思うこと 第271話 2008年4月21日 記
池上先生のシミュレーション医学の講演に思う
『シミュレーション医学教育』の重要性については、昨年6月に『思うこと第226話』と『第227話』で池上敬一教授(獨協医科大学越谷病院救命救急センター長)が主催された『日米シミュレーション医学教育シンポジューム』に参加してカルチャーショックを受けたことを述べた。
この度、その池上教授ご自身が鹿児島にお越しくださって、講演してくださった。
この講演会を企画実現してくれたのは当日の座長の今村病院分院の加塩信行総合診療内科・神経内科統括部長(同君については、第223話参照)であった(下写真)。
池上先生は一年前の講演の時と同じように熱っぽく語られ、
なぜ、シミュレーション医学が大事かについて、先生の次のスライドはとてもわかり易かった。
医学教育で学んだことと、臨床の現場のニーズの間にあるギャップ、これを、臨床の現場で学ぶには患者様に迷惑がかかる可能性があり、
そこで、避けて通れないものとして登場したのが、この『シミュレーション医学』なのである。
先生は、これからの指導者は "Teacher" ではなく "Instructor"
にならなければいけないと強調され、
指導者に読んでほしい本として次の本を紹介された。
先生はシミュレーション医学教育の要に『教授システム学』を位置づけられた。
先生はシミュレーション医療教育の見本として、
BLS, ACLS, PALS, Core Instructor Course を取り上げられたが、これこそは、この鹿児島において、本日の座長の今村病院分院の加塩信行総合診療内科統括部長が精力的に教育に取り組んでいることであり、実は、この講演の翌日と翌々日に加塩統括部長が主催して鹿児島でPALSのコースが行われたのであった。
そして最後に、先生は、
日本医療教授システム学会ホームページを紹介してくださった。
私は、強烈なインパクトで、改めてこの分野の重要性を認識し、今後加塩統括部長が推進する一連のシミュレーション医療事業のバックアップに全力を挙げてゆくことが自分の務めであるとの思いをさらに強くしたのであった。