あの〜…もしもし?
私の存在、忘れてませんか?
木洩れ日のような 22
ん…今何時だろう?
ふと目が覚めて、枕元にある携帯電話を見てみた。
現在5時半。
夕べは早く寝たからね。流石に早く目が覚めたわ。
時間が時間だから、二度寝をしようかと思ったけど…眠れない。
完全に目が覚めちゃった。
仕方ない…と思い、着替えを始める。
政宗さんに頂いた寝巻き(?)みたいな着物を脱ぎ、自分の服を手にとる。
朝の準備をしてるときにふと思ったけど…
甲斐にいた時は、幸村さん、この時間に鍛錬してたっけ。
今日もやってるかな?
やってたら、私も稽古をつけてもらおう。
そう思い、幸村さん達の部屋がある方へ足を運んだ。
「あっれ〜?さんじゃん。どしたの?こんな朝早くから」
廊下を歩いていると、佐助さんと遭遇☆
おぉ!ナイスタイミングだわ。
「おはようございます、佐助さん。今から幸村さんの所へ行こうと思いまして」
「真田の旦那のトコ?旦那に用事でもあるの?」
「幸村さんが鍛錬をしていたなら、私もついでに稽古をつけてもらおうかなと思って」
「あぁ!例のアレね!」
「はい。例のアレなんです(笑)」
武田に着たばかりの頃、自分の身は自分で守れるように、幸村さんや佐助さんに体術を教えてもらうって約束をしたの。
それから、お二方の時間があるときに稽古をつけてもらってた。
稽古をつけてもらう上で、一番ネックになったのは体力不足。
現代日本人で、なおかつ免許を取得してからと言うもの、殆どが車で行動。
運動不足をこの時ほど悔やんだ事はなかったわ。
あの時は、幸村さんも佐助さんも呆れてたっけ…
「さんも、最初に比べて随分動けるようになったよね」
「はい。体力もつきました」
「そうそう。最初見たときは、どうなる事かと思ったけどね〜〜」
「あはは…あの時はお恥ずかしい限りです」
「で、今日はどうするの?実践的な練習?俺が相手しようか?」
「え!?佐助さんがお相手してくれるんですか!?」
「あれれ?俺じゃ不満そうだね」
不満…というか…佐助さんが相手だと、なかなか攻撃が決まらないの。
佐助さんってば、忍びだからさ。動きがすっごく早いのよね。
あと…腕に篭手をつけてるから、腕で攻撃を止められたとき痛いんです。
「なーに言ってんの。我侭言わない!
それに俺に攻撃のスピードについて来れるようになったら、その変にいるゴロツキに負けないって」
確かにそうよね。
佐助さんの言ってる事は最もだわ。
よし、今日は佐助さんにお相手してもらおう。
「佐助さん、よろしくお願いします」
「りょーっかい!さんのお願いなら、俺様いつでも聞いちゃうよ?」
「あははっ。本当ですかー?あ!幸村さん発見です。おはようございます、幸村さん!」
大きな声で幸村さんに呼びかけると、槍を持って鍛錬をしていた幸村さんが振り返った。
そして私達の姿を見ると、パッっと笑顔を浮かべたの。
………何だか仔犬みたいで可愛いv
「おはようでござる、殿。どうされたのだ?このような朝早くから」
「目が覚めちゃってね。幸村さん達が稽古してるなら、私も混ぜてもらおうと思って」
「おぉ!それは良い案だ。早速某と…」
「手合わせするでござるよ」と言いかけた幸村さんを、佐助さんが遮った。
でもね…遮っただけじゃなく、佐助さんは私を抱き締めてるのよ。
さささ佐助さん!?
「だーめ。今朝は俺と手合わせするの。真田の旦那は見てるだけー」
「なっ!?佐助!!殿をだっ…抱き締めて破廉恥ではないか!!
それにいつお前が殿と手合わせすると決めたのだ!!」
「さっき決めたんでーす。さんの了解も得てるからね。
っていうか…抱き締めてるだけで破廉恥だったら、伊達の旦那はどうよ?
昨日さんにちゅーしてたぜ?」
………え!?佐助さん、どうして知ってるんですか!?
あの時、部屋には私と政宗さんしか居なかったんですよ。
「何でって…そりゃ見てたし?」
「何処で見てたんですかーー!!」
「天井から。たまたまさぁさんの部屋の天井裏に居たわけよ。そしたら伊達の旦那が入ってきて…」
怖っ!!何でたまたま私の部屋の天井裏に居るんですか!?
ナチュラルにセクハラですよ!
これじゃあ、おちおち着替えもできないじゃないですか!!
政宗さんに言って、何とかしてもらわなきゃ(切実)
あぁもう。何だか頭が痛くなってきたわ。
軽く落ち込んでいると、ガシッと肩を掴まれたの。
「殿!!それは誠でござるか!?政宗殿と、その…接吻を…?」
真っ赤な顔をして真剣に聞いてくる幸村さん。
「接吻」の単語を小さな声でいう所が、たまらなく可愛いv
思春期を迎えたばかりの男の子が、エッチな単語を言うときみたい(どんなやねん)
幸村さんって、今17才よね?
純粋培養されてるなぁ。
ウチの弟とは大違いだわ(笑)
「キス…じゃなくて接吻と言っても、頬にだけどね」
と言った途端、幸村さんの顔が更に真っ赤になった。
「は…」
「は?」
うわっ!幸村さん、声が大きいです!
耳の近くで叫ばないでください!
思わず耳を塞いだとき。
「朝っぱらからウルセェな。何騒いでやがる」
伊達の領主様の登場でーす。また一波乱がありそうです。
え?何でか?
それはですねぇ…政宗さんの表情が怖いからです!!
私達を見た瞬間、ものっそ美しい顔を歪めましたヨ!
「…オメー等何やってんだ…」
「何って、さんに稽古をつけようと思っただけよ?俺」
「稽古?」
怪訝な表情を浮かべた政宗さんに、事情を話しました。
自分の身くらい分で守れるよう、武田にいたときから稽古をつけてもらってたってネ。
「A-Ha-なるほどねぇ。そいつぁいい案だな。、俺が相手になってやるから猿から離れろ」
「だーかーら!猿って言うなって言ってるじゃない、伊達の旦那!
それと今日のさんの稽古は俺がやるんですー。邪魔しないでくれます?」
「It is noisy.(うるせぇよ)そもそも、何でテメェがを
政宗さんの言葉を幸村さんが遮った。
あ…政宗さん、不機嫌さが増しました。
確かに、自分が言いかけた事を遮られると、腹立つよね。
「ンだよ、幸村。うるせぇなぁ」
「政宗殿!!殿に接吻したと言うのは、本当でござるか!?」
「あぁ?何でテメェが知ってんだ」
「佐助が言っていたのだ!!」
「そーそー。俺見ちゃったんだよねぇ。伊達の旦那がさんにちゅーしてるとこ」
「Ha!あんなの挨拶代わりだろ」
「政宗殿も佐助も破廉恥でござる!!二人とも殿に近付くな!殿は某が守る!!」
「ちょっと真田の旦那?俺だって武田からさんを守る為に来たのよ?」
「うるさいぞ佐助!お前がそんなんでは、殿が穢れる!!」
「ひどっ!ちょっとそれ言いすぎじゃないー?それを言うなら伊達の旦那の方が危ないでしょーが」
「あぁ?俺は良いんだよ。は俺のWifeになるんだからな」
「わいふ…?兎に角!殿に何かあれば、お館様に顔向けできぬ。二人とも殿から離れるでござるよ!!」
「そう言う真田の旦那こそ離れなよ。さんの肩掴んでるじゃん」
「それ以前に、いつまでを抱き締めてるつもりだ?猿」
………いつまで続くのでしょうか?この言い争い。
大きな男に囲まれて、すっごく居辛いんですけど…
三人とも、私がここにいるのを忘れてない?
誰かたっけてくれないかなぁ?
そんな願いが届いたのは、10分後でした。
政宗さんを探しに来た小十郎さんの手によって救われた私。
これから、何かあった時は小十郎さんに相談しようと思いました。(切実)
後書き
出ました!殴り書きフォント(笑)
殴り書きフォントは、パソコンに入ってないと見えないので、
今回も絵として貼り付けてみました。
いかがでしょうか?ちょっとは幸村さんの必死さ(?)が伝われば嬉しいです。
え?くどいですか?
ここまで読んで頂き、感謝ですv
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