「今夜は楽しもうぜ!Let’s party!Ya-ha-!!」
「Yeah!!」
奥州の人達って、ノリが良いんですね。
木洩れ日のような 24
事の発端は朝。
特に急いでやる事のなかった私は、女中さんのお手伝いをしてました。
いや、もちろん最初は大反対ですよ?
「様はお客様ですし、何より信玄様の娘ですから!!」
この一言で一蹴されましたが、そこは粘りました。
武田にいた頃もやってたし、何より私がやりたいから!
そう訴え続けて、何とか女中頭さんの許可を得ました。
頑張った!頑張ったよ私!!(感涙)
そんなこんなで、洗濯物を干していた私の元へ、政宗さんがやってきたのです。
「…何やってんだ?」
「何って…洗濯物を干してるんですよ」
「そりゃ見れば判る。俺が聞きてぇのは、何でアンタがやってるって事だ」
「暇だったんですよ。何もやる事が無いのは嫌なんです」
「…変わってねぇなぁ。いや、昔からそうだったのか」
「え?」
「こっちの話しだ。それよりも…だ。今夜は空けとけよ」
今夜…ですか?今夜は特にする事もないので…って…
私、暇な子みたいですね。
ちょっとショックでした(泣)
「今夜は空いてますが…何か用ですか?」
「宴を開く。も参加しろ」
宴…ですか?
お酒を呑んでワイワイ騒ぐやつ…ですよね?
むー…お酒は得意じゃないんだけどなぁ。
でも折角政宗さんが誘ってくださったんだし、断ったら悪いよね。
あ!お酒を呑まなきゃ良いじゃん。
美味しいご飯も出そうだし、騒ぐの大好きだしv
「判りました。楽しみにしてますv」
「OK!時間になったら迎えに行ってやるよ。それまで良い子にしてろよ、Honey」
くしゃっと、私の頭を撫でて政宗さんは去っていく。
多分、宴の準備をしに行くんだろうけど…
佐助さんに続き、政宗さんも私の事を子ども扱いしてませんか?
って…しまったーーー!ハニーにツッコミを入れるのを忘れたっ(今更)
がっくりと肩を落としていると、クスクスと笑い声が聞こえたの。
「あらあら。政宗様は様がお気に入りなのですね」
「本当に。あんなにも嬉しそうな政宗様は初めて見ましたわ」
「そうなんですか?」
「はい。様が来てからと言うもの、米沢のお城は明るくなりましたの」
「えぇ!雰囲気が柔らかくなったと言うか」
そう言われても、私が来る前の米沢城って判らないかならぁ。
「そうなんですね」と言うしかないですよ(苦笑)
と、こんな感じで女中さんとお話しながらお手伝いをして時間を潰しました。
+ + + + +
日も随分と傾き、そろそろ宴の時間。
政宗さんに、「異世界の服で」と言われたので、
今はデニムのスカートにフリルのついたキャミソールと、
背中までの丈の短い上着を着ています。
ちょっと肌寒いから、一応ショールも持って行こう。
軽く化粧もしたし。準備OK!
「、準備できたか?」
あ、政宗さんだ。
ナイスタイミング〜〜。
「はい、準備終わりましたよ。いつでも行けます」
障子を開けて政宗さんの元へ行く。
政宗さんはじっと私を見た後、満足そうに頷いてました。
………何で?
「あの…政宗さんが異世界の服でって言ったので、これを選んでみたんですが…どこか変ですか?」
「あ?急にどうした?」
「いえ…さっき、じっと私を見ていたので。変かな?と思いまして」
「変じゃねぇよ。下に着てる物の丈が短くて良いなと思っただけだ」
下に着てる物って…デニムのスカート?
………はっ!!よくよく考えれば、これって膝上20センチ!
ちょ…私危なくない?
「私!着替えてきます!!」
「却下だ」
「何でですか!!」
「俺が見てて楽しいからに決まってんだろ。綺麗な足してんなぁ?チャンよぉ。
このまま宴なんかより俺の部屋に行くか?」
せ…セクハラですよ!セクハラ!!
本当に貞操の危機になりそうです。
何とか回避せねばっ!!
「い…いやいやいや。ほら、皆さん宴を楽しみにしていましたし、私達も参加しましょうよ」
「あいつ等だけで盛り上ってれば良いだろうよ」
「そんな訳にはいきませんって。伊達の殿様の政宗さんがいないと始められませんよっ」
「私も伊達の宴に参加してみたいですし」と、必死で訴える。
頑張れ私!ここで負けるわけにはいかないわ。
「Ah〜…がそこまで言うなら、宴に行くか」
「そうですよ!宴、楽しみにしてましたもんっ。でもその前に着替えてきますね」
「却下っつってんだろ」
「どうしてですかーーー!?」
「俺が見てて楽しいから」
………何だか堂々巡りのような気がします。
政宗さんもそれに気付いたのか、ニヤリと口角を上げて笑いました。
嫌な予感がしますヨー…
政宗さんにつられ、引きつった笑みを浮かべたとき。
ふわりと体が浮きました。
「ままま政宗さん!?」
「チャンよぉ。優しい俺が選ばせてやるよ。
このままの格好で宴に参加するか、着替えて俺の部屋に連れてかれるか。どっちが好みだ?」
「このまま宴の開かれる部屋へとお願いします」
政宗さんの部屋へ連れて行かれたら、何が起こるか判りません。
絶対に美味しく頂かれてしまうと思うんです。
幸村さんや佐助さんに助けを求めた所で無理だろうし…
だって、幸村さんは「破廉恥でござるーー!」と叫んで出て行くだろうし、
佐助さんは「お!伊達の旦那やるじゃなーい!俺も参加して良い?」って言ってきそうだし(汗)
だったらこの格好で宴に参加したほうが良いわ!
………後で小十郎さんに叱られそうだけど(凹)
私の返事に政宗さんは「チッ」と舌打ちしてました。
舌打ちの意味が判んないんですけどーーー(汗)
…はぁ。何かもう良いや。
それよりも!
「私はいつまで抱きかかえられてるんでしょう?
」
私、重いと思うんですが…
そりゃまぁ、この世界に来て痩せたけどさ。
幸村さんや佐助さんの特訓のおかげで、無駄な脂肪は落ちたけどさ。
政宗さん、腕疲れません?
「何時までだぁ?そんなの決まってんだろ。宴が始まるまでだ」
「はい?」
宴が始まるまで?
何ですか?つまり宴を行う部屋に入ってからもお姫様抱っこですか?
この体勢で部屋に入るんですか?
「ちょっ!待ってください!せめて部屋の前で降ろしてくださいよ!!」
お姫様抱っこで部屋の中って…皆様に見られるんですよ?
恥ずかしいじゃないですか!!
どんな罰ゲームですか!?
頑張って訴えるも聞いてくれる政宗さんじゃなく…
政宗さんは私をお姫様抱っこしたまま、宴が行われる広間へ入って行きました。
願わくは、下着が見えませんように(切実)
「待たせたな!オメェ等!Are you ready guys?」
「Yeah!」
「今夜は楽しもうぜ!Let’s party!Ya-ha-!!」
「Yeah!!」
「殿ー!ちゃんを抱き上げてくるなんて格好いいじゃん!」
あ、成実君だ。
「当然だろ。愛しいHoneyは大事に扱うもんだぜ」
いやいやいや。大事に扱われてない気がしますよ?
っていうか、Honeyになった覚えがないのですが。
「流石は政宗様だ!やる事が違うねぇ」
「殿ー!格好良いっすよ!」
伊達の皆様。口笛なんか鳴らしたりして、政宗さんを煽らないでください。
そして私は何時までこの体勢なのでしょうか?
「殿!!破廉恥でござるーーー!!」
私が破廉恥なんですか?幸村さん…
何処がって…あぁ…きっと服の事ですよね?
足が丸見えですもんね。
「ひゅ〜〜♪さん良い眺め〜♪」
佐助さん…そのアングルから見ないでください。
下着を見られたら泣きますって。
これから佐助平って呼びますよ?コラ。
「政宗さん、降ろしてください」
「あ?My honeyは我侭だな。仕方ねぇ。ほらよ」
と、政宗さんはご自分の席(一番上座)の横に私を座らせてくれました。
…もう突っ込むまい。
上座の方に座ろうが、My honeyと言われようが、何も突っ込むまい。
宴を開く前に、こんなにも疲れた事は初めてです…(泣)
後書き
伊達でのとある1日。
やっぱり、政宗さんは変わらず意味不明にさんを抱き上げてます(笑)
さてさて、この次ぎは宴本番。
さんを、少しハジケさせましょう!!(笑)
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