楓観察記
〜 妊婦生活編 〜
 
         
    産科デビュー 2010年5月  
   
12週にNTと呼ばれる検査を受ける。超音波で胎児の首の後ろのむくみの厚さを測り、染色体異常(ダウン症など)の確率を調べる検査。担当してくれたのは新米の技師らしく、一通り計測した後「ちょっと待ってて、ボスを呼んでくるから」といなくなる。まもなくベテラン技師がやってきてデータを確認、笑顔でうなづいて去っていく。新米技師、嬉しそうに「データの取りかた、これでいいみたいです♪」と報告してくれる。うん、それはよかったね。そうじゃないと困るけどね。

不妊科はこの日で卒業、次回からは産科に通うことになる。スイスでは妊娠中は個人のクリニックで定期健診を受け、出産は総合病院で、というのが一般的。しかし新たにクリニックを探すのが面倒なのと、高齢につきハイリスク出産になる可能性も考えて、そのまま大学病院の外来にお世話になることに。不妊科と産科は隣りあわせなので、不妊科のドクターが一緒に産科の受付に行ってくれ、カルテのファイルをどかっと渡して「2週間後に予約ね」といって引継ぎ終了。とっても簡単でした。

14週、初めて産科へ。助産師による血圧・体重測定、尿検査の後、ドクターの診察を受ける。不妊科でいつもしていたように超音波画像を見せてもらえるかと思ったら、携帯スピーカーのようなもので心音だけ聞かせてくれた。ちょっと物足りないけど、まあ生きてるならいいか。

この日の私にはひとつ重大なミッションが。
7月に地中海クルーズに行こうと企んでおり、その申込条件に「妊娠24週以降は乗船不可、それ以前の妊婦は医師による証明書(出生予定日と、ハイリスクではないことを明記したもの)を提出すること」と規定されていたので、バカンスを楽しむために是が非でもこの証明書を手に入れねばならなかったのだ。

ドクターにお願いしてみると「OK!」と二つ返事で引き出しから小さいメモ用紙を取り出し、さらさらとなにやら書き始めた。事務スタッフへの指示メモかな?と見ていると、最後に病院名のスタンプを押し、サインをして「これでいい?」と渡された。これが証明書。なんかイメージと違うけど、手っ取り早く入手できてよかった。

しかしこのドクター、リクエストに気持ちよく応じてくれたものの、メモを書きながら「船会社もおかしなこと言うよね〜、今ハイリスクじゃなくても、2ヶ月先でしょ? クルーズの時にはどうなってるかわかんないよね〜」と怖いことを言っていた。他意はないようなので「ほんとわかんないですよね〜」と一緒に笑っておいた。



つわりがほぼ終わり、遠出も楽しめるように