おジャ魔女どれみ+α 〜rebirth
第02話『魔女が嫌いな魔女見習い?』
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どれみ「しずくちゃん、待って!」
あいこ「しずくちゃん!」
しずく「嫌ぁぁ、来ないで!」
どれみ「あの、えっと、おばさん・・・」
???「私はマジョラッタ・・・どれみよ、あの子を逃がさないでくれ、このままでは私は魔女ガエルのまま生活を送るはめになってしまう・・・」
どれみ「分かりました、すぐに追いかけますから、ちょっと待っていてください」
あいこ「しずくちゃん、淀川沿いの道走ってったで、どれみちゃん早く!」
どれみ「うん!」
どれみとあいこは急いで逃げるしずくを追いかけた。
どれみ「魔女ガエルの呪いは、私たちが解いたはずなのに・・・どういうこと?」
あいこ「分かわへん、とりあえずマジョラッタさんを魔女って見破ったんはしずくちゃんや、しずくちゃんがこのまま魔女見習いにならへんかったら、マジョラッタさんは一生魔女ガエルのまま生活せなあかんくなる!」
どれみ「うん、とにかく今はしずくちゃんに全てを説明しなくちゃ」
あいこ「あ、居た、しずくちゃん、ほら、あそこの橋の下のところ!」
あいこはしずくを指差して言うと、川の土手へ走って下りていった。
あいこ「しずくちゃん!」
どれみ「しずくちゃん、落ち着いて私たちの話を聞いて!」
しずく「良いよ、知ってるから・・・」
どれみ「え、知ってる?」
しずく「『魔女』のことも『魔女ガエルの呪い』のことも、私、全部知ってるもん」
しずくのこの言葉に、どれみたちは驚かされた。
どれみ「しずくちゃん、それって・・・」
しずく「私、フランスに居たときに、マジョライドっていう人の正体を見破って、魔女見習いになった。だから、知ってる。」
あいこ「それやったら、なんで逃げたりしたん?しずくちゃんがマジョラッタさんの正体を見破ってしもうたんやから、しずくちゃんが魔女見習いにならな、マジョラッタさんは、一生魔女見習いのままなんやで!?」
しずく「分かってるよ!でも、私、無理だよ・・・魔女見習いになんてなりたくない!」
どれみ「しずくちゃん、そんなこと言わずに魔女見習いになってあげてよ、じゃないと・・・」
しずく「嫌よ、だって、私、魔女なんて大嫌いだもん!」
どれみ「え・・・?」
しずくのその叫びが、辺りに響き渡った。
しずく「確かに、私は魔法に憧れて、魔女見習いになった。マジョライドさんも優しくて良い人で・・・だから、私、マジョライドさんのことを尊敬してた。ずっと、尊敬してた。いつかはマジョライドさんみたいな魔女になりたちって思ってたぐらいに・・・」
あいこ「それやったら、なんで魔女が嫌いやとか・・・」
しずく「だって・・・私が尊敬するマジョライドさんを殺したのも、魔女だったんだもん!」
どれみ「え、殺した?」
あいこ「どういうことや」
しずく「マジョライドさんは・・・魔女に殺されたの・・・理由は知らない。でも、殺されたのは確か。私さ・・・行きの新幹線の中で、"嫌なことを思い出したような気がした"って言ったでしょ?たぶん・・・このことを思い出しかけてたんだと思うの・・・もちろん、忘れてたんじゃない・・・忘れたくたって忘れられるようなことじゃないから・・・おそらく、マジョライドさんを殺した魔女に記憶を消されて・・・」
どれみ「記憶を消すって、でも、それって・・・」
あいこ「うん、禁断の魔法や。おんぷちゃんが、私たちの正体がバレそうになって、記憶を消す魔法を使ったときは、確かおんぷちゃんは100年の眠りについた」
しずく「黒い・・・服装も何もかもが黒い魔女だった・・・マジョライドを殺したのは・・・」
どれみ「黒い魔女・・・」
しずく「私・・・怖い・・・魔女は、信用できない・・・怖い・・・」
あいこ「しずくちゃん・・・」
しずく「だから・・・私・・・魔女見習いにはならない・・・なりたくない・・・」
しずくは震えた声で言った。頬には涙が瞳から零れ落ちた涙がつたっていた。
どれみ「しずくちゃん・・・だったらなおさら魔女見習いになろうよ」
しずく「え、何言ってるの、どれみちゃん?」
どれみ「魔女見習いになったら、魔女は悪い人たちばかりじゃないって、きっと分かると思うんだ。そもそも、マジョライドさんをしずくちゃんは尊敬してたんでしょ?だったら、魔女が悪い人たちばかりじゃないことは分かってるんじゃない?」
しずく「・・・」
あいこ「それに、その"黒い魔女"とかいうのと決着着ける良いチャンスや。怖いのは分かるけど、逃げてても、何にも変わらへん・・・そやろ?」
しずく「・・・うん」
どれみ「もし1人で怖いんだったらさ、私たちも一緒に魔女見習いになってあげるからさ」
しずく「え?でも・・・」
どれみ「良いんだよ、気にしない、気にしない。」
あいこ「そもそも、しずくちゃんの過去を知った以上は、ほっとけへんしな」
しずく「どれみちゃん・・・あいちゃん・・・」
どれみ「そうだよ。だから、戻ろう、マジョラッタさんのところへ」
しずく「・・・うん、ありがとう」
そういって、しずくはどれみたちに笑顔を見せた。
そしてこの日、3人の魔女見習いがここ、大阪で誕生したことは言うまでもない。

今、魔女ガエルの呪いを解いた伝説の魔女見習いの物語が、再び始まろうとしている─

***続く


次回予告
しずく「魔女見習い、かぁ・・・なんだか懐かしい響きだなぁ」
どれみ「そっか、しずくちゃんも昔魔女見習いだった経験があるんだよね・・・次回、<おジャ魔女どれみ+α 〜rebirth>、『新たな魔女見習い生活!』、ピ〜リカピリララ魔女見習いで行こう!」

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+α〜rebirth第02話の旧版範囲
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