…?

 

 アクマに攻撃を終えた後、あの女がこっち(というか助けてた女)を見た。

 ………かなり可愛いじゃねーか。

 俺の好みだ。

 チッ。しょうがねぇ。アイツには聞きたい事もあるし、教団へ連れて帰るか。(顔は嬉しそう)

だが、その前に…

 起き上がったアクマ目掛けて俺は走りだす。

 アイツ、アクマに止めを刺さなかったかよ!

 俺は六幻を構えイノセンスを発動させ、ソイツの横を通り過ぎ、再び作り出された壁を足場にしてアクマを破壊した。







 アクマを破壊したあと、ソイツをじっと見てみた。

 やっぱり可愛い。何から何まで俺の好みだ。

 


「あ…あの…、大丈夫ですか?」

「へ?あ!うん…大丈夫…かな?」




 俺があまりにも見ていた(決して睨んでいたわけじゃない)所為か、何とも言えない雰囲気が漂う。

 コイツに言いたい事や聞きたい事は山ほどあるが、まずは…




「馬鹿野朗!どうしてアクマに止めを刺さなかった!」




 そう、この事だ。

 アクマを完全に破壊していないのに背を見せるのは、自殺行為だ。

 現に俺が間に合っていなかったら、死んでいた。

 例えアクマを破壊する力を持っていようが、アクマがレベル1だろうが、油断は禁物なんだ。




「アクマは完全に破壊しろ、そう言われなかったのか?ただ倒しただけだと……」




 コイツ…俺がわざわざ話してやっているのに、聞いてないだろ。




「ってお前、俺の話を聞いてんのか?」

「んあ?あ!はい!聞いております〜」

「(聞いてなかったな)まぁいい。それよりお前は何者だ?」




 俺が最も知りたかった質問。

 コイツが使った能力を、俺は見た事がない。

 イノセンスを持ってるようにも思えねぇが、アクマの気配も感じない。

 コイツはさっきから、いろいろと考え事をしている。

 もしかしたら、力の事を誤魔化すつもりか?

 それなら、先手を打つまでだ。

 


「言っておくが、誤魔化しは通用しない。お前の力も見せて貰った」

「え?ばっちりと?」

「ばっちり、はっきり見た」

 


 コイツの顔が、ますます青くなった。

 きっとどうしようか色々と考えているのだろう。

 そんな表情も可愛いと思うあたり、俺も相当重症なんだろうな。

 まさか俺が一目惚れするなんて夢にも思わなかった。

 内心で苦笑しながら、俺はコイツの手を掴み連れて行く。

 行き先はエクソシストの本部だ。

 どうして連れて行くかって?

 そりゃ、このまま別れて他の男のモノにさせたくないからに決まってんだろ。

 俺としても、コイツを傍に置いときたい。

 だが、コイツは連れて行かれるのが不服なのか、軽い抵抗をしている。




「え〜っと?どうして連れ去られているのでしょう?」

「お前には聞きてー事がある。俺と一緒に来てもらおう」

「拒否権は?」

「あると思ってんのか?」

「ですよね〜…」




 ふぅ〜っとコイツは溜息をつくと、コイツが助けた女に向かって手を振っていた。




 強制的にコイツを連れて行くんだが、何も言わず笑顔で手を振っているあの女は、
もしかしたら俺より良い性格(自覚あり)をしているかもしれない。






 本部へ連れて行くのはいいが、あそこでの害虫(他の男)駆除はどうするか……









ATOGAKI!

ごめんなさい(土下座)
神田偽者警報発令です。
クールで冷たい(?)印象を持っていられる方は、ここまでにして下さい。
次からはもっと壊れる予定です。
私の中の神田のイメージで書いてるので……
それにしても、神田の口調って難しい。
単行本が発売されたら、研究しよう。
え?ジャンプ?
訳あって手元にないのですよ。



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