いつものように、コムイの思いつきで始まったDグレンジャー。
 いい加減、俺を巻き込むなっ!!





 戦え!僕らの味方Dグレンジャー
 ―待機―






 有無を言わせないコムイの命令で、Dグレンジャーをやる事になった。
 どうやら俺のカラーは『黒』らしい。
 それはいい。最早色がどうとかと言う問題じゃねぇ。
 テメェの満面な笑みが不安でしょうがないんだよッ!!


「で、後は何を企んでるんだ?」
「えー?企むだなんて人聞きの悪い事を言わないでよー」


 ………良い年した男が頬を膨らませても可愛くねぇよ。
 それよりも、早く用件を言いやがれ。
 俺はを連れて部屋に戻りたいんだ。


「みんなDグレンジャーに賛成してくれたでしょ?」
「兄さんが無理やりみんなを脅したのよね」
「そして、それぞれのカラーも決まった」
「やっぱり、勝手に兄さんが決めたわ」
「そこでボクは考えたんだ!!」
「またくだらない事を言ったら、黒い靴で蹴るわよ?」


 ナイスツッコミだな、リナリー。
 リナリーのツッコミに、モヤシも頷いている。
 どうせコムイの事だ。またくだらない事でも言うのだろう。


「酷いよリナリー…お兄ちゃんはみんなのためを思って…」


 リナリーの言葉にショックを受けていたコムイを慰めたのは、だった。
 ったく…もコムイなんか放っておけば良いものを。
 どうせ俺たちが迷惑こうむる事を言うに違いねぇんだ。
 ま、そんな優しい所もの魅力の一つだけどな。
 のおかげで復活したコムイは、再び笑みを浮かべながら『ある物』を取り出したんだ。


「戦隊モノといえば、バトルスーツだよね!で、ボクの頭脳の持てる全てを持ってコレを開発したんだ!」


 そう。コムイの持っていたのは、戦隊モノでは定番の衣装。
 変身後に着る全身タ○ツみたいなやつだ。
 おい…マジかよ(怒)
 それを見た瞬間、誰もが引いたぜ。
 あのラビでさえもだ。
 俺は絶対にそんなもの着ねぇよ!!


「いや〜〜。コレを作るのに3日も費やしちゃったよ〜。
 機能的には皆の着ている教団コートと変わらないからネv」
「………ら………ね」
「え?何だい?リナリー」
「そんなものを着せようとしたら、もう2度と兄さんと口を聞かないからね(黒笑)」


 「そんなーリナリー!!」と泣き叫んでいるコムイから、モヤシはバトルスーツを取り上げる。


「僕もそんな物は着たくないですからね。はい、
「えぇ。私も流石にコレは…(汗)」


 は近くにあったテーブルから、木の箱を練成し、その中にバトルスーツを入れた。
 そして、それをラビに回す。


「オレも、それは無理だなぁ」


 ラビは槌を手に取り、それを二回りほど大きくさせた。


「イノセンス第2解放 火判」


 ラビのイノセンスが、木箱ごと全身タ●ツを燃やした。
 よし、これで安心だな。
 ったく…コムイもくだらねぇ物を作るくらいなら仕事しろ!
 お前が仕事をしないからが手伝うハメになるんだ。
 本当に今度シめとくか?
 

「酷いよみんな〜〜。折角ボクが頑張ったのに〜」
「頑張り所が間違ってるわよ、兄さん」
「はぁ…また科学班へお手伝いに行かなくちゃいけなさそうね」
「別にが行く必要ないよ。悪いのはコムイさんだ」
「そーそー。が手伝うことなんてないさ〜♪」
「え?でも、リーバーさん達の仕事が増えちゃわない?」
「コムイが徹夜で仕事すれば良いだけの話だろ」
「そうね。たまには兄さんにも真面目に仕事をしてもらわなくちゃ」


 皆がそれぞれコムイに対して思っていた事を言う。
 それを聞いたコムイは、部屋の隅で「の」の字を書いて蹲っていた。
 って…何で俺はこんな雑談をしてるんだ?
 話は終わったんだろ?
 さっさとを連れて部屋へ戻るとするか。


、部屋に戻ろうぜ」
「そうねぇ。そろそろ戻ろうかな」


 「だったら僕も」と、モヤシも退出しようとしたとき。
 復活したコムイが、慌てて俺達を止めた。
 まだ何かあるのかよ!?


「全身タ●ツは良いとして、戦隊モノなんだからカラーは必要でしょ?だから、はいコレ」


 コムイは何処からともなく、アイテムをいろいろ取り出した。
 それを皆に配っている。
 モヤシは赤いタイリボン。ラビは黄色のマフラーだ。
 リナリーは青のリボンを受け取った。
 はと言うと、ピンクのブレスレットを貰っていた。


「あとは神田くんだね。キミのカラーは黒だから…」
「必要ねぇな。俺は黒なんだろ?教団コートで充分だ」
「えー?でも」
「必要ねぇっつてんだろ」
「ふぅ…仕方ないね。神田くんは言い出したら聞かないんだから。
 それじゃ、みんな。Dグレンジャーとして出動するときは、必ず身に付けるんだよ。
 もし身に付けてなかったらペナルティーだからねv」


 ………まぁ、それぐらいならな。
 あの全身タ●ツでペナルティを受ける事を考えると、今の方が断然マシだ。
 達もそう思っているのだろう。
 ホッとしたような表情で頷いていた。


「さ、話はコレでおわり☆あとは任務が入るまで自由にしてて良いからね。
 あ、リナリーには手伝って欲しい事があるんだけど、良いかな?」
「構わないわよ、兄さん」


 そう言いながら、コムイとリナリーが部屋の奥へと歩いていった。
 はぁ…やっとコムイの言う用事が終わったか。
 何だかすっげぇ長く感じたな。
 Dグレンジャーか…先が思いやられそうだが、今は何も考えたくねぇ。
 を連れて部屋へ戻るか。


、俺の部屋に戻らねぇか?」
「そうね…って、あ!ゴメン、今日は行けない。研究途中で呼ばれたから片付けてないの」
「ふーん。だったら今日は俺がの部屋に行くぜ」
「ホント?そうしてくれると助かるわ」
「じゃあ俺は一度に荷物を置いてから行く。部屋の鍵を開けておけよ」
「え…それはちょっと」


 は?何でだよ。
 いつもなら、俺が行くと判ってるなら鍵を開けておくだろ?
 しかも、明らかに困ったような表情をはしている。
 そして………


「おい、今逃げて行こうとしてる奴!テメェに聞きたい事がある」


 そう。今忍び足で逃げて行こうとしてるラビ!!
 ちょーっとばかり、テメェと話をしなくちゃいけないようだな(黒笑)




後書き
Dグレンジャー第2弾☆
意外と評判が良くてビックリです(笑)
そんなこんな(?)で第2話ですが…
「いきなり待機かよっ!」と言うツッコミは受け付けません(マテ)
だって…ねぇ?エクソシストだし?(だから何だ)
いずれは戦闘も書く(予定)ですので、お待ち下さい〜〜