東方司令部には、彼らがいました!




始まりは突然 2




 イーストシティだからヒューズさんはいないよね?

 あの親バカトークを聞きたいなぁ。

 何時かヒューズさんに会おうと心に決めながら東方司令部に来ています。




 エドがある部屋の扉をノックし、中へと入っていく。




「やっと来たか、鋼の。待ちくたびれたぞ」




 こ の 声 は !




ロイ・マスタング大佐ー!!




 私はアルの後ろに居たんだけど、大佐が見たくてアルを突き飛ばしてしまいました。

 ゴメンね、アル…(謝)

 



 マスタング大佐は、何と言いますか…

 もの凄くカッコイイので御座いますよ!

 漆黒の髪はサラサラで!もう言葉に出来ないくらいカッコイイの!

 あんなカッコイイ男の人、今まで見た事無いっス〜。

 そして、何と!マスタング大佐の傍には、ホークアイ中尉もいらっしゃいました!

 

「鋼の、こちらの美しいお嬢さんは?」


 大佐に美しいって言われちゃいましたv

 もちろん、社交辞令だって事は判っているよ。

 でも、この台詞を生で聞けたのが凄く嬉しい!

 それと同時に、やっぱり大佐ってフェミニストなんだと思ったよ(苦笑)

 ナンパ癖があるというか…

 マスタング大佐の恋人になる方は苦労しそうです。

「初めてお目にかかります。と申します」

「私はロイ・マスタング。地位は大佐だ」

「マスタング大佐さんですね!」




 そう言うと、マスタング大佐さんは声を上げて笑い始めた。

 え?え?何で?私、変なこと言った?



「ははは。マスタング大佐さんは初めてだな」




 そっか。地位名の後に「さん」は変だよね。

 って事は…




「マスタング大佐…?」

、私の事はロイと呼んでくれたまえ」

「え…ですが、年上の、しかも大佐の方を呼び捨てには…」

「構わない。にはロイと呼んで欲しいのだ」

「では、僭越ながらロイと呼ばせて頂きます☆」




 うふふ〜。『ロイ』と呼ぶ権利(?)ゲット〜♪

 こんな事、滅多に無いぞ?

 ハガレンの世界に来て、マスタング大佐を『ロイ』と呼べるなんて!

 私は何て幸せなんだ!!

 もっとロイと仲良くなって、いずれはロイを『無能』と呼ぶぞ〜(ヤメロ)

 一人でにまにま笑っていると、いきなりロイさんが近づいてきた。




「はい?何ですか?」

「此処で会ったのも何かの縁だ。お互いの仲を深める為に、これからデートに行かないか?」




 と、ロイは私の手をギュッと握って仰ってくるのですが…

 どうすればいいのですか?(汗)

 かっ顔が近いです///

 こんなあからさまな(?)ナンパは生まれて初めてです///

 ましてやロイですよ?

 こんな綺麗な男性に誘われてますよ?

 くそう!無能の癖にときめいてしまいましたヨ(何か悔しい)




 照れて何もいえない私を、ロイは連れて行こうとする。

 それを阻止したのはエドとホークアイ中尉だった。




「テメェ!エロ大佐!を連れて行くんじゃねぇ」




 エドが私とロイの間に入り、引き剥がした。




「大佐、仕事が残っています。それに仕事中のナンパは控えるようにと言ったではありませんか」

 

 ホークアイ中尉が、大佐に銃を突きつけています。




 ホークアイ中尉、カッコイイ☆

 でもね?その位置から銃の引き金を引くと、私にまで当たりそうなのですが(汗)

 と・兎に角。ロイの拘束が外れたので、今の内に避難しておこう。



 

 ふとロイを見てみると、なにやらエドと言い合いをしている。

 いつの間にかアルも交じっているし(汗)

 (私に被害はないようだし)あの三人の事は置いといて。

 私はホークアイ中尉とも仲良くなりたいです〜。

 よし!ホークアイ中尉にもご挨拶をしてこよう。




「あの!と申します。貴女は…」

「私はリザ・ホークアイよ。地位は中尉ね」

「ホークアイ中尉ですね!」

「私の事はリザで良いわ。私もって呼んでも良いかしら?」

「もちろんです!」




 何たる事…!

 ホークアイ中尉を『リザ』って呼べるのですヨ!

 そして私の事を『』って呼んで頂けるのですよ!

 幸せだわv

 ビバ!ハガレンの世界!




 

 ところで…そろそろあの三人を止めた方がいいかしら?

 再びリザが銃を抜きそうな勢いなのですよ。




 ガウン ガウン




「三人ともお静かに願えませんか?」




 手遅れでしたか。

 しかし…私に銃を向けられなければ、このやり取りって面白いな。

 リザってば、カッコイイしv

 美人さんは、何をしても絵になりますなぁ(笑)




「そうだ、大佐。の事なんだけどさ」




 最初に我に返ったエドが、ロイに私の事を説明してくれた。

 私が異世界から来た事。どうやって来たかも、帰り方も分からない事。

 全て説明してくれた。

 流石に最初は信じてなかったみたいだけど、デジカメを見せたら納得してくれた。




「そんな練成は聞いた事ないが…」

「オレも今まで多くの文献を見てきたけど、空間を越える錬金術は初耳だな」

「と言う事は…私は元の世界に帰れないという事でしょうか…?」

「現段階ではそうなる」

「そうですか」




 

っは〜。戻れないのかぁ。

 暫くハガレンの世界に居る事になりそうだけど、どうしようか?




は元の世界に戻りたい…よね?」




 アルが気遣うように聞いてきたけど…




「そうでもないよ?暫くこの世界に居るのも楽しそうだし。滅多に出来ない経験だし」




 だって、エルリック兄弟に軍の皆さんですよ?

 とっても憧れていた人に会えたのですよ!

 すぐに帰るなんて勿体ない!

 それに、まだ『あの人』にも会ってないもの!




「ただ、どうやって生活していこうかと思いまして」




 文無しで、どうやって暮らせというのですか?

 あ〜…仕方ない。どこか働き口を探そう。

 そう考えていたら、再びロイに手を握られました。




「生活の事は問題ない。私が責任を持って面倒を見よう」

「そんな危険な事させられるか!」

「そうですよ!はボク達が最初に会ったんです。ボク達が責任を持って面倒見ます」

「君達のような旅ではなく、一箇所に居れる方がにとっても落ち着くのではないか?」

「大佐のような奴の傍に置いておけるか!が穢れる!」




 何やら、再び言い争いが始まってしまいました。

 今回は私の身の置き方のようですが…

 ぶっちゃけ、どういう風でも良い。




 ん?でもエルリック兄弟と一緒だと…

  →常に旅で、野宿の可能性も。行く先々でトラブルに巻き込まれる。




 じゃぁ。ロイと一緒だと…

  →ロイファンのお嬢様方のいじめ!?




 うわ〜…現代っ子の私は野宿も勘弁願いたいし、ロイファンに恨まれるのも嫌だ。

 となると、一人暮らしが妥当だな。

やはり働き口を探さなくては。

 ん〜…安全な地域で給料が良い所…

 できれば、最初のうちは日払いが良いなぁ。

 そんな良い条件の所なんてあるのかな?




は!どうしたいんだ!?」

「へ?何が?」




 いきなりエドに話しかけられて吃驚したヨ。




「元の世界に戻れるまで、オレ達と旅をしようぜ!」

「何を言っている、鋼の。は俺が預かる。彼女には落ち着ける場所が必要だ」




 ロイさん…一人称が「俺」になってます(汗)

 っていうか、まだ言い争っていたのですね…



「あの…お気持ちは嬉しいのですが、私は…」




 後書き
 長くなりそうな気がしたので、ここで一時停止。
 あ〜…やっぱり長くなりそうですね(苦笑)
 いっその事、長編ヒロインにしようかな?

 実は別の長編ヒロインの話を考えていた事は秘密です(笑)

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