「ふふふ…もう逃げ場はないわvアレン」

「え…ちょ…!待って…ほしいんだけど…」

「嫌よ。待ったら逃げるでしょ?」

「そんな事は……」

「させないわよ?GO!ミリィ!!」

「きゃ〜〜〜〜〜v

「うわ〜〜〜〜!!」




 こんばんは。アレン・ウォーカーです。

 僕は今、達に襲われて危機的状況があります。

 逃げようにも、ミリィが足にしがみついているので逃げられません。

 どうしてこんな状況になったのか…

 それは数時間前に遡る………



























 † † † † †




 と一緒に教団本部へ向かう事になって数日。

 今日もいつもと同じように楽しく話しながら歩いていた。




「ねぇアレン。あそこにいる人、困ってるみたいじゃない?」

「え?あ、本当だ」




 に言われた方を見てみると、そこには女性がいた。

 大きなカートを前に何か困ってるみたいだ。

 見ちゃった以上、困ってる人を放ってはおけないよね。

 だから僕達は声をかけたんだ。

その人の話しだと、街へ買い物に行った帰りにカートが壊れてしまったらしい。

 沢山の物を買ったから一人では運びきれないし、どうしようか考えていたところだと言う。

 確かにカート無しで女性一人じゃ持てない量の買い物袋があった。

 でも3人で運べば持てなくもないかな?




「手伝ってあげない?」

「もちろんよ。困ってる人を見たら助けなさいって先生に言われてるもん(笑)」

「本当かい!?有難う、助かるよ」

「いえ、気にしないで下さい。ところでカートがどうかしたんですか?」

「どうやら車軸が折れちゃったみたいでね」




 女性に言われてカートの下を覗いみると、車軸が見事に折れている。

 言いにくいけど、このカートってかなりの年代物。

 ここまでよく持ったと思うよ。




「このカート気に入ってたんだけど、もう寿命だね」




 女性が苦笑しながら言うと、今まで何かを考えていたが突然口を開いた。




「よろしければ、カートを直しましょうか?」

「へ?直せるのかい?でも道具が…」

「必要ないですよ。ちょっと下がってて貰っても良いでしょうか?」

「何するの?

「まぁ見ててよvそれじゃ、いっきまーす☆」




 パン   パシィ




 蒼紫の光の後、車軸の折れたカートは新品同様になっていた。

 これって…錬金術!!

 凄い!錬金術ってこんな事も出来るんだ。

 便利だねー。

 でも、どういう原理なんだろう…?




、今錬金術を使ったんでしょ?」

「そうよ。車軸部分は破断した金属結合を元に戻して、カート本体は金属分子と酸素分子を分離させたの。
酸素が結合してしまうと錆びちゃうからね。あとは塑性変形を……」

「ごめん。もう良いです」




 聞いてて頭が混乱してくる。

 は難しい事を知ってるんだね。

 塑性変形って何?って言う状態だよ、僕は(苦笑)

 でもこれでカートが直った事だし、万事OK

 女性も喜んでるし。

 だから僕達はこのまま旅に戻るつもりだったんだけど…




「ありがとう二人とも!!私はアドリアンヌ。良かったらウチに来ておくれ!お礼をしたいんだ」




 とか言いながら僕達を強制連行して行くアドリアンヌさん。

 を見てみると、彼女もアドリアンヌさんの行動に驚いて成すがままにまってるよ。

 ……良いのかな?僕は何もしてないんだけど。






































 † † † † †




「ただいま〜。良い子にしてたかい?ミリィ」




 ドアを開け、荷物を持ったアドリアンヌさんが入って行く。

 僕達も荷物運びを手伝いながらアドリアンヌさんに続いた。

 すると、家の奥から3,4歳位の女の子が走ってきた。




「おかえりなさい!ママ!!」

「ただいまミリィ。一人で寂しかったかい?」

「うん。でもねマリィちゃんがいてくれたからへいきだよ!あれ?おねえちゃんとおにいちゃんはだぁれ?」

「二人はねママの恩人なんだ。お姉ちゃんとアレンお兄ちゃんだよ」

「はじめまして。ミリィといいます。こっちはおともだちのマリィちゃん!よろしくね」




 ミリィが腕に抱えていたピンクのクマのぬいぐるみを見せてくれた。

 幼いのに一生懸命挨拶する姿がとっても可愛い。

 思わず笑みが浮かんじゃうよ。

 僕達は一生懸命挨拶してくれたミリィに視線を合わせて、挨拶を返した。

「初めまして、リトル・レディ。私はよ。仲良くしてね」

「僕はアレンです。よろしくお願いします」

おねえちゃんとアレンおにいちゃん!いっしょにあそぼう?」

「悪いね、少しの間相手をしてやってくれるかい?その間に夕食の準備をするからさ」

「済みません、ご馳走になります」

「お願いします。じゃぁミリィはお姉ちゃん達と遊ぼうね」

「うん!」




 はミリィと手を繋ぎ、ミリィの部屋へ向かって行く。

 僕も達の後を追って部屋へ向かった。

 

 










「でね、ミリィはね…」

「うんうん。凄いね〜ミリィ。それでミリィはどうしたの?」

「それでね、ミリィはマリィちゃんと…」

「へ〜!!ミリィはリトル・レディだからみんなに優しいんだね。将来はきっと素敵なレディになるわね!」

「うん!ミリィはね、すてきなれでぃになるのー」




 …って凄い!

 小さな子供の相手が上手いなぁ。

 ミリィの話にしっかり耳を傾けて、どう言ったらミリィが喜ぶかを考えてる。

 現にリトル・レディ(小さなお嬢さん)って言われて、ミリィは喜んでる。

 僕は考えもつかなかったよ。

 は年の離れた妹がいるのかな?




「え?年の離れた妹?いないよー」

「その割には小さい子の相手が上手だよね」

「ん〜…お世話になった人の子供がミリィ位なのよ。その子の相手をしてたから…かな?」

「そっか。でも最初に『リトル・レディ』って言った時は吃驚したよ!小さな女の子の心理がよく判ってるなーって(笑)」

「それはねその子が、某知り合いに『リトル・レディ』って言われて喜んでるのを見たからよ」




 普段は仕事を部下に押し付けサボっては中尉に銃を向けられ、雨の日は無能になる人よv




 どんな人ですか(汗)それは…

 聞いてみたい気もしたけど、はミリィと話してるからちょっと無理かな。

 え?僕?僕はミリィの話を聞くだけで精一杯です。

 今まで小さな子の相手をした事ない上に、ちょっと前まで『あの』師匠と生活してたんだよ?

 小さな女の子が喜ぶ言葉なんて思い浮かばないよ。




「でね、もうすぐミリィのおたんじょうびなの。だからおともだちをよんで『ぱーてぃー』をするの。
そのひはね、きれいなおようふくをきて、ミリィはおひめさまになるのー」

「うんうん。きっと可愛いお姫様になるわね。ね、アレン」

「うん。今のミリィも凄く可愛いけど、お姫様になったミリィは世界一可愛いだろうね」

「ほんとう?ミリィいまもかわいい?」

「うん。とっても可愛いよ」

「ありがとう!アレンおにいちゃん」




 喜んでいるミリィの横で、半ば呆れ顔の

 どうしたんだろう?僕、変な事を言ったかな?




「どうしたの?

「さっきの言葉って…ワザと?」

「は?さっきの言葉って?」

「天然か…」




 はぁ?は何を言ってるの?

 天然って…?


「ねえアレン………」




 うわ!顔が近いって///

 耳元で喋ってるの吐息が///




「もう!聞いてるの?アレン」

「き…聞いてるよ」

「本当かなぁ?で、アレンはどう思う?」

「うん。僕も賛成。じゃあ今から買ってくるよ。はミリィと遊んでて」

「うん。お願いね」




 そう言うと、僕は街へある物を買いに出かけた。









 

 必要な物は…コレとコレとコレ。あぁ…アレも必要だね。

店内を回り、必要な物を買い揃えて行く。

あとは会計を済ませて…さぁアドリアンヌさんの家へ戻ろう!
















後書き
またまた長くなってしまったので、ここで終了。
とりあえず、書きあがった所まで更新です。
冒頭部分、気になりますか?
さん達は、一体何をするつもりなのでしょう(笑)
それは次のお楽しみと言う事で(マテ)


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