2009.10.4 (2010.3 up)               
マリアシュタイン  
 

いい感じの村並み



ロンシャンの礼拝堂
とはまた趣の違う、有名な礼拝堂がバーゼル郊外の村、マリアシュタイン(Mariastein)にあります。ここは古くからの巡礼地で、今でも遠方からたくさんの人がお祈りにやってくる場所だそうです。

観光名所というよりも宗教的側面が強いのか、ガイドブックなどにもあまり載っておらず、でもなんとなくすごそうな場所なので見に行ってみることにしました。


 

教会入口


犬は入れません

  目指したのはマリアシュタイン修道院。優美な教会堂は内部が明るく、見事な装飾に目を奪われました。ただこの建物、外観も内部もピカピカで、まるで新築のような感じ。

不思議に思って調べてみたら、ここには17世紀から修道院が建てられていたのですが、その後のフランス革命で破壊されたり、ドイツ文化闘争で修道士たちが追放されたりして、すっかり荒廃してしまったのだそうです。そして1941年に修道士たちが戻った後、1971年に再建が承認され、2000年にようやく改修が完成したのだとか。



ザンクトガレンの大聖堂ともちょっと通じるものがある、白ベースの優雅な装飾

いやー綺麗な教会だったね、と帰ろうとしたところで、地下への通路を見つけました。人々が次々に入っていくので、我々もついて行ってみることに。

長い通路の壁にはたくさんのプレートが貼られています。読んでみると、どうやらドイツ語だけではなく様々な国の言葉で「マリア様、ありがとう」という感謝のメッセージが書いてある模様。なんだなんだ、と進んでいくと階段が出現し、さらに下へ下へと導かれます。

階段を下りてドアをあけると・・・そこは礼拝堂でした。
 
長い地下通路は、ちょっと不思議な空間。

あやうく見逃すところだった礼拝堂。
   
  自然の洞窟に作られた祭壇。その前で真剣に祈る人々。穏やかな静けさの中に、ぴんと張りつめた空気を感じました。

これも後から知ったのですが、この礼拝堂には古い伝説があるそうです。

ある夏の日、母親が小さな男の子を連れて牛の放牧をしていました。とても暑い日だったので母親は洞窟に入り、うたた寝をしてしまいました。男の子は近くで遊んでいましたが、誤って崖から下の谷に落ちてしまいました。目を覚ました母親が慌てて谷に降りてみると、男の子はそこで何事もなかったかのように花を摘んでいました。男の子は、きれいな女の人が両腕で受けとめ助けてくれたこと、その人が上の洞窟に奉ってほしいと言っていたことを母親に告げました。そして、それはマリア様に違いない、ということになり、この礼拝堂ができたそうです。(修道院は、それから3世紀後に建立されました)

こんな起源をもつこの礼拝堂には、奇跡を願ってお祈りに訪れる人が後をたたないそうです。キリスト教徒ではない私たちも、ここではなんだか敬虔な気持ちになり、思わず家内安全、無病息災を祈ってしまいました。

お祈りの内容がコテコテの神道であることは、この際気にしないということで。
 
周囲は絶好のお散歩コース 
               
             
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