<><>   SUMIO'S HOME PAGE  <><>






楽   書   帳たのしみつつかきしるすノート 21

.


西お多福山 に登る



(平成18年5月21日)


 数年ぶりに西お多福山(865m)に登った。シニアカレッジの山楽会にOB会員資格で参加、大勢の方達と一緒に楽しませて貰った。
 当日は午前8時30分に阪急御影駅に集合、深田池の広場で会長や新入10期生の挨拶を聞いた後、軽く体操をして出発。白鶴美術館の前を通り、マンションの多い住宅街を抜け、住吉川の瀬音を耳にしながら山道に入る。今回の登山行は7月に予定されている特別例会の北アルプス登山のトレーニングも兼ねているとのことだ。自分もそれに参加希望をしているので、出来るだけ足慣らしをしておきたいと思っていたこともあっての山行きであった。
 右手の深い渓谷に沿って上がっていくと暫くして五助堰堤が見えてくる。ここ数日来の降雨で水量が多くダムの表面一杯に水が広がって落ちていた。この様子を横目で見ながら更に緩やかな山道を登っていく。道が次第に渓流沿いになってくる。それに従い流れの音も大きく聞こえてくる。水量が多いので勢いがある。水の音の合間を縫うようにキョカキョクキョカキョクと聞こえる鶯のさえずりが響く。辺りは新緑一色、大気が乾燥していてやや冷たく、それが時より風となって吹いて来ると汗ばんだ肌にはなはだ心地良い。
 まさしくこの季節ならではのトレッキングの醍醐味が味わえた。

 この辺りまでもちつつじが沢山咲いていた。薄桃色が緑に映えていっそう綺麗だった。 比較的傾斜のゆるいところが続く、林の風通しのいい場所で一息いれる。座った前方に渓流の小さなダムがみえた(写真の真ん中)。

 靴を脱いで流れを渡ることは大半の人が初めての経験。無事渡れたこともあって皆楽しかったの感想。 この流れの先を横切った。裸足になると川底の石が痛い、冷たいことと合わせて聊か緊張しながら一歩ずつ進んだ。


   渓流を横切るところで普段は飛び石伝いが簡単にできるところが、水嵩があってどうしても渡れない。結局全員が靴をぬぎ裸足でそろりそろり渡った。水は脛の半ばまでの深さがあり、流れが結構早いので足を取られそうになる。また想像以上に冷たかった。
 無事渡り終えて濡れた足を拭い、靴を又履きなおすとなんだか体全体がすっきりした。

 画像を拡大すると一段とはっきりわかるが、緑と赤の模様は美しい。  紅いつつじは山道の両側にも沢山あったが、この斜面の遠景は素晴らしかった。瑞々しい緑との斑模様が青い空を背景に栄えていた。

  近くに寄っていくとこの写真のようになる。樹高がかなりあって見事だ。頂上が近く辺りが明るくなってきたので色が余計鮮やかに見えた。


  この山でつつじがこんなに沢山咲いているとは知らなかった。はじめの内はもちつつじがピンク色で、樹間に浮かぶように 目を楽しませてくれていた。
   標高が上がるにつれ今度はそれが紅いつつじに変わっていき、山頂近くの南斜面は半分くらいが紅く染まって見え、特に良かった。

  通りかかって直ぐ目の前に出てきた、中でも一際立派なつつじ。画面に収まり切れない。今年は他でもやま(みつば)つつじを多く見かけた。

  お多福山の頂上方向を見上げる。今回も頂上には行かず仕舞いだった。このアンテナが立っているだけで日陰も、標識もなく、休むに適当でないのことだった。



 頂上の直ぐ近くになると登りが厳しく、やがて太ももの辺りが張ってくるのが分かった。大体このコースは標高800m程の殆どを歩き上がるので、相当にハードな行程であることは分かっていた。それで気にはなっていたのだった。
  とうとう痛みが来たかと観念してやや歩速を落とし、こむらかえりに進まない様に用心しながら登った。しかし幸いなことにそれからものの2〜3分程で、頂上直下の広くて平らなアスファルト道路に出られた。登りを行くのと殆ど平坦な道路では足の負担が全く変わる。
  そして程無くこの道路の 少し先の木陰が続くところで昼食休憩になり、どうやら事無きを得たのだった。心底ほっとした。時刻は12時20分を指しており、それから小1時間くつろいだ。

 この写真は14時22分撮影、一軒茶屋から約40分下った辺り。  魚屋道(ととやみち)はこのような比較的広い上に傾斜が小さく兎に角歩きやすい。ジグザグを繰り返しながら次第に下りていく。

 同14時45分撮影。  かって瀬戸内の魚を有馬へ運ぶ道で、この名があるという。写真は南面の魚屋道。見て分かるとおり季節ごとにそれぞれの良さがある低山道の典型。


 ゆっくり昼食を楽しんだ後、有馬に向かう。当初の予定は紅葉谷を経由してであったが、下りに非常に急な所があるとのことから一軒茶屋へ廻り魚屋道を辿ることになった。
 休憩していたアスファルト道を頂上には向かわず、そのまま更に少し直進。出て来た六甲最高峰への標識に従い右折し、再び山道に入る。それから間もなくで六甲山頂のバス通りにでた。そこを横断し、2つ3つの小山を上り下りして最高峰の直ぐ下に出る。そして一軒茶屋で記念写真を撮ったりしてから魚屋道に入った。
 この道はいつ通っても雰囲気が穏やかで心がやすまる。季節に関係なくたんたんと歩いて行けるところだ。下っていく時はわずかな登りがたった1箇所あるだけ。今回ものんびり新緑やほんの時たま現れるつつじなどを楽しみながら進む。たまたま足を少し痛めた人と並んだので歩調を合わし、又持っていた食塩をあげたりしている内に、全体の最後尾となっていた。急ぐこともなかったのでそのまま緩い歩調で下って行った。そしてやがて有馬温泉に到着。コースは変わったが時刻は予定通りで午後3時前、会はそこで解散となった。
 自分は考えていた通り近くの「銀泉」で汗を流しさっぱりして、心地よい疲れを多少覚えながら宝塚行きのバスに乗った。
 文字通り五月晴れのもと、体力の上限いっぱい位のトレッキングで、新緑あふれる山の素晴らしさを満喫できた一日だった。
                                          以 上


 頁の初めに戻る。    楽書帳のトップへ戻る。     次の頁へ。    
 ワードで作成しHBのソフトで白抜きに。