思うこと 第139話           2006年9月15日 記

トルシェ、ジーコ、オシム

 昨日、大阪日帰り出張の際、出発前に鹿児島空港本屋で、左写真の本を買い、結局往復の機内でドキドキしながら熟読させてもらった。期待通りの本で、どのページも面白かったが、特に2つの話題をとりあげる。 ひとつは、2年前に『思うこと25話』で私が述べた“ジーコ監督批判”とほぼ同じ様な内容の記載があった。 筆者は渡辺達也氏で、次のように述べている。
『ジーコは日本代表を「ファミリー」という言葉で表現し、キャバクラ事件やチームの和を乱した次から次えと切っていった。 しかし最後までチームはひとつにまとまらず、選手個々の方向性はバラバラになり、W杯を戦うチームではなかった。それはジーコのチームマネジメントの失敗でもある。 それ以上に、そんな監督を4年間も野放しにしたサッカー協会にも大きな責任がある。』 私がオシム監督の登場を感動と共に歓迎しているのは(『思うこと第115話』参照)、実は私の恩師の井形先生ならびに私の人育ての方針の軸と同じであることによる。 外から誰かを連れてくるのではなく、中にいる若者は実は無限の可能性を秘めていて、必ず伸びてゆく事を知っているという点に、共通項を見るのである。
 さて、この本に、もう一つ取り上げたい項がある。 トルシェが、『ジーコとオシム』について9ページに渡って述べている。 トルシェはジーコにはとても辛い点をつけており、一方、オシムには『協会はいい人選をした』と高い評価をしてくれている。 さすが、日本のサッカーを知り尽くしたトルシェだけに、説得力があり、私も気を強くさせてもらったのであった。