− ホワイトデイにキラに渡すプレゼントも買った −
− 当日のプランも完璧だ −
− あとはカガリをどうにかする方法を考えるだけなのに… −
「 なんで俺はこんな所でこんな事をしてなくちゃいけないんだあーー!!!」
世界中の好きよりもたったひとつのありがとう 2 Vol. 2
「 ここは学校の生徒会室でこれは代表委員会の仕事だろ?」
アスランの叫びに真面目に答える友人。
「 そんな事はは分かっている 」
「 そんな事ってなーお前…大体、お前が生徒会長の機嫌を損ねたからこんな雑用する破目になったんだろ!」
「 機嫌を損ねたって言ったって俺はただ正論を言っただけだ 」
「 だーかーらーそれが不味かったって事だろ?」
「 何故だ?相手が間違った事を言っているのにそれに黙って従うなんておかしいじゃないか 」
さらっと言ってのけたアスランに友人、ラスティは彼の両肩に手をポンと置きわざと大きく溜息を吐く。
「 その馬鹿真面目なところはお前の長所でもあるけど、少しは融通も利かさないと自分が大変だぞ 」
「 その助言はありがたく受け取っておくよ。ただし、俺は今のところ今の自分を変えるつもりはないがな 」
にっと不適に笑うアスランにラスティも苦笑する。
いつもはふざけた事を言ったりしてくるがアスランにとってラスティはこの学園で数少ない心を許せる友人だ。
今だって、本気でアスランの事を思って言ってくれたのだ。
アスランもそれが分かっているからしっかりと自分の意見を答えた。
「 で?」
「 は?」
今までの真面目な雰囲気はどこへやらラスティは、ぱっといつもの感じに切り替えてアスランの肩に腕を回す。
「 は? じゃねぇーよ。お前、今日何か変なんだよなー」
「 ……… 」
「 委員会の仕事とかの雑用なんて日常茶飯事じゃないか、いつもなら顔色変えずにさっさと済ませて帰るのに
今日のお前ときたら上の空で心ここに在らずって感じでちっとも捗ってないし 」
「 ……… 」
「 まあ、心優しい俺としては心配のだよ、アスラン君。一体、何がお前をそうしてるんだ? 」
そこまでラスティが言ったところで、今まで黙っていたアスランが口を開く。
「 実は… 」
数分後、アスランが諸々の事情を話し終えるとラスティは腕を組んだまま黙っていた。
「 よし、わかった 」
ポンッと自分の太股を勢い良く叩くと元の作業を黙々と始める。
「 お、おい、ラスティ…?」
「 ほら!!アスラン、ボサっとしてないでさっさと終わらせるぞ 」
そこで一呼吸とるとラスティはにっと笑って
「 終わらせて、作戦会議。だろ?」
「 は?」
ラスティはどうやらアスランの恋を応援する。と言う事で自己完結してましったようで、もう関わるき満々っといった感じだ。
アスランもラスティに相談すれば何かいいアドバイスをくれるかもと思って話したのだが
雅かここまで乗り気になってくれるとは思ってなくて呆気に取られる。
「 アスラン!早く手を動かせー!!」
やる気満々になってしまった友人を止める術を持たないアスランには今は黙って彼の言う通りにするしかないのだった。
アスラン、運命のホワイトディまであと2日。