ん…今何時だろう?

 軽く眠るつもりだったけど、しっかり寝入っちゃったみたい。

 はまだ寝てるかしら?

 えっ!?うそ!!

 横を向いて、愕然としたの。

 だって彼がいなかったんだもの!!






Child Panic 






?どこにいるの?」



 声をかけてみるけど、返事は無い。寧ろ、この部屋に私以外の気配は無いの。

 まさか部屋の外に?

 慌ててドアに近付いたんだけど、鍵がかかってる。

 錬金術を使って外へ…?でもまさか…あのくらいの子に出来るはずは…

 そう考えた時、ドアをノックする音が聞こえた。

 開けてみれば、立っていたのは神田だったわ。



「どうしたんだ?。そんな血相を変えて」

がいなくなっちゃったの!!」

「は?」



 怪訝な表情を浮かべている神田に、今までの経緯を説明したわ。



「どうしよう神田…やっぱり私は寝たらいけなかったのよね?に何かあったら…!」

「少し落ち着け。いったん部屋に戻るぞ」



 あまりにも気が動転していた私を、神田は部屋に促した。

そして神田はコーヒーを入れるためにキッチンへ行く。

その間椅子に座り、どうして気配に気付けなかったのか悔やんでいたの。

 階段から落ちたりして、怪我してないかしら?

 不安で泣いていないかしら?

 教団の中だから危険な人がいないのが救いよね。

 何かあったら、保護してくれるだろうし。

 の事を思いながら、ふと机の上を見たの。

 そこには、見慣れない封筒があったのよ。

 何かしら?こんな物を置いた記憶はないわ。

 不思議に思いながら、その封筒を開けてみたると、中には手紙が入ってた。

 ………………



「えぇッ!?」

「大きな声をだしてどーしたんだ?」



 コーヒーを持って来てくれた神田に、この手紙を見せたの。

 すると神田もその内容に驚いていた。



「やっぱりアイツは…」

「みたいねぇ(苦笑)」







『若い日の

 が突然いなくなって探してるかな?

 大丈夫よ、安心して。今は私の元へ帰って来てるから。

 あの子が首にかけてたプレートね、まだ未完成なの。

 術を発動しても、数時間で元の時間軸や場所に戻っちゃうみたい。

 だからこの手紙も、いつか私の元へ戻ってくるかも。

 まぁ今回はその作用に助けられたんだけどねぇ。

 がネックレスを持ったまま術が発動した時は焦っちゃったわよ〜。

 行き着いた先が若い日の私の所で良かったわ。

 も楽しそうにしてたみたいね。

 今も笑顔で眠ってる。

 面倒を見てくれてありがとう。

 ごめんね、御礼を言うのが遅くなっちゃったね。



 も聞きたい事が沢山あると思うけど、教えてあげないわ。

 錬金術に関しては、自身が研究しなくちゃ意味がないもの。

 大丈夫よ。私にだって出来たんだから。

 これから起きる事も秘密。

 教えたらつまらないでしょ?

 でもね、これだけは言っておくね。

 未来の自分を難しく考えないで。

 らしく、一生懸命走ればいいのよ。

 そうして得られた『今』は悪くないわ。

 

 この位かな?私がアドバイスできるのは。

 あ!そうそう。二つだけ教えておくね。

 コムイさんのコムリンには気を付けて。

 それとの父親だけど、の想像してる人で合ってるから。



 それじゃあね〜。

 お互い元気で頑張っていきましょう。



 (旧)・カーティス』






 これで決定。は私の子どもだったんだ。

 っていうか、父親って…やっぱりあの人なのね。

 くすくす笑っていると、神田は眉を潜めて手紙を睨んでいる。



「おい、の父親って誰だ?の想像した奴って…」



 まさか奴らじゃないだろうな

 そんな黒いオーラが神田から出ている。

 はぁ…本当に気付かなかったのかしら?



「まだ判らないの?」

「判るはずねぇだろッ!!そっくりなんだぜ。
 しかも名前はご丁寧に旧姓で書いてある」

「ふふ。こういう事する辺り、私らしいわね〜」

「笑ってんじゃねぇ。誰なんだよ」



 これ以上はぐらかすと、神田は怒っちゃうかな。

 ん〜…怒るというか、拗ねそう。

 暫く悩む神田達を見ていたかったんだけどねぇ。

 仕方ない。教えちゃいますか。



ね、確かに私に似ていたわ」



 いったん言葉を区切り、神田の耳へ唇を寄せてそっと囁いた。



「でも目元と口元は神田にそっくりだったのよ」



 さぁ、神田はどんな反応をするのかしら?







後書き
とりあえずしゅーりょー。
某Y大サー○スの持ちネタが聞こえてきそうですね…(汗)
ベタな終わり方で済みません…
うん…でも終わって良かったッ!!
最後まで読んで頂き、ありがとうございますv
シオン様、またもやコムリンネタが出てきそうな終わり方ですが、
こんなんで宜しければ、お納め下さいませ。

シオン様のみ転載可でございます。



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