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矯正歯科講座
顎関節内障(がくかんせつないしょう)

 顎関節症にはいろいろな状況がありますので、状況に応じた説明を行います。まずは、関節の構造になんだかの異変があるか、現在までにどのような症状の経過を経たか確認を行います。その上で、どのように管理していくべきかお話をいたします。
 10人中3−4人から8人という高い頻度で顎関節に問題をもっていますので、決して珍しいものではありません。ただし、上手にコントロールできず始終、痛みを訴えているようでは日常の生活に差し障ります。自分がどのような状況にあり、どう付き合い続けるか知る必要があります。さらに顎関節症の原因の一つに、噛み合わせの問題がある場合には矯正治療が顎関節症の治療の一環として選択肢にあがります。多因子の病態ですので、矯正治療のみで解決する問題ではありませんが、よりよい顎関節の環境を整えることで、生涯にわたる顎関節の問題を小さくしてくれることが期待できます。

顎関節症の典型症状である「顎の関節から音が聞こえる」、「痛みがある」 などは多くの場合で「関節円板」の問題である事が多いです。

関節円板がずれる(円板転位を起こす)とどのような問題が有るか

 0・何の症状も無し
時には、本人にしてみれば全く問題を感じていない事もあります。そういえば、昔、顎の関節から音が鳴っていたかも知れない という程度で済んでいる人もいます。しかし、良く調べてみると大きな顎のズレを持っていたり、少しの噛み合わせの変化で顎に症状が出てくるケースも多いです。

 1・顎の関節に違和感・圧痛・自発痛
状況によって後部結合組織、炎症を起こした関節頭表面、転位した円板癒着部など痛くなる場所があります。特に不完全な転位の場合だと、顎位も安定のしようがなく、しかも後部結合組織に刺激が加わって、少し動かしただけでも干渉を引き起こす円板が邪魔をしてやたらと痛い。不必要に動き回って異常な力を受けている関節円板の周囲が炎症を引き起こし、円板の癒着も誘発する と悪循環を繰り返すケースも見受けられます。

 2・顎の関節の動きに違和感・クリック・引っかかり感・口が開かない
クリックとは概ねずれてしまった関節円板と関節頭が本来の位置に復帰しようとした時に起こるもの(復位性円板前方転位でのレシプロカルクリック)であると考えられていますが、典型例ばかりではなく、中途半端にずれている人の方が圧倒的に多いので、ぐじゅぐじゅっと鈍いクリックを触知する方が多いです。耳道の前、耳の穴に指を当てて顎を動かすだけでも、多くの関節円板のズレを触診することができます。ノーマルなケースでは関節頭の外側極がスムースにカーブを描くだけですが、異常なケースでは色んなモノが指に触れてきます。
口が開かない とはいわゆるロッキングの事ですが、これも程度や現れ方は様々です。一番解りやすいのは、食パン・サンドイッチが食べられない というような開口制限です。場合によっては右か左だけが良く動かない というケース、かなり開くのだけど、思い切り開けられるわけでは無い というケースなど諸々です。ほとんどの場合、(腫瘍とかでなければ)転位した円板などの構造物が邪魔をしてそれ以上、顎が動かせられなくなっている状態です。
これらの症状が、定期的にあるいは頻繁に起こっている人は、明らかに顎の関節に問題を持っていると気付いているでしょうが、気付いていない人を含めて顎に問題を持っている人はどの程度いるでしょうか?3〜4割という話から8割以上という数字もあります。日常生活に支障が無ければ、大きな問題はありませんが、口が痛くて開かなければご飯は食べられません。なんとか解決したいモノです。当然これらの症状は関節円板がずれてしまっているために起こっている事がほとんどですが、まれに、先天的な形態異常で関節や関節円板自体がひっかかっている人も居ます。

 3・顎の関節頭表面の形態変化(変形性関節症)
わずかな変形は多くの人に見られますが、見られる兆候によって円板転位のプロセスが推測できる事も有ります。概ね、関節の表面 皮質骨の肥厚化(骨表面エロージョン・炎症後の反応=軽度円板転位=不完全な転位)→扁平化・リバースカーブ(下顎頭の圧迫・干渉または転位した円板の圧迫=完全な転位)→骨棘(破壊された関節頭の応答反応・外側翼突筋の牽引に対する反応=時間が経過した円板転位)と推測されます。

 4・さらに関節へのダメージが骨の大きさに影響(顎変形症)
どのような影響か時期によって大きく変わりますが、成長期で有れば、下顎劣成長や顎変位といった著しい顎変形症を引き起こす可能性があります。成人してから発症したとしたら、僅かな噛み合わせのズレを感じるかも知れません。ダイナミックに骨が壊れていくタイプの人で有れば、成人してからの発症でも大きな顎変形を引き起こす事もあります。
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