★キミとボクと約束のカケラ★第14回
「で?結局アイツが折れたのか?」
あの後、すぐにシンが乱入してきたので、アスランとの話はうやむやになった。
結局キラは最後まで頷かなかったので、そういう事になるのだろう。
「うん。だってやっぱり先輩に馴れ馴れし過ぎるのもどうかと思うし、それに、、、」
(なんか、アスランさん怖かったし……)
あの翡翠色の双眸はいっそ怖いくらいに綺麗で真剣だった。
先輩であるアスランに対してという抵抗もあったのは嘘ではない。でも、普段ならここまで頑なにこだわったりはしていない。
アスランとこれ以上親しくなってはいけないと、どこかで警鐘が鳴っているような、そんな気がして。
漠然とした不安は無意識に必要以上なまでの過剰反応として表に現れてしまっていた。
キラ自身、初めて身に起こった事態に困惑してしまって身動きを取ることができなくなってしまう。
(僕、最近どうしちゃったんだろう?)
いろいろな事が一度に起こりすぎて頭の整理が追いつかないのだろうか?
情緒不安定気味な自分を自己分析してみても、そこに明確な解決策があるわけではない。
(もう、どうしたらいいのかわかんないよ…)
泣きそうな気持ちに心が折れそうになる。
いっそ、全部放り出してしまえたらどんなに楽だろうか。
「ま、あんまり考え込むなよな。意外と真相なんてもんはいざ分かってみるとキラが考えてるほど深刻なもんじゃないと思うぜ」
キラは必要以上に難しく考え過ぎなんだよ。と楽観的な自説を語る幼なじみの言葉は今はありがたかった。
「うん、そうだよね」
少し軽くなった気持ちに安堵してキラは小さく頷いた。
■あとがき■
はい。少し短めですが、約五ヶ月ぶりに『キミボクM』のお届けです。前回のアスランの真面目な告白をキラ最大にして最強の武器、
『天然』によって綺麗にスルーしたその後です。キラもキラで大変なのです。と言うところです(笑)
自分の中にある色々な想いと記憶にない感覚がキラを悩ませています。
やっとサイトが元通りになったので(汗)次はもう少し早く更新予定です。