「マイ母さん」のお話し読んでくれた?
わたちは全然覚えていないんだけど、よっちゃんに聞いたら大変だったみたいね。
ヤスヤンはマイ母さんを名古屋に置いてきてから、
ずーと落ち込んで、考え込んでいたんですって。
そして「僕はマイちゃんを置いてきたことを、一生後悔するような気がする」って
よっちゃんに言ったそうよ。仕方なくよっちゃんも覚悟を決めて、
(だってもうその時お家には、お仲間が5人もいたんですもの。
それに猫は1度に5、6匹は子供を生むのが当たり前なのよ)
ダンボールとゲージと毛布、それに車でおしっこできるようにトイレを用意して、
転勤から帰って3日目のお昼に、また名古屋に出発したんですって。
マイ母さんにごはんをあげていたのは夕方が多かったから、
そのころ名古屋に着くように、お昼ごろに千葉を出発したそうよ。
高速道路は運転するのが怖いくらいの大雨が降っていたんだって!
名古屋に着くと、住んでいたマンションの周りを
「マイ! マイ!」って探してまわったんですって。
10分おきに呼んでいたんだけど、4時間くらいたっても出てこないんで、
あきらめかけていたときに、マイ母さんがわたちをくわえて、
車の正面から駆けて来たんですって。
「まるで夢を見てるみたいだった」って、よっちゃんは話してくれるわ!
でもわたちをネズミかと思ったなんて、よっちゃんはほんとに失礼ね!
わたち親指くらいの大きさしかなかったんだって。未熟児だったのかしら。
今までの子はみんな、大きくなってから来た子で、
生まれたばかりの子猫は見たことがなかったらしいの!
お母さん猫が外で生んだ子猫を連れてくるのも、
だいたいみんな2、3ヵ月くらいしてから。
それでわたちがあんまり小さいんで、びっくりしたんだって。
今でもここでは1番体が小さいの。その代わり気の強さは1番よ。
そうそう、わたちがいじめっ子の「ウッコちゃん」にどうやってリベンジするのか
教えてあげるわね。ウッコちゃんはいつも毛布をかぶって寝ているのよ。
そこでわたしはそっーと近づいて、「エイッー!」と一気に毛布の上から猫パンチをして、
素早く逃げるの。まわりにいたみんなは、あっ気にとられているは。
もちろんウッコちゃんも、何があったか分からず、
毛布から飛び出て、キョトンとしているわ。おもしろかったわー。
わたち小さいから頭つかって戦わないと負けちゃうのよ。これも生きる知恵よ!。
最近「ソックス」いじめはやめたの。
その代わりマイ母さんがしっかりソックスを教育しているようよ。
でもソックスが、わたちの大好きな「コイちゃん」を追いかけていじめているときは、
わたちの出番。コイちゃんを守って点数をかせがなくっちゃ。
でもこのごろちょっと大変なことに気がついたのよ!
それはまた今度お話するわね。