<><> SUMIO'S HOME PAGE <><>楽 書 帳 10七面山にシャクナゲを楽しむ(平成15年5月23日(金)曇り)![]() ![]() 香芝を出て、通りがかりのコンビニ AM・PMで昼飯などを買う。朝食を摂っていないので、それ用にお握りを1個余分にした。村役場を過ぎると、車は谷川沿いの林道を登っていくが、勿論対向は出来ないし、舗装をしていない部分が多く、文字通り難路である。車高の余り高くない普通乗用車では、底が道路の突起や石に激しく当り、思わず腰を浮かすことが再三。加えて左右のどちらかが谷川に面した崖なので、ノロノロ運転にならざるを得ない。製紙会社の道らしいが、開通するまでは本当の秘境で、一般の人は入れなかったことが、納得できた。 川沿いをかなり走ったところで、前方に大きな一抱えもある岩が、道の左側にかかって鎮座しているのに気付きストップ。良く見るとそのあたり一面に大小の石、木の枝や葉っぱが散乱している。少し前に右側上方の木の伐採か何かをやっている急斜面から、落ちてきたらしい。安全を確かめてから、皆で手分けして取り除けるものは、取ってどうやら車は通れるようになった。 ![]() それから間もなくで「七面山登山口(大塔村)」と書かれた標識のところに到着。既に先着の車が一台止まっていた。正規の駐車場ではなく、丁度少し広くなった道の脇に寄せて、止めるようになっていて、それでも4〜5台はいけそうだ。( ![]() 駐車させたところで朝食のおにぎりを1個食べ、服装などをを整えてから、九時30分に登山開始。すぐさま杉や檜が植林された斜面の急登が始まる。急な上に枯れた小枝や葉っぱが、登山道に重なっているので、歩きにくいこと夥しい。多少はジグザグに上がっていくものの、かなりきつい。こんなのを胸つく登りと言うのだろう。戻りもてこずるだろうと思ったが、その通りだった。中山縦走路の愛宕原ゴルフ場からの登りに、似ている。あれの階段状になっていない道だ。 約30分で七面尾という分岐点にきたが、そこまででもかなりしんどかった。標識に七面山東峰まで80分と記されているので、内心これからだと気合を入れ直す。この辺りからシャクナゲが目に付き出した。あまり多くは無く、もう終わったのかな等と、話をしながら眺めて楽しんだ。あとから分かったが、それから上に行くほど、沢山見事な花に会えることになったのだった。 ![]() 喉を潤してから標識を左にとり、頂上を目指した。これまでほどの坂ではないが、同様に上がっていく。尾根道らしいが、樹齢のかなりたった大きな樹の太い根が、まるでヒモを絡ましたようになっていて、その上や間を足がひっかかって転ばないように、慎重に歩く。この痩せ尾根は木の根でかろうじて持っているようだ。こんな道がかなりあった。 シャクナゲの他にアカウシオ(白は愛子様のお印の木)やどうだんつつじがきれいだった。アカウシオは2〜3mの木で小さなピンクのつつじに似た花を付けている。 ![]() 途中上衣を脱いでアンダーシャツ一枚になり,手袋を嵌めた。ヌタ場と称される猪などの水飲場兼体の洗い場(地面に体をこすり付けついている虫等を取るらしい。)を通って分岐から1時間25分(11時25分)で、一つのピークに来た。 東峰についたと思ったらそうではなく、西峰1616mであった。そこは小さな笹原で、西峰を示すお手製の標識が立っていた。写真を取ったり、一呼吸いれたりして、10分程休んで又出発。左に更に行くと東峰1624mがあるのだが,眺望も利かなくて見るべきものが無いとのことで、自分達は右の道を取る。 この右の道が、シャクナゲと並んで七面山の二つ目の見ものの、これから行こうとしている あけぼの平 がある。 ![]() 笹原のなかを更に進んでいく。最初は平坦なやや広がりのある尾根の続きだったが、直ぐ下りになった。大分降りたと思ったころから、前方の笹原が大きく広がってきた。左の写真。奥の方が西峰で、そこから下りてきたのだが、丁度巨大な牛の背を連想させる広々とした、表面を笹の絨毯で覆われた見事な庭園らしきところであった。これだけ広く、綺麗な笹原は、初めて見た。 見ると左側の眺望が利く特等席は、3人のパーテイに既に占領されていた。登山口に先に来ていた車の人達らしい。自分達は、谷から吹き上げてくる風もかなり強いので、反対側にシートを広げた。汗で濡れたシャツを着替えたりしてから、食事をとった。山での昼食は、何時も決まっていて、握り飯だけだが、これが実に美味い。最近はコンビニのそれでも、充分味わえるようになったから、 今日のように4時起きの日などには、本当に有難い。 同行の少し若い二人は、揃って一人用のコッフェルでお湯を沸かし、ラーメンをお汁代わりに食べていたが、あれもなかなか乙なものだと内心羨ましく思った次第。何時かその内に自分もやろうと心で決めた。気圧の関係で沸点が下がる為、せいぜい水気のもだけに、限定はされるようだが。 持参の缶ビールを飲んだら、ただでさえいい気分でいるのに更に気持ちよくなった。シートの上に横になって、ぼんやり空を眺める。どこかの別世界に来たような錯覚に陥りそうだ。 小1時間そこで休んだ後(12時45分)、更に奥にあるも一つのピークに向う。いずれにしても、帰りは同じ道を戻らないと他にないので、荷物は置いたまま、身軽になってわずかな登りを上がっていった。10分位で「槍ノ尾1556.4m」(写真)と書かれた標識のあるところにきた。 ![]() 一時雨が懸念されるような空だったが、どうやらその心配は無くなった。まず西峰に向う。くる時ゆっくりと下りてきているので、その分登らなければならない。お腹は一杯、ビールも少し入っているということで僅かな坂もしんどかった。西峰に着いた時(1時30分頃)には、またすっかり汗を掻いてしまった。そのまま通過する形で休まず歩を進める。 西峰からは、殆どが下りだけで登りは無い。だから楽に行けるかと思ったら、そうはならなかった。下りの方が滑り易いし、膝に随分負担がかかってくる。特に根っこのはびこった痩せ尾根は、足を引っ掛けないように注意しなければならないから、それだけでも疲れてしまう。杖も使っていたが、必ずしもいいことばかりではない。場合によっては、手にしていること自体が邪魔になることが結構出てくる。手で近くの木や枝を掴み体を支える形が、結局一番いいかもしれない。また杖を持っていると、その積りが無いのに、体の動きにより振り回したようになることがあり、前後の人に非常に危ない。 そうこうする間に、七面尾の分岐も過ぎ(14時20分)、最後の檜の植林された急なところにかかった。これが終われば登山口の標識に出る。朝登りには約30分を要したが、下りも余り変らないみたいだった。兎も角、両太ももが痛くなってくるし、膝が今にも笑い出しそうだった。やっとの思いで下りきり、出口に着いた時(14時50分)には、心底ホットした。 気が付いたら上で着替えたシャツは、また汗びっしょり。替えは1枚しか用意していなかったので、気持ち悪いが、そのまま上に長袖を羽織った。替えは2枚いることが良く分かったことだった。この季節だからまだしも、少し寒い時には風邪を引いてしまう。これからは気を付けよう。 ということで、七面山登山も無事終わった。冒頭にも記した通り、登りがい充分の山だった。天候にも恵まれ、花や景色もそれなりに楽しめた。特にシャクナゲはまだ蕾の株もあり、いっせいに咲かないようで、花期が長そうだ。機会があれば,又少し時期をずらし、登ってみたいと思う。 ![]() ![]() |