奥州米沢城へ到着しました。
正直言って、ここで上手くやっていけるか不安です。
木洩れ日のような 18
政宗さんは、馬を部下らしき人に預けてお城の中へ歩いて行きます。
私は政宗さんの後を歩いています。
その後ろを幸村さんと佐助さんが続きます。
何処に向かってるのかな?
政宗さん、何処に行くのか言ってくれないからさ。
誰かとすれ違うたびに頭を下げられる。
と言っても、政宗さんに下げてるんだろうけど…
うぅ…居心地が悪いよぅ。
「ねー伊達の旦那ぁ。何処に行くの?」
佐助さんが政宗さんに声をかける。
すると政宗さんは面倒くさそうに後ろを振り返った。
「あぁ?何でテメェ等まで来てんだよ。俺が誘ったのはだけだぜ?」
「某は殿を守る為に来たのだ。殿についていくのは当然であろう?」
「そうだねぇ。お館様にもさんの事を頼まれたんだしさ。
それにさんってば見てないと速攻で迷子になりそうだし(笑)」
ちょっと待ってください?
今聞き捨てならない事を言われませんでした?
「佐助さん、いくらなんでも迷子になんて…」
「あっれ〜?ならないって言うの?武田に来てすぐの時…」
「ぎゃーーー!!言わないでください!!」
慌てて佐助さんの口を手で塞ぐ。
そ…そういえばそんな事もありました。
ありましたともさっ!
「武田に来てすぐ…どうしたのだ?」
か…可愛いv
幸村さん、そんな真っ直ぐな目で見ないでください。
思わず襲いそうになってしまったじゃないですか(マテ)
「何でもないですよ、幸村さん」
幸村さんをぎゅっと抱き閉めたくなるのを我慢しながら、笑顔で答える。
ヤバイヤバイ。最近、幸村さんが可愛くて仕方ないわ(笑)
「えぇ…某に秘密でござるか…?」
う…っ!!しゅんとした幸村さんが可愛い…v
幸村さんの頭に垂れた犬耳とシッポが見えるのは幻かしら(笑)
「ごめんなさいね、幸村さん。流石にこれは話したくないの。恥ずかしくって///」
頭を撫でながら言うと、幸村さんはパッと笑顔を見せてくれた。
撫でられた事が嬉しかったのかな?
「判った。殿が話したくないなら、某も無理に聞かぬ。
だが、何かあったら某に話してくだされ」
「はい。頼りにしてますね」
幸村さんに笑顔で言われ、私も笑顔で答えた。
私、幸村さんの笑顔、好きだな。
異世界に来て、頑張ってこれたのは幸村さんの笑顔があったから。
彼が笑ってくれるから、私も頑張ろうって思えたの。
だから…あの時、幸村さんが死ななくて本当に良かった。
幸村さんと佐助さんが近くにいる事が嬉しくて、自然に笑みが浮かんだとき。
「そっちじゃねぇよ、。コッチだ」
と、不意に腕を掴まれました。
驚いて見てみると、そこには不機嫌そうな政宗さんの顔。
あれ…?政宗さん…?
って言うか…私、またやりかけました?
「何処に行こうとしてんだ、アンタは?」
「あ…あはは…すみません」
幸村さんとの話に夢中になって、全然違う方向へ行こうとしてたらしいです。
……この展開は?
はっとなって佐助さんを見ると…
「だっはっはっはっは!」
と、大爆笑してました。
良いですよ。大笑いしててください(怒)
頭に怒りマークをつけながら佐助さんから視線を外す。
すると、今度は政宗さんから呆れた声が聞こえたの。
「おい猿。まさか…」
「猿って言わないでくれる?佐助って名前があるんだからさ。伊達の旦那が思ってる通りだぜ」
「はぁ…判った」
何が判ったんですか?政宗さん。
ももももしかして、私が方向音痴だと言うことが?
「、行くぞ」
一言言うと、政宗さんは私の手を握ったの。
あれ…?え…?政宗さん、手…
「あの…政宗さん?」
「あぁ?何だよ」
「手が…」
「アンタは目を離すととんでもない方へ行きそうだからな。こうしとけば迷わねぇだろ」
あははー。しっかり方向音痴がばれてますー。
乾いた笑みを浮かべながら、政宗さんと繋いだ手を見たの。
政宗さんの手、暖かい。
最初は怖い人かな?って思ったけど、そうじゃないかも。
だって…政宗さん、優しく握ってくれてるし。
もうちょっとだけ、政宗さんの事を知ってみようかな。
そう思った瞬間でした。
+ + + + +
あーあー。伊達の旦那、嬉しそうな顔をしちゃってー。
さんと手を繋いでるのが、そんなに嬉しいのかねぇ。
伊達の旦那とさんの間には、どんな関係があるか知らないけどさ。
さんに気がある事、判りやすすぎ(笑)
それに気付いてないさんにも笑えるけどねー。
そう言えば…米沢城に来るときも、真田の旦那に嫉妬してたな。
さんが真田の旦那と仲良く話してるだけで睨んでるんだもんなー。
今だって、さんと真田の旦那が仲良くしてるだけで不機嫌になるんだぜ?
見てて笑えるってっ!
ま、伊達の旦那には悪いけど、今はまだ邪魔させてもらうよ?
俺にとっても、さんは大切な人だからね。
さんを手に入れたいなら、それ相応の覚悟が必要だぜ?
後書き
さん、奥州到着〜。
んでもって、早速方向音痴がばれました(笑)
これから頑張っていろんなキャラと絡ませていこうと思います。
ここまで読んで頂き、ありがとうございましたv
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