荷物を持って、フロントへ行き、笑顔の素敵なおじさまに「チェックアウトお願いします。」と言ったら、
「えー!もう、帰っちゃうの?」っと、とっても悲しそうな顔をした。
私も折角仲良くなったおじさまと、
別れるのはちと悲しいけど、こればっかしはねぇ・・・。
で、荷物を16時頃まで預かってほしいと言ったら、おじさまはクロークの方へ連れて行ってくれた。
クロークには、これまたナイスなおじさまがいて、笑顔の素敵なおじさまは、
私を彼に紹介してくれた。
そして、「もう、帰っちゃうんだよ〜」ってな感じで話してる。
ナイスなおじさまも「残念だ〜」と二人して、名残惜しんでくれてる。ありがたい・・・。
と、日本を発つ時、旅行会社の人にリコンファームが必要かどうか聞くのを忘れていたんで、
とりあえず、ドミニカ共和国からマイアミへ帰る飛行機のリコンファームをすることにした。
が、どこにどーしたらいいかわからないんで、フロントの笑顔の素敵なお姉さまに聞いてみた。
お姉さまは、AA(アメリカンエアラインズ)の電話番号を調べてくれて、電話までかけてくれて、
相手が出てから、受話器を渡してくれた。やさしいなぁ〜。
電話にでたAAのお兄さまも、いい人だった。よかったぁ〜。ついでに言うと、いい声してたなぁ〜。
で、お兄さま「ドミニカ共和国からマイアミは大丈夫だよ。
あとマイアミからサン・パウロ、サン・パウロから日本までの飛行機も大丈夫だから、
すべてリコンファームは必要ないよ。楽しんでおいで!」
ってな感じで、なんか子供に言い聞かせるようにやさしかった・・・と、そーいえば、私の声って
幼く聞こえるんだった・・・ティーンエイジャーと間違えられたんじゃぁ??
電話をお姉さまに返して、「いくらですか?」と聞いたら、お姉さま「いらないわよ。」とにっこり。
「いやいや、払いますぅ!」と言ったけど「いいのよ。いいのよ。」とにっこり。
「ありがとう!ありがとう!!」と何度もお礼を言ったけど、あとで考えると、これもホテルサービス料の中に
入ってるんかな?でも、彼女のいろいろな心遣いは、とてもうれしかったです!
サント・ドミンゴ(新市街)TOP
ジョージ・ワシントン通りと名付けられた海岸通りへ出てすぐ、ホテル前に着いた。
道路をはさんですぐ海!「ひゃー!カリブ海だぁー!」
と、走って行きたいところだけど、まず、腹ごしらえしなくては。
片道1車線しかないような狭い通りなのに、車の往来がスゴイ。歩道にはたくさんの木が生茂っていて、
さっきの海岸通りと全然雰囲気が違う。木陰には、地元の子供や大人たちが座りこんで、
お昼を食べてたり、ぼっとしてたり・・・。
しばらく、歩いていると、オープンエアーのレストラン(?)があり、地元風のおじさんたちが結構座っていた。
で、ガラスのカウンターには、お惣菜風にいろいろな料理が並んでいて、カウンター越しにコックに注文している
人たちも結構いた。
と、ごちゃごちゃ客がまわりにいるなかで、店のウェイターの一人が声をかけてきた。
まず、チキン大好きの私の心を捉えたものは、
古びた木板の上にのせられたハート型(?)のチキンロースト、おまけに2種類のソースがついている。
PECHUGA A LA PLANCHA(ペチュガ・ア・ラ・プランチャ)、直訳すると、鶏胸肉の鉄板焼き。
とりあえず、以上。と、彼が飲物を聞いてきた。
さぁ、食べるぞー!
サント・ドミンゴ(新市街)TOP
なんか、おもしろい・・・。とゆーことで、返事を書くことにした。
しばらくすると再び、彼が紙切れを置いていく。
再び、彼は私の書いた紙切れを持っていった。そして、今度は話し掛けてきた。
いつまで、ここにいるのか、いつ帰るのかと。
しばらくして、また彼が紙切れを置いていく。
二つ折りにされた紙切れの表には、[これを開けて・・・そしてあなたは驚きを見出すだろう。]
(文才のない私が直訳してるんで、いまいち文章が変ですが・・・)
退屈することもなく、やっと食事を終えたところで、今度は彼は皿いっぱいのブドウを持ってきた。
へ?っと思ったら、彼はニコッと笑い「サービス」と言った。「わーい!ありがとう!」と単純に喜ぶ私・・・。
そして、お金を払う。RD$134.40(約千円)。結構高かった・・・。
彼には、サント・ドミンゴへ帰ってきたら、またここに食べに来るから、そのときにまた会いましょう
と伝え、彼から渡されたこの日最後のメモには、[よいご旅行を!]とまたまたハートが散りばめてあった・・・。
サント・ドミンゴ(新市街)TOP
そろそろ、ホテルへ帰ったほうがいいと思い、重い腰をあげて、海沿いの歩道をホテル方面へ向かって
歩きだす。途中途中にベンチが置いてある憩いの場所があり、そこでは何人かの人たちが
くつろいでいた。
それからまた、左手に荒々しく飛沫をあげながら押し寄せる波を見、右手に高級ホテル街を見ながら、
てくてく歩いていたら、ビール片手に、腹が突き出た(?)おじさんが声を掛けてきた。
そして男の子は、私の靴(サンダル)を磨きたいと言ってきた。ブドウをくれたお礼だそう。
でも、ほんと磨くとこないんで、断る。
「いくつ?」と言ったとたん、"しまったぁ!"と思ったけど後の祭り。
街で靴磨きや車の窓拭きなどで、チップを得てる子供達。貧しい家の家計を支えている子もいるだろうけど、
ほとんどは、ストリートチルドレン。小さい頃に両親を亡くしたか、捨てられたか・・・。
彼は、どーしても磨きたいらしい。じゃないと、怒られるらしい。
誰に怒られるかって、彼のいるグループのアニキらしい。
一生懸命磨いてくれてる彼を眺めつつ、ふっと歩道を見ると、向うからもう一人男の子が歩いてきてる。
彼より、2〜3歳ぐらい上かな?彼のことが心配で見にきてくれた(?)って感じの、やさしそうな男の子。
ちょうどそこへ通りがかった"バスケやってます"って感じの背の高いお兄さんが、
私を追い越しがてらに、「大変だったね」ってなことを言って、スタスタと歩き去って行く。
サント・ドミンゴ(新市街)TOP
なんか、高級ホテル街もなくなったし、人もあまり見かけなくなったし、いい加減歩き疲れた。
乗合タクシー通らないかな〜(流しのタクシーは危ないはず)と見るも、タクシーらしき車は全然通らない。
仕方ない・・・と思って歩き出したら、1台のワゴン車が横に止まった。
ワゴン車なので、座席が高く、街の景色がよく見える。んで、ところどころで、とって付けたように
運転手は街の説明をしてる。だって、ここは学校とか、この建物は○○だとか、別に観光案内でも
なんでもない。チップをもらうためのサービスだろうが、なんか気持ちがこもってない。
ホテルで荷物を受取る。笑顔の素敵なおじさまとお姉さまは、ちょうどいなくて、最後の挨拶が
できなかった。写真も一緒に撮りたかったのに・・・。
タクシーに乗って行き先を言う。エレラ空港なんだけどぉ〜
「エア・・・エアロプエルト?ん?アエ・・・アエロプエルト?あれ?エア・・・アエ?ん?んー、デ・エレラ・・・」
運転手が笑ってる・・・。とにかく言いたいことがわかってるはず・・・。
どんどん、街並が淋しくなってきてる。サント・ドミンゴのはずれとは聞いていたが、
どこらへんかさっぱりわからない。だって、地図に載ってないんだもん。
中へ入ると、小さな待合室があり、2〜3の航空会社の窓口がある。
で、すぐ目の前が滑走路になってる。ほんと、こじんまりした飛行場だ。
とりあえず、air santo domingoの窓口でチェックイン。紙切れを渡された。
走り書きされた数字が書いているだけ。搭乗券とゆーより整理券?
お金を入れ(いくらだったか忘れた・・・)、コーラを選ぶと、コーラビンが出てきた。うっわー、なつかしぃ〜。
それにトイレに行きたくなったんだけど、この荷物どうしよう。イスに置いたまま行けないよね?
出発時間10分前にアナウンスとゆーか、おじさんが叫ぶ。
ホテルを出て、タクシーに乗る。行き先は「海沿い」なんて言えないんで、とりあえず海沿いの高級ホテル、
「キンセ・センテナリオ・インターコンチネンタル・サント・ドミンゴ」と言う長ったらしい名前のホテルまでお願いした。
やっぱり、タクシー代はRD$100(約745円)ジャスト、取られた・・・。
目指すは、地元の人が行く食堂とゆーか、レストランとゆーか・・・そんなところ。
しかし、高級ホテルの建ち並ぶ海岸通りにはないはず。もう1本裏手にあるインデペンデンシア通りを歩く。
カウンターに並んでいる料理がうまそーと思いながら、一旦通り過ぎたが、
ムーンウォークのように(出来ないけど)バック、バック。カウンターの料理を再び覗き込む。
≪・・・これが、ドミニカ共和国の旅を一味違ったものにしてくれた彼との出会いだった・・・≫
私が「英語話せますか?」と聞いたら、彼は「んー、少し・・・」との返事。
私もスペイン語が少し話せるくらいとゆーことで、お互い英語スペイン語ごちゃ混ぜで話す。
「何が食べたい?ここで食べる?持ってかえる?・・・」と彼。
「何がおすすめ?これは何?・・・」と私。
それから、ユカの揚げたの。ユカは、別名キャッサバと言われるイモのこと。
マッシュドポテトみたいにして揚げてあった。
実はこの時、ユカとは知らずに、見た目なんとなく惹かれて1個注文してみた。
それと、レタスとまだ青っぽい色したトマトが入ったグリーンサラダ。
コックさんが、皿にとってくれるが、量は「そのくらい」とか「もうちょい減らして」ってアバウトに答える感じ
かな?
あとフルーツも食べたいと思い、「これ、フルーツでしょ?」と指差して、よーく見ると、
ニンジン(マンゴーに見えた)と冬瓜みたいなの(パパイヤに見えた)と○○?(メロンに見えた)をゴロゴロに切った
温野菜サラダだった。これは却下。彼は「フルーツはないよ」と苦笑い。
飲物は何があるか聞いたら、パパイヤジュース、オレンジジュース・・・。
「パパイヤジュースが飲みたい。」
と言ったら、「砂糖はどのくらい?」と聞いてきた。
へ?砂糖?
ジュースに砂糖入れるの?
何とぼけたことを・・・と思い「砂糖?いらない。」と言ったら、今度は彼のほうが「へ?入れないの?」
と聞き返してきた。「いらない。」と言ったら、信じられないって言う顔。
えー?「ポル・ケ?ポル・ケ?ポル・ケ??(なぜ?なぜ?なぜ??)」3連発で聞く。
彼は笑いながら、スペイン語でペラペラと答えたけど、いまいちわからなかった・・・。
道路沿いの小さなテーブルを選び、そこに座る。彼が注文した料理を持ってきてくれた。
一通り揃ったところで、んー、写真撮りたい・・・。
で、彼に料理と共に私を撮ってもらおうかな?と思って、彼に声かけたと同時にパッとひらめき、予定変更。
料理と共に彼を撮りたーい!
とゆーことで、彼に「この(料理)写真撮ってもいい?あなたも一緒にいい?」と
向かいのイスに座らせ、カメラを構える。まわりのスタッフから、ヤジ(?)や笑い声が聞こえる。
彼はとゆーと、少々照れ気味・・・。(右写真)
まず、鶏肉。味はとてもいいけど、身がしまりすぎてる。
半分食べただけで、あごが疲れるぐらい弾力のある肉だった・・・。
きっと、木々を飛び回るくらいの地鶏の胸肉なんだろう。
ソースは、甘めのソースとピリリっとスパイスの効いたソース。やっぱり、ピリリでしょ。
次、ユカ。
ドミニカ共和国へ行った人から、お薦めの食べ物は何?と聞いたら「ユカ」との返事が。
これは何?と彼に聞くこともなく、なにげに惹かれ注文したこの1品。
一口食べて「これがユカだー!」と直感。
感動するぐらいうまかった!
思わず「んー、おいしーい!!」と声が出てしまったぐらい・・・。
もっと、食べたかったけど、なんせ体調不良。本日は胃があまり受付けてくれそうにない。
が、また食べに来てやるぅ!と心に誓った。(・・・大げさ?)
グリーンサラダは、レタスと妙に青っぽさがあるトマトとあと何が入っていたっけ?記憶にない。
生野菜は食欲不振でもバリバリ食べれる1品。
問題のパパイヤジュース。確かに甘みはほとんどないけど、さっぱり飲める。
これに砂糖をお好みで入れて飲むのかと思うと・・・ムムム・・・胸焼けしそう。
食べ始めてすぐに、例の彼がスッと来て、紙切れをソルト瓶の下に置いて、そして立ち去った。
注文書かBillかと思い、めくってみると・・・
[あなたはとてもかわいい、きれいだ。あなたと友達になりたい。僕の名前はJuan。君の名前は?]
と英語とスペイン語両方で書かれてあった。
思わず、プッと笑ってしまった。これって、ナンパされてるん?
[私の名前はSayo。メレンゲとサルサを踊るのが大好き。あなたは?]
私も英語とスペイン語両方で書く。そしてソルト瓶の下に置く。と、彼がどこからともなくやって来て、
スッと紙切れを持っていった。
[僕はメレンゲ踊るのが好き。ここに来てください!僕たちは踊りに行くことができるよ!
君にメレンゲを教えたい。]そして、[・・・あなたは一目惚れを信じますか?]とクェスチョンマークの点のところが
ハートマークになってる。
なぬ?一目惚れ?おいおい、どーしたもんか・・・。一目惚れ信じるも信じないも答えようがない。
[わからない。]素直に書く。だって、わからないものはわからない。
[でも、あなたはナイス・ガイだと私は思う・・・。]フォローのつもり?
私はこの時、悩んでしまう。「GUY」だっけ?「GAY」だっけ?1字違いで大違いでしょ?
さすがに辞書を引き直した。
私は、今日からプンタ・カナへ行かねばならない、そしてまた月曜日にサント・ドミンゴへ帰って来る予定だと話した。
彼は、今晩はいないの?と残念そう。踊りに誘うつもりだったらしい。
なんだ?と開けてみると、
[たぶん、僕はあなたを困らせている(悩ませている)。もしそうなら、ごめんなさい。
もしそうでなければ・・・これは僕の携帯番号○○。帰って来た時、電話して!]
と、これまたでかいハートが書いてあった。
私が注文のとき「フルーツないの?」とか言っていたからかな?巨峰みたいな立派なブドウ。
甘くておいしい。でも、半分ぐらいで十分。残していたら「持って帰る?」と彼。
ナイロン袋に入れて渡してくれた。
内訳は、グリーンサラダRD$15(約110円)、ユカRD$5(約40円)、パパイヤジュースRD$20(約150円)、
そしてそして、鶏胸肉の鉄板焼きは、な・なんとRD$80(約600円)!そーいえば、
これだけが、1個ずつ木板に置いてあった・・・。他の料理はすべて一皿に盛って、適量もらう感じ。
たぶん、この店で一番高い料理なんだろう。
それに、税金+サービス料12%加算。ガイドブックには
税金8%+サービス料10%と書いてあったけど、
ここではきっとサービス料4%なんだろう。・・・と勝手に解釈しちゃったけど?
店を出て、再びジョージ・ワシントン通りと名付けられた海岸通りへ向かう。
途中にある公園は、だだっ広くてきれい。だけど、ひとっこ一人いない。
土曜日の午後なのに・・・。(左写真)
ジョージ・ワシントン通りを横切り、海沿いの広場へ行く。舗装された何もない広場。
フェスティバルかなんかのとき、ここでいろいろなイベントがありそうな空間。(右写真)
この日は、お菓子やジュースが売っている小さな屋台がひとつ出てるだけ。
あと、家族連れとカップルが1組ずついた。広場のはずれの堤防では、子供達が釣りをしていた。
ひとり、ぶらぶらと歩く。そして、かろうじて、木陰のある堤防の縁に座って、
ボーっと海を眺めていた。外海なのか、波がスゴイ。
シブキを浴びながらも、至福のひと時・・・。
と、一人の靴磨きの少年が声を掛けてきた。私のはサンダルでおまけに磨くようなところがないんで、断る。
んで、先ほどもらったブドウ・・・もう、食べる気なかったんで、どうしようかと思っていたところ
だった・・・を見せて、「これ好き?」と聞いたら、うなずいたんであげた。
このおじさん、プエルト・リコから一人でぶらっと遊びに来てるみたい。
んで、高級ホテルの一つ、メリア・サント・ドミンゴ・ホテル&カジノに泊まっているみたい。金持ち?
なんじゃかんじゃと話していたんだけど、このオヤジィ、
「私は、このホテルに泊まってるんだ。私の部屋へ来ないか?一緒に語ろうよ。」と
言い出した。
とーんでもない!!「私は今から飛行場に行かないといけないから、
時間がないの。じゃーねぇー。」と、しつこくすがるオヤジを振り切り、歩き去る。
まぁーったく、何考えてるんだか・・・。と、味のある木を見っけ。
通り過ぎて、振り返りざまに写真を撮る。
・・・ん?ファインダー越しに赤シャツの男の子が歩いて来ているのが見える。
さっき、ブドウをあげた靴磨きの男の子だ。(左写真;拡大してみて)
男の子が「僕の名前は○○(忘れた・・・)だよ。あなたの名前は?」「どこから来たの?」
と聞いてきた。ちょっと照れ気味に話す彼がかわいい!
んで、ついつい聞いてはいけないことをつい聞いてしまった・・・。
彼は「pequen~o(ペケーニョ);ちっちゃい」と言った。やっぱり・・・。
"うわ〜、ごめんね〜"と心の中で思いながら、話を変える。
だから、彼らのほとんどは生年月日を知らない。
年を聞くなんてナンセンス!
日本では、小さな子に話し掛けるとき、必ず聞くでしょ?「いくつ?」って。
その感覚で、幼くして働いてる子供達を見ると、ついつい聞きたくなる。気を付けないと。
仕方ない。磨くとしたら、かかとの部分だけだけど、そこでいいなら・・・。
歩道の手すりに腰掛け、彼に靴(サンダル)を渡す。
と、急に彼の顔は、真面目な顔になる。仕事顔。こんなに幼い子なのに、仕事をするときの顔を
持っている・・・。スゴイ!と感心しながらも、親に甘えて生きていたい年頃なのにね・・・なんとも
いえない気分でした。
と、その後ろから、フルヘルメットを被ったバイクがやってきてる。
それに気付いた彼は、靴磨きの道具箱も私のサンダルも投げ捨て、一目散に逃げ出した。
私は"何事?"と思いつつも、きっと彼にとって、どーしよーもなく恐ろしい相手なんだろう。
やさしそうな男の子のところへ来て、バイクは止まり、二人は話しだした。
一目散に逃げ出した彼は、姿かたちもなかった。
そんなん争いごと(?)に巻き込まれたくないんで、散乱した道具箱に埋もれたサンダルを取り出し、
履いて、とりあえず彼らに「Chao(チャオ)」と言って、何事もなかったかのように歩きだした。
このお兄さんの後をついて行こうと思いつつも、歩幅がはるかに違う・・・。
見る見る遠ざかっていく・・・。
振返って見ると、バイクの彼はいなくなっていて、やさしそうな男の子が散乱した道具を箱に片付けていた。
そして、私と目が合うとニコッと笑って肩をすくめてた。
いやいや、たかがこの海岸通りを歩いていただけで、いろいろなことがあるな〜と思いつつ、
前方の広場に目をやったら、な〜んか怪しそうなオヤジがいる。
こういう時の対処方は、"反対側の道へさりげなく渡る"。まぁ、反対側に怪しい人が
いなければの話しなんだけど・・・。
「タクシー?」と聞いてみる。だって、"TAXI"とゆー表示がない。
運転手がうなずくが、信じられない。と、フロントガラスの隅に"TAXI"と書かれた看板があるのはあった。
疑いの眼差しの私に運転手は、私はちゃんと承認されたタクシー運転手だと言わんばかりに
証明書を見せた。まぁ、身なりはちゃんとしてるし・・・。
しかし、ボラれたくないんで、行き先を言っていくらかを聞く。RD$80(約600円)。O.K。
助手席に乗り、手はノブをつかんだまま。だって、何かあったとき、すぐ出れるように・・・
完璧に信用してるわけではないんで。
チップなんてあげるもんかーと思い、無事ホテルに着いて金を払う。が、ちょうどない・・・
しぶしぶRD$100札を出す。案の定、運転手は「おつりのRD$20はチップでもらうよ」。ぐぞぉ〜!
時間があまりないんで、すぐにホテルを出るが、エントランスには仲良くなったボーイさんがちょうどいた。
「Chao(チャオ)!;バイバイ」と言ったら、彼は
「Hasta luego(アスタ ルエゴ);またあとで」
・・・そんなこと言われたら、また来ないといけないような
気になるじゃない・・・。
ふぅ、やっと腰を落ち着けた感じ。あ、ボーイさんと写真撮ればよかった・・・もう、遅いか。
と、1階建ての白い建物の前で、タクシーは止まった。飛行場?とよく見ると、建物に
"Aeropuerto de Herrera"と書いてある。えー?飛行場?まだ、実感がない。
タクシー代RD$150(約1120円)払う。
搭乗までまだ30分以上ある。喉が渇いたんで、自動販売機のところへ行く。
が、んー、始めて見る自販機だ。どうすればいい?と、自販機とにらめっこ。
通りがかりのおじさんが、ここにお金入れて・・・と教えてくれ、そんじょそこらで、走り回っていた
地元の子も私のすぐ横で私の成り行き(?)を観察。
で、自販機に栓抜きが内蔵されているんで、そこにビンを入れて栓を抜く。
なんか、古き良き時代を思い起こすよーな、レトロな感じでいいわぁ。
イスに腰掛け、コーラを飲む。
飲み終わった頃、待合室で待ってる客にジュースが入った紙コップが配られた。
飲物サービス?それならそうと早く言ってよぉ。コーラでお腹いっぱいじゃないよぉ。
辺りを見回すと、何もないカウンターに(何のカウンターかわからない)スタッフらしきおばさんが立っている。
それと何人かの男の人たち。みんな和気あいあいで談笑してる。
よし、あのおばさんに荷物を見てもらおう。(ずーずーしい?)
荷物を持って、おばさんのところへ行く。トイレに行きたいんで、荷物ここに置かせてくださいと言って、
有無を言わせず、荷物を置いてトイレへ行く。トイレはきれいに掃除されていて、Good!
いざ、プンタ・カナへ出発!