「あ、。丁度良かった。これからお茶しない?」




 暖かな日差しの午後。

 廊下を歩いてた私は、リナリーからお茶に誘われました。









 教団内にある食堂。

 そこで私達はジェリーさんに、特別にお菓子を作ってもらいティータイムを楽しんでいた。

 


「この世界とのいた世界ってやっぱり違う?」

「えぇ。生態系は変わらないみたいだけど、やっぱり根本的に違うわ」

「じゃあ錬金術師も沢山いるの?」

「もちろん。私より優れた錬金術師が沢山いるわよ」




 話題の中心は、私がいた世界の事。

 やっぱり異世界と言うのは興味があるのかな?




「例えば、より優れている錬金術師ってどんな人?」

「そうねぇ。最年少で国家錬金術師になったとか。国家資格って最難関なんだよ」

「国家錬金術師!?最年少で?それっていくつの時?」

「確か……12歳だったかなぁ」

「12歳で国家資格!?凄いわねー。は持ってないの?」

「持ってないわ。私には無理よ〜」




 錬金術の技術も未熟だけど、軍属になったら…………

 先生に殺される!!

 エドとアル、大丈夫かな?

 3丁目の棺桶屋さんに注文したりしてないわよね…?

 ははは…二人が無事なのを遠くの地から祈ってるわ(汗)

 リナリーが「国家資格取れば良かったのに。なら受かるよ」って言ってるけど…

 そんな恐ろしい事出来ません。

 でもまぁ、知り合いの軍人さんから誘われた事はあったわ。

 錬金術を用いての治療の研究をしてみないかって。

 誘った人が誘った人だから、私が返事をする前に有耶無耶になっちゃったけど。

 だってエドが大暴れしたんだもの(笑)




「最年少国家錬金術師ってどんな人?の知り合い?」

「えぇ。写真あるけど見る?」

「見たい!!」




 持っていた鞄の中から手帳を取り出す。

 この手帳に、元の世界で撮った写真を挟んでいたのよ。

 それら全てを取り出し、リナリーに渡す。

 リナリーはその写真を楽しそうに見ていた。




「ねぇねぇ。はこれよね?こっちの人は?」

「エドだよ。彼が最年少で国家錬金術師になったの」

「まだ子供じゃない!?」




 子供って…リナリーと年が変わらないんですけど(苦笑)




「この人は?」

「彼はアル。エドの弟なの」

「えぇ!?弟!?お兄さんより大きいのね。何で鎧を纏ってるの?」

「色々あってね〜。アルの方がエドより大きいでしょ?
何時もアルがお兄さんだって間違えられるのよ。そしたらエドが大暴れ。大変なのよ」

「これだけ身長差があると間違えられるわよね〜」

「でしょ?それに、エドに『小さい』は禁句なの。もし言っちゃうと…」

「言っちゃうと?」

『だ〜れ〜が〜豆粒どチビの錬金術師くわぁ〜〜〜!!!』って大暴れ☆」

「うっそ?エドくん…だっけ?そんなに身長を気にしてるの?」




 エドの話題で大盛り上がり。

 確かにエドの普段を見てると笑える所もあるもの。

 まあ私も3割程話を脚色してるけど(マテ)

 そんな感じで二人で笑っていた時、食堂のドアが開いた。

 入ってきたのは、神田とアレン。

 神田は眉を顰めたまま私達の方へ歩いてくる。

 アレンもその後を追って私達の所へ歩いて来た。




「あら?神田にアレンくん。珍しいわね、二人揃ってなんて」

「カンダとはドアの前で会ったんです」

「何やってんだ?声が外まで聞こえてたぞ?」




 そう聞きながら、神田は私の隣に座る。

 アレンはリナリーの隣へ座った。




「写真…ですか?」

「うん。リナリーとお茶しながら、私がいた世界の事を話してたのよ」

「ふーん。で、コイツ等は誰だ?」




 神田が今まで見ていた写真の人物を指差す。

 アレンも興味深そうに写真を覗いた。




「こっちの金髪金眼がエドで、こっちがアルだよ」

「エドとアル……確かの弟弟子だったか?」

「弟弟子?じゃあの師匠の写真もある?」

「もちろんよ」




 今度は先生とシグさん、そしてメイスンさんの写った写真を見せた。

 神田には説明してあったけど、イズミ先生が師匠だって言ったらアレンとリナリーは驚いていた。

 まぁシグさんの方が、体格は良いもの。

 無理もないわね(笑)




「ねえ!!!この人は!?凄くカッコいい人よね」




 リナリーが指した人物を見てみる。

 ……………あぁ、なるほど。確かに一見すると美青年よね。

 ご自分のお仕事を部下に押し付けなければ…

 そしてご自分はデートしなければ…

 敬愛するリザさんのお手を患わなければ…!

 どんなに素敵な人だと思ったでしょう…ね(苦笑)




「この男、の知り合いか?」

「うん。正確にはエド達の知り合い…かな。エドを国家錬金術に勧めた人だよ」




 この人…ロイ大佐も国家錬金術師で、炎を使うの。

 それにね、軍人で大佐も務めてるのよ。

 ただ雨の日は無能になるけど(笑)

 あ…今ロイ大佐の声が聞こえた気がする。

 「最後の一言が余計だ」って…(汗)気の所為よね……




「あ、こっちの写真は誰?夫婦?」




 アレンが指した写真を見てみる。

 この写真は………




「うん。私の両親」

の両親?それにしては若くない?」

「もう10年以上前の写真だもの」

「10年以上前?最近の写真はないの?…って痛い!


「どうしたの?アレン」

「カンダが僕の足を踏んでるんですよ」

「お前が悪い」




 悪びれず言う神田。

 もしかして、神田はフォローを入れてくれたの?

 以前、私があの話しをしたから気を使ってくれたのかな。

 ふふ。神田は優しいね。

 でも……私はもう大丈夫だよ。

 あれは過去の話って区切りをつけたから。




「有難う神田。私は大丈夫よ。ね、アレン。これ以上新しい写真はないの。両親、死んじゃったから」

「っ!ゴメン…僕……」

「ううん。気にしないで。私には両親が死んだ後も家族がいたから。先生達がいてくれたから平気」




 死んでしまった両親の分まで愛してくれた先生とシグさん。

 一人じゃ眠れないと泣けば、抱きしめて眠ってくれた。

 時間があれば、一緒に遊んでくれた。

 厳しい時もあったけど、それは全て私の為だって判ってるわ。

 私のもう一人の両親。

 まだ『お父さん、お母さん』って呼んだ事はないけれど、いつかあの世界へ帰ったらそう呼びたい。

 『大好きよ』って伝えたい。




は先生達が大好きなのね」

「えぇ!大好きと言えばね、この人も好きなのよ」




 私が指したのはリザさん。

 リザさんは美人な上に有能だし、銃の扱いにも長けている。

 上司からも部下からも信頼されているの。

 何よりも、目を離すとすぐに仕事をサボるロイ大佐に仕事をさせるんですよ?

 でも私達にはとても優しいの。

 おまけにクールビューティー!




はリザさんを尊敬してるのね〜」

「えぇ。私もリザさんみたいになれたらって思ってるわ」




 大好きなリザさんトークをしていたら、またまた食堂のドアが開いた。

 入ってきたのは…………






後書き
皆で午後のティータイム。
さんのいた世界の話題で盛り上がり(?)
私もホークアイ中尉が好きです。
中尉みたいな大人の女性になりたい…!
頑張るぞ☆(何を?)


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