彼が帰る時まで、子守をしようと思います。
Child Panic 中
「ママー。おなかすいたー」
に言われて時計を見れば、既にお昼の時間。 そう言えば…私もお腹が空いたわ。 みんなもお昼がまだだったらしく、このメンバーで昼食を取る事になった。 タタタタタと走っていく。 転ばないかハラハラしながら食堂まで歩いていったの。
「あらん?いらっしゃ〜い。今日は可愛い子を連れてるわねぇ」 「はい。って言うんですよ。、ごあいさつは?」 「こんにちは〜〜」 「アラ〜〜〜!礼儀正しいイイコね!何食べる?アタシ何でも作っちゃうわよ」
料理長のジェリーさんに、はオムライスと答えていた。 私たちもそれぞれ注文して、昼食を作って貰ったの。 それを持ってテーブルに座り…(のは神田が運んでくれたの)
「「「「「「「いただきます」」」」」」
みんなそれぞれ食べ始める。 はスプーンを使って彼専用の小さなオムライスを食べてるんだけど… このぐらいの小さな子って、まだ食べるのは上手じゃないのよね。 口の周りにいっぱいケチャップを付けてるの。
「ほらほら。お口の周りにいっぱいついてるよ」 「う?」
テーブルの上にあった紙ナプキンで口の周りを拭いてあげる。 はその間、私が頼んだハンバーグをじっと見ていたの。 もしかして食べたいのかしら?
「ハンバーグも食べる?」 「うん!」
ハンバーグを小さく切って、に食べさせてあげた。 それがとても美味しかったらしく、笑顔を浮かべている。 やっぱり子どもって可愛いわ。
「ねぇママ。おいしいねぇ」 「そうね。ジェリーさんの料理はいつ食べても美味しいわ。もう一口食べる?」 「たべる〜〜。でもね、ぼくはママのごはんが、いちばんすきだよ?」
な…なんて可愛い事を言ってくれるのかしら!! 可愛い!!本当に可愛い!! 未来の私が羨ましいわ。 『ありがとう』の気持ちを込めて、彼の頬にキスをする。 すると、リナリーがくすくす笑い始めた。 コムイさんやラビ、アレンまで笑っていたの。
「そうやってると、本当に親子みたいね」 「くんは良いお母さんになりそうだね♪」 「そうかしら?だったら嬉しいな」 「大丈夫。僕ならがお母さんだったら嬉しいよ」 「は良妻賢母になれるぜ」 「そ…そんなに誉めても何も出ないわよ///」
もう…みんな誉めすぎよ〜。 きっと顔が赤いわね。だって頬が熱いんだもの。 火照った頬を冷やすため両手を当てていた時。 ふと思いついたように、ラビが問題発言をしてくれたのよ。
「なぁ…の父親って誰なんさ?」
この言葉に、皆は食事をしていた手を止めた。 そう言えば………から父親の話題は出なかったわね。 教団内で沢山の人を見たけど、誰も『パパ』って言わなかった。 もしかして、教団内にパパはいないのかしら? ううん。それはない。だって彼は…
「ねぇくん。キミのパパは誰なの?」 「う?パパ?」 「うん。パパのお名前、言えるかな?」
リナリーが優しく問いかける。 は一生懸命考えてるみたいだったの。 ………私を見てすぐに『ママ』と言ったのに、何で『パパ』は考えるのかしら? それにずっと思っていた事があるの。 こんな小さな子が、何の代価もなしに練成できるのか…と言う事を。 自分の力以上の練成を行うと、リバウンドが起きてしまう。 もしかしたらも………?
「なぁ。お前の父親は『ラビ』だろ?」 「何言ってるんですか?のパパは『アレン』ですよ」 「違うよね〜?くんのお父さんは『コムイ』だよね?」 「テメェら…まだ諦めてなかったのかよ(怒)」 「え?そんな事を言いましたっけ?」 「未来は誰も判んねぇだろ?と別れて、オレと付き合ってるかもしれねぇさ」 「そ☆誰でもまだチャンスはあるって事だよ、神田くん」 「絶対にありえねぇ!さっさと捨てろ、そんな希望」
人が真剣に考えてる時にあなた達は… 煩く言い争うとが泣いちゃうじゃない。 あ!ほら〜目に涙を浮かべてるわ。
「ママ〜…」 「大丈夫よ。私が怒っておくからね」 「うん…」 「みんなもを泣かせないで。父親が誰かなんていいじゃない」 「えぇ!?は気にならねぇの?」
ラビが不満顔で聞いてくる。 けれど、この子に聞こうとしても無理なのよ。 一時的に記憶を失ってるわ。
「記憶を?の事は覚えてるのよね?」 「えぇ。全部じゃなくて、一部分だけね。あと記憶の混乱も起きてる」 「どういう事だ?」 「錬金術は自分の力量以上に練成してしまうと、リバウンドが起きてしまうの」 「リバウンドって…記憶がなくなっちゃうの?」
アレンが心配そうに言う。 神田やラビ、リナリー、コムイさんも心配そうにを見た。
「人によって違うわ。は時間も越えたから脳に負荷がかかりすぎたのかもしれない」 「だからくんにとって過去のくんを『ママ』と言ったり、父親が誰か判らないんだね」 「…それは大丈夫なのか?記憶は戻らねぇのか」 「一時的なものだと思うけど…もしかしたら未来に帰った時に戻るかもしれない。私には何とも…」
そう言うと、ラビが「誰が父親か知りたかったのにな〜」と残念そうに言っていた。 口には出さないけど、アレンやリナリーやコムイさん、神田までもが残念そうにしていた。 あら…?みんなは気付かないのかしら? この子、こんなにも似てるのにねぇ。 確かに私に似てるんだけど、顔のパーツのそれぞれを見ると、父親にそっくりなのよ。 でも今は、悩んでる皆の顔が面白いから教えてあげないわ。
食事後はをつれて部屋に戻ったの。 最初は「錬金術を見たい」って言ったから見せてたんだけど… お腹いっぱいで眠くなっちゃったのかな? しきりに目を擦っている。
「、眠たいの?」 「ん〜…ママぁ…ねる〜」 「そっか。じゃあベッドに行こうね」
返事をするだけど、こっくりこっくり頭が揺れている。 これじゃあ歩けないわねぇ(苦笑) 私はを抱き上げ、ベッドに運びそっと寝かせる。
「ママぁ…」 「ん?なぁに?」 「ママもいっしょ〜…」
か…可愛いッ!! 睡魔の所為で舌足らずな喋り方も、ぎゅっと服を掴む手も可愛い!! こんな可愛い子の誘いは断れないわ! 私もの横に寝転び、彼をぎゅっと抱きしめた。 するとね、は嬉しそうにしながら眠りに入ったのよ。 子どもって本当に可愛いわねぇ。 見ていても飽きないし。 ふぁ…眠ってるを見ていたら、私も眠くなっちゃった。 部屋の鍵は掛けてあるし、万が一が起きても迷子にならないよね。 このまま寝ちゃおう。おやすみ、。 |