ぼくがキジちゃん
はじめまして。ぼくがキジちゃんです。
 はじめまして!キジちゃんです。
ぼくがヤスヤンたちと会うまでは、このあたり一面は野原で、何にもなかったんだ。
あれよあれよという間に、お家がたくさん建って、
ぼくのお散歩道が狭くなちゃったんだよ。
その中の一軒がヤスヤンたちの家だったんだ。
ぼくはここのはずれの大きなお家の納屋を住みかにしていたんだ。

 ある日、ごはんを捜してうろうろしてたら、新しいお家の1軒から
かわいい鳴き声が聞こえてきて、のぞいてみたら、
ぼくとそっくりなキジ猫の子が窓から見ていたんだ。
それが「にゃんち」って子だったんだ。
それから時々ここに来て、にゃんちに話しかけていたら、
ヤスヤンが出てきてごはんをくれたんだ。
にゃん缶なんて食べたのは、そのときが初めてだったから、
一度に2缶もご馳走になちゃったよ。
それからは毎日この家に通うようになったんだ。
でもよっちゃんは最初のころは、ぼくを怖がっていたんだよ。
猫にしては大きすぎるとか、顔が鋭いって、触ってくれなかったんだ。
ぼくゴミ箱あさりで目が血走っていたのかなー。

 でもだんだん慣れてお家まで用意してくれたんだ。
ぼく顔は怖かったけどとっても人間が好きで、
いろんな所でけっこうかわがられていたんだよ。
この辺じゃ人気もんだったんだ。
慣れると、だんだん顔まで優しくなって、写真の通りのハンサムボーイさ!

 それから「トラちゃん」と知り合って、トラちゃんのボディガード兼この家の番猫さ。
でもにゃんちは、ぼくに興味がないみたいで、
庭に出てきたときに一緒に遊ぼうと近寄ったら、怒るんだ。
にゃんちはちょっとタカビーだったな。

 トラちゃんは声が出ないんでぼくが守ってあげないといけないんだ。
でもどうも浮気をしたみたいで子供の「クロ」と「チャト」はぼくに似てないんだ。
「シロ」と「ミケブー」も似てない。
悩んでたらぼくにそっくりな3兄弟「チョウスケ」「チュウベエ」「タンキチ」が生まれたんだ。
これは絶対ぼくの子だと思ったよ。
よっちゃん達も3兄弟には大喜びさ!
それからはこの大家族をぼくがしっかり守んなきゃと思って、
毎日の見回りがぼくの役目さ。

 でも時々疲れちゃって、旅に出ることもあったんだ。申し訳ないけどね。
よっちゃんは心配してたみたいだけど、ぼくは帰ってくると太っていて
「なぜ?」って言われちゃったんだ。ぼくだから言ったろ人気者なんだって!
 じゃまたね!
いい気持ちでお休み中
うるさいなー! なあに?
どこにいるの? 軒下だよ!