Test & Science reports

科学レポート集


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赤外LED光はデジカメで写るか?

東芝製赤外発光ダイオードTLN101の発光をデジカメで写すと、どんな色に写るかNikon コンパクトデジカメCOOLPIX800で撮影。
予想に反して白い水色に写った。薄暗い廊下にてAUTO撮影。肉眼では全く発光は見えない。
テレビ等のリモコンでも同様に写せるが、単純な直流点灯回路を作ると他の実験にも流用できる。色の確認のためバックにフィルム空き箱を置いた。
2003年 実験

 

(追記)TLN101は廃品種になった。同等品はTLN108。ピーク波長は共に940nm。
2000年頃からのデジカメは赤外カットフィルターが赤外線をカットするのでほとんど写らなくなった。



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デジタルカメラで赤外線撮影

さくら赤外750/コニカ赤外750 赤外線フィルムを使っていたユーザーとして赤外線フィルム生産終了のニュースにがっかりした。
しかしその後、デジタルカメラでの赤外線撮影を紹介するサイトがいくつもあることに気付いた。 デジタルカメラは写りの違いはカメラの機種であるが、カメラを改造しなくても赤外線で撮影ができる。
最新機より古い方が良く写る場合があることもわかった。 どのくらい写るか風景を実写するには真っ黒のカラーフィルム部分を2枚重ねてレンズを覆い、晴天の風景を写すとわかる。 手持ちのデジカメの場合ISO400,F4.0 1/2秒程度で晴天時の風景が写った。


フィルム2枚を重ねたフィルター代用品で赤外線写真は写るが画質が良くないので富士写真フィルム製シートフィルター IR76を購入した。 75mm角が約千円で入手できる。
これを自作のフィルターフォルダーでカメラレンズに取り付け写したのが左下写真。
左上は普通の写真。 Pentax istDSに赤外線マークのあるマニュアルフォーカスレンズ A35mm F2.8を使用。 赤外撮影データ(ISO400,絞りF4.0 1/4sec WB=sun,IR76フィルター使用)
PENTAX istDS+IR76で撮影のカラー画像は全体が小豆色に写る。PhotoshopのチャンネルミキサーでRGBモノクロ化した。

Kodakより赤外カラーフィルムという36枚撮り1本4千円以上した特殊フィルムが売られていた。 Photoshopで左上下の画像を使い、IR(赤外)カラー風のfake color画像を作った。
下の「赤外カラーの比較」をクリックするとGIFアニメーションで、
(1)普通のカラー (2)モノクロ赤外画像 (3)R-G-B チャンネルにIR-R-G を割り当てたKodak赤外カラー風画像 (4)R-G-B チャンネルにIR-G-B を割り当てた赤外カラー画像を連続して再生する画像を別ウインドウで見れます。
2009年9月 記

赤外カラーの比較画像 / infrared-color picture (400kB)

池の周囲と山の木々,紅白に塗られた高圧線鉄塔,柵にある「つり禁止」など、色の比較を見ると面白い。
流れの速い雲は色ずれが生じている。



都市ガスの炎の分光分析

家庭用ガスコンロの炎を自作プリズム分光器で撮影した。 この分光器にはスリットビュワーがあり、分光したい部分の光をスリットに導入できる。 都市ガス13Aの炎とスリットを黄色く示した。(イメージ)
都市ガスの炎は青白く、あまり明るくない。


上画像の黄色で示したスリット部分に入射した光をプリズム分光器で写した都市ガス炎のスペクトル
メタン特有のスペクトルが写っている。 オレンジ色の線スペクトルが炎の上部分に現れている。


オレンジ色の線スペクトルは何か?
思い当たる物として食塩水の炎色反応を分光器を固定したまま、同じスリット位置で写した。
食塩水の炎色反応の光は明るく、都市ガスの炎より5段階早いシャッター速度で写した。 都市ガス炎のスペクトルと食塩水(ナトリウム)のスペクトルを上下に並べるとナトリウムの波長位置と一致する。
都市ガスの成分にナトリウムは含まれていないのに何故炎に現れるのか?
料理で吹きこぼれた汁の塩分がコンロに付着し、炎色反応でガスの炎にナトリウムが現れたのか? 炎の色を良くするため初めから入っているのか?
(2021年5月 記)



ろうそく炎の分光

ろうそく炎の明るい部分(内炎)に露出を合わせプリズム分光器で写したスペクトル。
蝋に含まれる炭素が燃焼で高温になり発生する熱放射が主な光源。 ぼんやりとした連続スペクトルだがナトリウム輝線(D線)が少し写っている。
D線であることは食塩水の炎色反応スペクトルと比較して確認。


内炎より暗い炎心のスペクトルを写すため露出を長くした。
分光器スリットビュアーで炎の垂直中心線がスリット上に写るようにして撮影。
スペクトル右側に、撮影に使ったろうそく像を並べました。
スリットのイメージとして、ろうそく炎上に白線を加えています。 スリットの上限を超える所まで外炎が伸びているのがわかる。 数本の輝線が確認できる。


炎心部分のスペクトル下に都市ガス(天然ガス)炎のスペクトルを比較のため並べた画像。
蝋の成分である炭化水素の燃焼時に発するスペクトルと都市ガス炎のスペクトルが似ていることがわかる。
(2022年5月 記)



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ND400 フィルターの赤外線減光度テスト

Kenko製減光フィルター ND400 露出倍数400倍。写真用フィルターの資料では一般に波長350〜700nmの特性しか記されていない。
赤外線と可視光線での減光率の違いはあるか?
デジタルカメラは近赤外線が写るので、Φ49mmガラス製フィルターを使って700nmより長波長での透過率を調べた。

蛍光灯照明の室内で写した作例
左: PENTAX ist*DS 50mm F2.8 フィルター無し ISO200 露出0.3秒
0.3秒の露出倍数400倍は120秒になる。 右:はND400を付け120秒露出で撮影。黄色っぽく写ったが、適正露出が得られた。


東芝製赤外発光ダイオードTLN101A (Ge As LED、メーカー製造終了、後継同等品はTLN108) 900〜990nmの赤外線で発光。
ピーク波長940nm、肉眼では発光は認められない。このLEDをトレーシングペーパーの裏面より照射して暗い室内で撮影したのが 左端、50mmレンズ F2.8 フィルター無し ISO200 露出1/4秒

1/4秒の露出倍数400倍は100秒。左から2番目、ND400フィルター付90秒露出では明るく写り、赤外線での減光率は可視光より少ないことが判る。 ND400付で露出15秒がフィルター無しと同じ程度に写った。これより940nm付近での露出倍数は60倍程度である。


ホームセンターで入手できる「溶接ヘルメット用遮光ガラス #11」の赤外線透過率を同じ方法で調べた。
太陽光での透過率はフィルター無し1/1000秒で適正露出の場合、遮光ガラス#11付は露出8秒で緑色が適正に写った。 緑色付近で露出倍数は2の13乗=8192倍。テストした遮光ガラスの場合青色は緑の1/2,赤色は1/3程度しか透過していないためシアン色に写った。
赤外LEDではフィルター無し1/60秒で適正の場合、遮光ガラス#11付は60秒露出でも何も写らなかった。 940nm付近での露出倍数は2の12乗以上あることがわかった。 2009年9月 記


ゼニゴケの早期駆除

ゼニゴケは一つが1cm程のV字、緑色の葉に見える苔でV字型の葉みたいな苔が倍々に広がってゆく。
地面にへばりついていてはがしにくい。駆除しても敷地外から胞子が飛んできてまた生える。
半年放置すると胞子を放出し周囲にびっしり広がる。。。

対策と駆除は色々書かれているが、根本策は日当たりを良くすること。
しかし隣家の影で日当たりが悪いので解決できない。
駆除に一般の除草剤は使っても苔には効果が薄い。
バーナーで焼く...火災の危険があり使えない。
酢をまく...土壌が酸性になるので使いたくない。
熱湯をかける...狭い敷地で熱湯を使うのは危ない。台所器具を使いたくない。
ホームセンターで¥500.程で入手できる水に溶かして使うゼニゴケ駆除剤は溶かした駆除液は使い切る必要がある。
密集して生えたゼニゴケの駆除には良いが、生え始めた1個1個のゼニゴケ駆除には使いにくい。

ゼニゴケがびっしり生える前、1個2個と生え始めの早期駆除に1年余り使ってみて使いやすさ、安全性からお勧めするのは、 コロナ対策でお世話になった「アルコール消毒液」です。 図のようなV字葉一つなら小さじ1杯ほどを葉の裏面にも染みるようにかけます。
アルコール分が苔内の水分を吸水し苔は脱水状態になるのだと思います。 1日後には葉の色が退色し、数日後には枯れて消えるようになくなります。
スプレーで霧状にかけるのでは葉の裏側に染みにくいので枯れにくい。 晴天が続いている時でないと駆除できない。
雑草取りをしながら生え始めのゼニゴケを見つけるとアルコール消毒液をシャーとかけています。  2023年3月記

 

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