「六幻を収めて!神田」
「どうしてコイツをは知ってんだ!?」
私と神田の間に立ち込める一触即発の雰囲気。
神田と対立するのは不本意だけど、ここで引くわけにはいかない。
「何でアレンを攻撃するのよ?」
「コイツは敵だ。千年伯爵の仲間…」
「じゃないですよ!!」
後ろでアレンが必死に説明してるけど、神田は聞く耳を持たなそうね。
はぁ…どうしようかなぁ。
アレンは本当に敵じゃないのに…
どうやって神田を説得しようか考えていると、背後から
「かっ開門〜〜〜〜〜〜?」
と叫びながら教団へ入るための扉が開き、アレンの入城許可が下りた。
これでやっと中に入れる…と思ったのも束の間。
神田は私の腕を掴み自分の方へ引き寄せた。
いきなり引っ張られたもんだからバランスが取れず、私は神田の腕の中へと倒れこむ。
慌てて離れようとしたけど、神田の腕が私を抱きしめていて動けない。
ちょっとちょっと!公衆の面前で何をやっているの!?
腕の中でもがいてみるものの、強く私を抱きしめているため抜け出せなかった。
しかも神田は更にアレンに六幻を突きつけてるし…
「神田!」
「わっ!」
『待って待って、神田君』
突然聞こえてきたコムイさんのアナウンス。
コムイさんが神田を止めたと事と入城許可が下りた事から、アレンへの疑いは晴れたのよね?
これ以上話をややこしくしないわよね…?
あの人の事だから、あり得そうで怖いわ(汗)
「コムイか…どういう事だ」
『ごめんねー早トチリ!その子クロス元帥の弟子だった。ほら謝って、リーバー班長』
『俺のせいみたいな言い方―――!!(怒)』
リーバーさんが怒ってる…(汗)
コムイさんの事だ。きっと机の上が汚くて、それで何かの不都合が起きたんだろうね。
科学班の苦労が目に浮かびます…(苦笑)
『ティムキャンピーが付いてるのが何よりの証拠だよ。彼はボクらの仲間だ』
「だから言ってるじゃない。アレンは仲間よって」
「だから何ではコイツを知ってんだよ!?」
「だって途中から一緒に旅してたもの。ねぇ?アレン」
「へ?あぁ、はい」
「マジかよ…(怒)」
…私もしかしてマズイ事を言っちゃった?
神田の怒りのボルテージが上がっていく。
アレンをものっそ睨んでるし。
さっきより睨んでるよ…
それに対して、アレンからも怒りの気配を感じる。
どうしちゃったの?二人とも。
アレンの入城許可が下りたら、それで解決じゃないの?
神田の腕の中でおろおろとしていた時。
ぱこっ
こ気味いい音が聞こえた。
あれ?リナリー。
「もー。やめなさいって言ってるでしょ!も困ってるじゃない。早く入らないと、門閉めちゃうわよ」
「「………」」
「リナリー!来てくれたの!?」
「えぇ。アレンくんの案内も兼ねてね。もう!心配したんだから」
「ごめんなさい……」
「話は後からたーっぷり聞かせて貰うから。ま、兎も角『お帰りなさい』」
「っ!ただいま、リナリー」
リナリーの『お帰り』を聞いて、漸く帰ってきたって気がした。
今の私にとって、ここが帰る場所…なんだろうなぁ。
「早く入りましょ。あ!申し訳ないけど、…」
「ん?なぁに?」
「一度科学班に顔を出してくれる?錬金術で作って欲しい物があるみたいなの」
「わかったわ。今から行ってくるね」
私は神田の腕から抜け出し、城内へと足を運んだ。
睨み合ったままの神田とアレンを残したまま…
† † † † †
が俺の腕の中から抜け出し、城内へと入っていく。
チッ。もうすこしの感触を味わっていたかったんだがな。
ったく…帰って来たと思ったら、厄介なヤツを連れて来やがって。
しかもコイツを庇うもんだから、と対立してしまったじゃねぇか。
俺が睨むと、コイツも俺を睨んできやがった。
そう言えばを抱きしめていた時も睨んでやがった。
つまりコイツも……(怒)
はっ!上等だ!こんなモヤシにを渡すかよ。
「早く入りなさい。門を閉めちゃうわよ」
リナリーが言う。
確かにこんな所でモヤシと睨み合ってても仕方ねぇ。
は…科学班へ向かったんだな。
いったん部屋に戻ってからの部屋へ行くか。
そう決めて城内へ入っていく。
「あ、カンダ」
あぁ!?何で俺がモヤシに呼び止められなくちゃいけねぇんだ。
振り返って睨むと、奴は手を差し出していた。
「……って名前でしたよね?よろしく」
「呪われてる奴と握手なんかするかよ」
「……それとお聞きしたい事があります。とはどういう関係ですか?」
「テメェに関係ねぇ」
「それは、僕にもまだチャンスがあると取っても良いですね?」
このモヤシ、ぼーっとしているように見えて意外と考えてやがる。
俺の返事から、俺とが付き合っていないと考えやがったな。
本当なら『は俺の恋人だ』と言いたかったが、ここにはリナリーがいる。
に関する嘘を言ってみろ。
リナリーの事だ。暫くを俺に合わせねぇだろうな…
つか、モヤシがを狙おうなんざ、10年早ぇ。
「チャンスなんかあるかよ」
「判りませんよ?僕は本気です」
「はっ!精々無駄な努力をするんだな」
そう言い捨てると、俺は自室に向かって歩き出した。
アイツがまだ何か言いたそうにしていたが、関係ねぇ。
を見つけたのは俺だ。
誰にも渡すもんかよ。
後書き
神田さん、さんと対立の巻き(マテ)
何か意外な展開を書いちゃったなぁ。
って人事じゃ駄目じゃん!
まぁ、さんも気にしてないみたいだし、いっか☆(駄目だろ)
そしてアレン君は神田さんに宣戦布告。
神田さんの新たなライヴァルの登場ですね〜(笑)
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