初めての伊香保温泉
2009年9月22日


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 伊香保温泉には12時30分に到着した。インターから40分もかかったのに妻子はめげることなくロープウエイに向かう。あいにく曇って

ロープウエイから眺める
源泉
源泉
(拡大)
入浴
(1)
階段を下る
入浴
(2)

榛名山はかすんでいたが眼下に映る温泉街を眺めて妻子はご満悦である。そのむかし榛名山に小学校のハイキングで出向いた妻はいつになく饒舌(じょうぜつ)になって自慢話を並べる。調子に乗って榛名山に湖やロープウエイがあると言い出すから娘はその気になっている。
 ロープウエイ乗り場にクルマを残して歩き出せば妻子はけげんな顔をする。温泉街の道は狭いし、駐車場を探すのも面倒だ。それにタウンバスもある。ロープウエイ乗り場の案内所で見つけたパンフレットを見せて説明すれば妻子は納得した。温泉ガイドには出ていなかったが楽をするための労苦はいとわない。

 さっそくタウンバスに乗り、すれ違い困難な狭い道を伊香保神社の先にある湯元温泉の露天風呂に向かえば県道はクルマの渋滞である。おまけに駐車場も満車だ。
「クルマを置いてきて正解だったわね」と他人事のように口にするのも妻子である。お湯飲み場は素通りして入浴した。
 源泉掛け流しでやや温かい湯とぬるめの湯に分かれた浴槽は黄金色だが硫酸塩質の湯に癖はない。那須の「鹿の湯」で熱のあまり飛び出たわたしには熱い湯さえ42℃程度の適温である。もちろん石鹸やシャンプーは使えないが、それを持参した太ったオヤジが黙々と洗うのに呆れた。お湯を汚さないように源泉にそのまま入浴するのを知らないのだろうか。
 ともあれ、露天風呂の横には温泉湧出口観覧所も併設されていて出向くだけの価値があった。伊香保の湯は2種類あり、かつては空気に触れると鉄分が酸化して茶褐色になる「黄金の湯」だけだったそうだが、最近は無色透明な「白銀の湯」も湧出しているそうだ。

 湯沢川に沿った湯元通りを下り、石段街に入ればみやげや飲食の店が並び、むかし懐かしい射的場や遊技場もあって妻子ともどものんびり歩き回る。可愛い下駄のミニチュアにひかれたものの娘は興味を示ささず、携帯電話のストラップを探し回るのも好みのちがいだろう。わたしが育った近くの温泉街にはいかがわしい写真も出回っていたが意外に健全なのに驚いた。石段は360段もあるそうで、ところどころに休む踊り場があったが登りには使いたくない落差である。
 石段街の登り口にある「石段の湯」は温泉浴場である。内湯しかない浴場は満員で落ち着いて入浴できないのが残念だった。ここも硫酸塩質の黄金色の湯だったが「伊香保露天風呂」よりややぬめりがあるのは加水・加温のせいだろうか。こちらは洗い場もあって石鹸やシャンプーも使えるから妻子の長風呂を待つのも退屈だった。

 急な坂をあえいで登り駐車場には16時過ぎにもどった。石段街から坂道を迂回して薄暗い路地裏を歩けば妻子は違和感を並べる。娘は温泉街を歩いたことがないし、妻にしてもホテルや旅館に入っても夜の街をうろつく経験がない。ある種のいかがわしさがただようのも古くからの温泉街だ。かつて演歌で歌われた哀愁や悲哀も妻子には理解できない世界だ。もっともそんなことを持ち出して自慢するつもりはない。熱海や修善寺の温泉街の近くで育ったから思い出したまでである。

 帰りは予想したとおりの大渋滞である。5連休に加えETC割り引きも重なり高崎から東松山まではムカデ走行だ。入浴や散策に満足した妻子はめげる気配もない。17時に渋川・伊香保インターを発ち、横浜には22時過ぎて到着した。いつもは後ろの席で寝入る娘が妻と交代し、話し相手になった。地図を眺め記録を取るのは我が家では娘しかいない。大きなおじゃま虫で、ものぐさだけど温泉めぐりと山歩きに動じないのが可愛い。

【データ】8:10横浜発、横羽線、首都高速5号線、外環状線、関越自動車道、11:50渋川・伊香保IC、12:30伊香保温泉、入浴・散策、17:05渋川・伊香保IC発、18:15ー19:00上里SA(夕食)、外環状線、首都高5号線、湾岸線、22:05横浜着 全走行380km

  ETC休日割引で片道1,000円でした。
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