私にとって、精神的な疲れを蓄積して始まった宴。
 ………はっちゃけちゃいましょうか!!







木洩れ日のような 25







 政宗さんの掛け声から始まったこの宴。
 最初に政宗さんのお猪口に注いだら、政宗さんも私に注いでくれました。
 それを一口呑んでみる。
 ………困ったな。これ辛口だ。
 日本酒の辛口、苦手なのよねぇ。
 だからと言って、折角政宗さんにお酌してもらったんだもん。
 呑まなくちゃ。
 一杯目を飲み干し、お猪口をお膳の上に置く。
 空きっ腹にお酒は良くないから、最初に食べておこう。
 そう思い、お膳の上の料理を食べてたら…


「ん?もう呑んだのか?ほら、二杯目いけよ」


 と、政宗さんがお銚子をくれたんだけど…


「伊達の旦那〜。あまり早い段階でさんに呑ませないでね」
「あぁ?何だ?佐助。に呑ますなってどういう事だ?」
「『呑ますな』じゃなくて、『早い段階で』が駄目なの。
 さん空きっ腹で呑むとさ、次の日大変な事になるんだよね〜〜。ね?さん」
殿、あまり呑んではいけない。次の日が辛くなるでござるよ」
「あ…あはは…(汗)」


 幸村さんと佐助さんに心配されて、苦笑する私。
 私達の様子に、政宗さんは訝しげにどう言う事か聞いてきたの。
 まぁ、早い話が私はお酒に強くない。
 元の世界にいたときも、甘いカクテル2杯が限界だった。
 そんな私がアルコールの強い日本酒がたくさん呑めるはずがないのよね。
 ましてや空きっ腹で呑むと、次の日は確実に二日酔いになるの。
 これ…一度武田にいるときにやっちゃったんだ…


「ですので、まずは空腹をなくそうと思いまして」
「Oh〜…成程ねぇ。ま、俺としてはの酔った姿を見てみたいんだかな」
「ややや止めて下さい!そんなSっ気出さないでくださいよ!あ、政宗さんお酒注ぎましょうか?」
「頼むわ」


 政宗さんから差し出されたお猪口に、お酒を注ぐ。


「幸村さんもいります?」
「某も貰おう」
「あ、伊達の旦那も真田の旦那も良いなぁ。さんのお酌して貰ってさ」
「もちろん佐助さんにもしますよ〜」


 幸村さんと佐助さんにお酌をしながらふと思ったんだけど…
 私が皆さんのお酌をすれば、呑む機会がなくなるんじゃない?
 そうだ!そうしよう!それが良いv
 そう結論に経った私は、お酌する側に徹底する予定だったのに…
 気付けば、皆さんに勧められて何だかたくさん呑んでるような気がします(汗)






























 + + + + + + 


 わいわいがやがや、皆さん楽しそう。
 何かの話題で盛り上り、大笑いしてる人達。
 お酒の呑み比べをしている人達。
 それを囃し立ててる人達。
 何だか飲み会みたい(笑)
 ボーっとしながらその光景を見てたら、成実君に呼びかけられました。


ちゃん!小十郎の舞って見た事ある?」
「舞…ですか?」
「そう!小十郎って舞が上手いんだよ!」
「なっ!何を言いだすんですか!!」


 成実さんの言葉に、小十郎さんは真っ赤になって大慌て。
 何だか可愛いですよ、小十郎さん(笑)
 でも、小十郎さんって繊細っぽいから、綺麗な舞を踊りそう。


「小十郎さん!私、小十郎さんの舞を見てみたいです!」
さんまで何を!私なんかより、殿の方がお上手ですよ!」
「え!?政宗さんって舞を踊れるんですか!?」


 すっごく意外です…
 そう呟いたら、ギロリと政宗さんに睨まれてしまいました。
 た…ただでさえ眼つきがよろしくないのに、睨まないでくださいよ!
 本気で怖いですって(怖)


「俺が舞を踊れたらおかしいか?」
「めめ滅相もないでございますよっ。あ!私、政宗さんの舞を見たいです!」
「良いね〜。殿ー、久し振りに見せてよ〜」


 成実君の言葉に、政宗さんは眉を顰めた。


「あぁ?何で俺が踊んなきゃいけねぇんだ」


 政宗さんは反対したけど、周りの人達がノリにノって大騒ぎ。
 「殿、踊ってくださいよ」や「見たいんすよー」の声が飛び交っている。
 さっきは慌てて言ったけど、正直に言えば私も政宗さんの舞を見たいな。


「政宗さん。私も見たいです。踊ってください」


 小首を傾げながらお願いしたの。
 政宗さんは少し考えた後、小十郎さんに刀を持ってくるように言った。
 その瞬間、広間は皆様の大歓声。
 …この様子からすると、政宗さんは踊ってくれるみたい。
 嬉しいな。初めて『舞』って言うのを見れるよv


「殿!お待たせ致しました。刀を持って参りました!」
「Thanks!俺が踊ってやるんだ。しっかり見てろよ」
「はい!瞬きする間も惜しいくらいしっかり目を見開いてますよ!」
「ははっ!それなら俺も踊り甲斐があるってもんだ」


 政宗さんは小十郎さんから刀を受け取り、広間の中央へ行く。
 そして静かに鞘から刀を抜いた。

 ゆっくり流れる流水のように優しく、時には風のように素早く政宗さんは踊る。
 花を摘む時みたいに優しく刀を振ったかと思えば、次の瞬間は力強く一刀両断に。

 凄い…凄い!凄い!凄いっ!!
 初めて『舞』を見たけれど、政宗さんの舞が凄いことくらい判る。
 誰もが政宗さんに見とれてた。
 誰もが政宗さんの舞に魅入ってた。
 あの佐助さんでさえも「伊達の旦那、やるね〜」って言ってる。
 政宗さんの舞を見てたらあっという間に時間が過ぎた感じ。
 踊り終わった政宗さんは、刀を鞘に納めながら私の横へ戻ってきたの。


「Oh Honey.俺の舞は最高だろ?」
「はい!凄く格好良かったです!初めて舞を見たんですが、最高でしたよ!」
「そうかそうか。最高か。惚れただろ」
「も〜。何言ってるんですか、政宗さん」


 普段なら真っ赤になって慌てるだろうセリフも、お酒の所為か軽く流した私。
 この後も、政宗さんの舞で盛り上ってたんだけど…
 幸村さんが、ふと思いついたように尋ねたの。


殿は何か踊れるでござるか?」
「え?私には政宗さんのような舞は無理ですよ」
「例えば、さんの世界の舞とかないの?」


 佐助さんの問いに、ちょっと考えてみた。
 元の世界にも舞はあるけど…踊った事ないわよ。
 と言うか、習った事もない…けど。


「けど?さん、何か踊れんの?」
「異世界のDanceねぇ…面白れぇ。、踊れや」


 え!?踊れって…ここでですか?
 この大衆の前で?しかも政宗さんの素晴らしい剣舞の後ですよ?
 恥ずかしくって踊れませんよ!!


ちゃーん、踊ってよ。俺も見たいー」


 し…成実君まで!?


殿、某も見てみたい。踊ってはくれないだろうか?」


 う…幸村さんが期待の眼差しで見つめてきます。
 そのキラキラした表情の幸村さんに、シッポが見えるのは気の所為でしょうか?
 ましてやそれが、千切れんばかりに振っているのは…(汗)


殿ー、踊ってくだされ〜」
「俺も見たいっす〜」
殿〜〜」


 な…何で皆さんまで期待してるんですか?
 うぅ…皆さんで注目されたら断りにくいじゃないですか。
 どうしようかと思い、政宗さんをチラッと見上げたら…


「ま、観念して踊れや」


 そうですね。そう言うと思ってましたよ。
 仕方ない。女は度胸!覚悟を決めますか。
 ん〜…何を踊ろうかな?政宗さんみたいな舞なんて無理だし。
 …そうか。舞に拘らなくても良いんだ。
 じゃあ、友達とカラオケで行くときに絶対にやるアレ…行こうかな(笑)


「では、僭越ながら躍らせて頂きます」


 先ほど政宗さんが舞った場所まで行き、ペコリと挨拶をする。
 すると、広間の中に歓声がこだました。
 えっと…伴奏が無いから、そのままいっちゃおう。
 え?何するのか?それはね…


「この頃はやりの女の子〜♪」


 そう!倖田○未のキュー○ィーハ●ーです。
 もちろん『あの』振り付けで(笑)
 カラオケのプロモやDVDを見て、バッチリ覚えましたよv
 エロかっこよく!これがテーマです☆
 っと…今はデニムのスカートで、結構短いからギリギリかな?
 まぁ見えそうで見えないチラリズムを楽しんでください(笑)
 今回は間奏も無理なので飛ばして…と。
 さあ、最後の締めですね。
 ポーズを決めて


「変わるわよ?」


 終わった直後、広間はシンとしていた。
 うわー…ドン引き?ドン引きさせちゃったかな?
 やりすぎた?と、反省したとき。



「「「「「わーーーーーー!!!!」」」」」



 と、政宗さん並の歓声が広がりました。
 みんな拍手したり、口笛(指笛?)を鳴らしてる。


!」


 何だか上機嫌な政宗さんに呼ばれました。


「何ですか?政宗さん」
「あれがの世界のDanceか?」
「はい。全部が全部アレではないですが、今回は私の好きな歌手のをやってみました」
殿ー!ははははは破廉恥でござるうぅぅ!!」
「ずいぶん過激な踊りだねぇ。
 真田の旦那には刺激が強かったみたいだよ。ま、俺は見てて楽しかったけどさv」
「Sexyで良いじゃねぇか」


 テーマがエロかっこいいですから(笑)
 この世界でこんな踊りをするのって、私だけだろうね(当たり前)
 今夜は踊ったから、これでもう出番は無いだろうと安心してたのに…


さん、さん。もう1曲踊らない?」


 と、佐助さんからのリクエストが入ってしまいました(汗)
 「いいねぇ」と便乗する政宗さん。
 それを助長させるかのように囃し立てる皆様。
 真っ赤になりながらも何も言わない幸村さん。
 つまりアレですか。私に拒否権はないんですね。
 皆さん、だったら最後まで付き合ってもらいますよ?
 覚悟を決めた私は、体力が持つまで倖田●未を踊り続けました。
 

 あ…明日筋肉痛になりそうです(汗)





後書き
倖田●未が大好きです!
カラオケでは絶対に歌います!
メドレーしてます(笑)
キュー●ィー○ニーを歌うときは、必ずPVにしてますが、かなりセクスィ〜ですよね!
私もあんな女性になりたいです!!