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上下顎前突(じょうかがくぜんとつ) |
bimaxillary protrusion(バイマキシラリープロトゥルージョン) |
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上下顎前突 ってなに? 上の歯も下の歯も前方に飛び出した状態です。キレイに並んでさえいれば、上下の歯は何処にあっても良いわけではありません。やはりバランスが大切です。矯正治療の分析では、骨に対する歯の位置関係や、クチビルなどの軟組織などの評価によって、これらの問題をチェックします。
審美的な評価方法の一つに鼻とオトガイに線(E-line)を引いて唇が飛び出ていないか調べてみましょう。また、鼻と上唇の境目から垂線を下ろしてみましょう。何ミリも口唇が飛び出ていたり、上口唇が形態的に突出していませんか?また、口元が出過ぎている場合は唇を閉めるのに力がいります。オトガイに梅干しのような緊張が無いですか?自然に閉じられない口元が正常とは考えにくいです。見た目は悪くても機能的にはすばらしいという事は現実には存在しません。正常咬合とは筋肉の調和も必要でしょう。
放っておいたらダメなの?将来どうなるの?
結果的には上下の奥歯の噛み合わせはそれほど悪くないことも有りますが、顎の土台に対して著しく前歯が突出しているため、前歯の生え方、噛み合わせに問題を持っていることが多いです。リップサポートが欠如しているため、前歯の安定性にも問題があります。また口元が突き出たように見えるので、審美的には好ましくないでしょう。
どうやって治すの?
この問題点は小学生の時点では解決しません。むしろ、小学生の段階では上下顎の成長のバランスをとるためや、上下顎歯列をガタガタなく配列するため結果的に上下顎前突になってしまっていることがあります。中学生〜高校生に鼻やオトガイの成長を示すことが多いので、軟組織のバランスの評価は中学生以降に行った方が良いです。
<本格矯正での解決方法>
上下全ての歯を遠心移動させるとなると非常に大変な作業になるので、概ね上下顎の小臼歯抜歯を行うことが多いです。 <特殊な方法 インプラント矯正>
また、小臼歯抜歯のみでは、前歯の後退を十分に行えないケース、たとえば、ガタガタが大きすぎて小臼歯抜歯のみではちょうどガタガタを取り除く事しかできない場合などでは、臼歯部にインプラントを植立し、全ての歯を後方移動させる事があります。
<特殊な方法 オトガイ形成術>
相対的にオトガイのみが形成不良で口唇の前突感が強い場合、オトガイ形成術を併用する場合があります。外科矯正となりますが、その他の顎離断術を併用していない場合で有れば、保険治療とはなりません。どの部分の問題が強く、どのような解決方法があるのか、状況によって異なりますが、いくつかの解決方法の中から、選択する必要が有るかも知れません。 |
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