2010.4 - 5               
春なのに
乗馬クラブの入口にある、かなり心配な看板

今年の春は雨の日がやたらと続いていますが、その間隙をぬって乗馬に行ってきました。バーゼル近郊にも乗馬クラブがいくつかあるのですが、本格的乗馬学校や「あなたの馬預かります」みたいなところばかりで、素人がふらりと行って外乗を楽しめるようなところがなかなか見つかりません。

範囲を広げて検索しまくった結果、ドイツの比較的敷居の低そうな乗馬クラブに行ってみることにしました。HPにある連絡先に嫁が電話すると、会話はドイツ語のみ。でも乗馬は英語でも大丈夫とのことなので、予約をお願いしました。そして指定された土曜日の午後2時に現地に行くと、「あんた誰?」と言われました・・・。唖然としていると、まあでも馬は足りているのでいいわよ、と乗馬させてもらえることに。

 

換毛期のため冬毛抜け放題
  次に馬小屋に連れて行かれ、ブラシや釘抜きのようなものを渡され、一頭の馬の前に連れて行かれます。はい、そうです、先ず馬を綺麗にしてあげるのです。ここでようやく私は、これが観光用のなんちゃって乗馬ではないことを悟りました。

モードを労働者に切り替え、せっせと馬にブラシを掛け、蹄についた泥を釘抜きの様な金具で落とします。30分ほど作業に励んだところで、また呼ばれ、それでは貴方の馬はあれね、と全く別の馬を渡されます(!)

乗ることになった馬は、私が何もしてあげていないせいか、すこぶる不機嫌で、これからの苦難の道のりを予感させてくれます。
馬に跨った後は、暫く馬場で「自習」です。まあ他の参加者の馬に付いて行ってくれているので何とかなりますが、もし一度も手綱を持って乗ったことがなければ、結構難しいかもしれません。このまま馬場をぐるぐる回っているだけだったらどうしようと不安になったころ、乗馬クラブの人に呼び戻され、5頭ほどで外へ出ます。
 
 
なかなか厳しい放置プレイ


外乗に出発。奥に見える丘を含め、いくつもの丘を超えて周回します。
  天気は快晴、景色は思い描いていた通りの美しい田園風景、気分は爽快です。クラブの人が先導しながら、景色やら村のゴシップやらを解説してくれます。ただしドイツ語なので私は殆ど理解できません。

でものんびり揺られながら、来て良かったな~、と思っていると、そこへ先生から矢のような厳しい指示が私だけに浴びせられます。手綱の持ち方、姿勢、リズムの取り方等々。特に私の馬が隙を見て草を食べると一段と厳しく注意されます。
そしてそれ以上に辛かったのが駆け出し。リズムの取り方がなかなか合わず、付いて行くのに必死です。昔9歳のときに超高速モーターボートに乗せられ、波の振動でボートから振り落とされないように手すりにしがみ付いていた事を無意味に思い出したりしながら、駆け出しは何度も何度も繰り返されます。でも同行者は皆平気です。そう、どうやら初心者向けとはいえ、「乗馬クラブでそれなりに通っている」初心者が同行者で、私だけが「真の」初心者なのです。    
帰り道の疲れきった私と、最後まで心を開かなかった馬

帰還後も容赦なし
  爽快な乗馬散策から、修行の場へと化した場外トレーニングは丸2時間続いてようやく帰還。なんとか落馬せず生き延びることができました。戻ってからは、馬具類を外し、餌を与え、蹄の泥を落としたりして終了。

そして皆さん気になるお値段は、25ユーロでした。そうなんです、日本なんかと比べると場外2時間でこのお値段は信じられないほど安いです。加えて、乗馬前後の作業も計1時間ほど体験でき、ドイツ語レッスン付です。どうです、皆さんも是非乗馬してみませんか?
               
             
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