「『使徒戦隊 Dグレンジャー』出動だよ」
兄さんのこの言葉で、私達の初任務は始まったの。
戦え!僕らの味方Dグレンジャー
−出動−
「あ!あの列車です。皆さん急いでください」
「あぁ?テメェが仕切ってんじゃねぇよ」
「仕方ないでしょ?僕がリーダーなんですから。
文句があるなら、配色を決めたコムイさんに言って下さい」
「ほらほら神田。文句言ってないで、行こう?
じゃないと、コムイさんからペナルティになっちゃうわよ?」
の言葉に、神田は舌打ちしながらも足を速めた。
ホント、ってば神田のいいストッパーね。
神田もの言うことだけは聞くんだから。
半ば呆れつつ、私も列車に間に合うように進むスピードを上げたの。
今回の任務はイタリア北西部のある街の近郊。
そこではアクマが大量発生しているらしいの。
サポーターと探索部隊の調査で判ったんだけどね。
実際にアクマがいて、被害も出てるから私達の出番ってわけ。
それにしても…Dグレンジャーとして出動か…
兄さんもなに考えてるのよ(呆)
「リナリー?どうしたの?」
「え?何が?」
「溜息をついてたみたいだったから。何か悩みでもあるの?」
が心配そうに私に聞いてきた。
なんっっっって優しいのかしら!!
神田になんて勿体無いわ!
そう思うんだけどね…も神田を愛してるのよ。
だったら私が口出しすることじゃないわ。
だって…が幸せなら、それで良いんだもの。
「私で良ければ、相談してね」
「ありがとう。でも違うの。溜息をついたのは兄さんに対してよ。
またくだらない事を思いついてるなぁと思って」
「あはは。確かにね。ただコムイさんなりの考えがあったんだろうし、
コムイさんはいつも私達エクソシストや教団の事を考えてくれてるわ。
何だかんだ言っても、みんなコムイさんの事を信頼してるわよ」
「だったら良いんだけど…」
「信頼してなかったら、コムイさんを室長だなんて認めないわ」
何でだろう?の言葉を聞いてると、心が軽くなるの。
真っ直ぐ、暖かく、心の中に浸透してくる。
ホント不思議。
がいるだけで暖かくて、心地よくて。
きっと神田もそう言う所に惹かれたのね。
「ありがとう、」
「ん?私は何もしてないわよ?」
「そんな事ない。の言葉で元気が出たもの!」
あんな兄さんだけど、私のたった一人の兄さん。
私の為に今の地位を手に入れてくれた。
例え突飛な発想をしても、私は兄さんが大好きよ。
大好きだけど………
「このDグレンジャーだけは、やめて欲しかったなぁ」
「それは私も同感です…」
すぐにも賛同した。
やっぱりも嫌だったのね(笑)
願わくは、兄さんがDグレンジャーに直ぐに飽きてくれますように(切実)
† † † † †
到着したイタリア北西部。
思った以上にアクマが多いみたい。
破壊された建物も多いわ。
でもまぁ、私達の敵じゃないわね(黒笑)
さてと。戦いに出る前にコレをセットしなくちゃ。
え?コレが何かって?
今は秘密よv
うん、この辺りにセットして完了。
それをアレン君に伝えて…と。
準備完了ね。早速出動よ。
「そこまでです!アクマ」
アレン君の掛け声と共に私達はアクマの前に出たの。
いきなりの事で、アクマは驚いたみたい。
私達の方を振り返って「誰だ!」と叫んだわ。
「Dレッド!」
アレン君がポーズをつけて叫ぶ。
「Dグリーン!」
「Dブラック」
「Dブルー!」
「Dピンク!」
同じように私達もポーズをつけて叫んだの。
あ、神田ってば本気で嫌そう(笑)
ペナルティがあるから仕方なくって感じね。
さあ、大事なのはここからよ。
私達が声を合わせて…
「「「「「『使徒戦隊 Dグレンジャー』参上!!」」」」」
しっかりとキめた瞬間。
ちゅどーん!!!!!
私達の後方で爆発が起きたの。
スイッチを入れたのは私。
ん〜…タイミング的にはこんな感じかしら?
え?何の話かって?
ほら、戦隊モノで登場する時に背後で爆発が起きるでしょ?
それをやったのよ。
さっきセットしたのは、簡単な爆弾。
威力はないけど、派手に魅せれる物なの。
これも兄さんのお手製。
ホント…何を作ってるのかしら。
力の入れ所、間違ってるわ(呆)
「『使徒戦隊 Dグレンジャー』?何だそれは…」
あ、ほら〜〜。アクマも呆れてるわ。
訝しんでいるアクマに、アレン君が説明をしている。
それを聞いたアクマは、私達の方を見ながら溜息をついたの。
「あ〜…何つーか…お前等も大変なんだな…」
「そうなんですよ〜〜。変わった上司を持つと大変なんです」
「判るぜ、それ〜〜」
「なになに?お前んとこも、大変なんさ?」
「それがよ〜〜、千年伯爵様がさー………」
あら…?アレン君とラビ、アクマと盛り上ってるわ…
お互いに上司(?)の愚痴を言い合ってるの。
って………そろそろいい加減にしないと、『あの人』が怒るわよ。
後書き
今回はリナリー目線でしたぁ!
リナリーって…気を抜くとヒロインと同じ口調になってしまうんですよね…
なので、微妙に書きにくかったり(苦笑)
さて次ぎはいよいよヒロインです。
話的には『戦闘』ですね。
………やっと戦闘かよ(苦笑)
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