おとずかい
第3章 リズムのあらまし
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第3章 リズム ● 第3章の本文へ行く
音楽の好き嫌いは、歌えるとか聴けるというより、そのリズムが受け入れられるかどうかにあるような気がします。
外国語はまったくわからなくてもリズムでなじんで受け入れてきました。
若いころは早めのリズムになじみ演歌や歌謡曲をバカにしていましたが、年をとるとともに違和感を感じなくなるのも不思議です。
●解説は多いけど
拍子についての音楽解説は多いもののテンポと拍(ビート)の違いさえ説明せず、リズム、タイム、ビート、パルス、グルーブなどのカタカナ用語が乱舞し、間(ま)、のり、ため、つっこみなどの感覚表現が幅をきかしています。
これは音楽の三要素にある旋律(メロディー)と似てたとえ(比喩)で説明しないとわかりにくいからでしょうか。
ろくな定義もせず専門家が感覚用語を並べるのにはヘキヘキします。
もっとも厳格な定義というものもまどろっこしくて、そんな日本語があったかなと首をひねる始末です。
●音階のちがいだけではない
二拍子や三拍子の分割、あるいは強弱の並び替えで説明がつく西洋音楽と異なる世界を視野に入れた時に破たんするのがリズムのようです。
だからでしょうが、リズムの説明を拍子で済ませる音楽解説書が目立ちます。等間隔に拍を刻む西洋音楽に限ればそれで十分なのでしょう。
でも、等間隔に歌われるのはごく一部ではないでしょうか。日本の民謡だけでなくエスニック・ミュージック(民俗音楽)は独特の節回しを持っています。
リズム&ブルースだって独特のリズムがありますね。それは7音音階と5音音階の違いだけではなさそうです。
●用語を整理する
この章は用語の定義を明確にすることから始めました。
内容は当たり前のことばかりで専門用語に立ち入っていません。
ドラマーのリズム解説とベーシストのリズム解説にもズレがあるだけでなく、楽典の類とのズレはもっと大きいからです。
拍子については音楽入門書や楽典が細かくふれているので省略し、拍の強弱やアクセントの置き方、それにシンコペーションを発生させる要素だけ図解しています。
【ふつうはリズムに含めないメロディや和音まで含めてテンポ・拍・拍節・拍子・リズムを飛躍させています】
●音楽と言葉
わたしがこだわったのは、多数のリズムが生じる要素です。
言葉は音楽と似ています。ウマが合うとか話が通じるというのは「波長が合う」と言われます。波長というのは互いのリズムではないでしょうか。ぶっきらぼうの話し方、間延びした話し方、雑な話し方、優雅な話し方、色気の有無などは強弱を置くアクセントの位置や声の抑揚の方向などによって異なります。
もちろん言葉の区切り方もあります。休符を入れて表記するか否かで日本語の三三七拍子も四拍子や八拍子にもなります。
というわけで、この章は西洋の音楽解説としては不十分なものです。
演歌や歌謡曲しか知らなかった世代と違って英米の音楽に洗脳され、西洋音楽以外の音楽にも知らず知らず染まってきた無国籍世代の親父の産物です。
●他でもふれています
個々のリズムにはふれていませんが、第1章の「音と音律」、「世界の音楽」、「日本の音楽」、「ポピュラー・ミュージック」で断片的にふれました。
また、通常はリズムとは言いませんが「西洋音楽の形式とジャンル」(きわめて不正確で未完成です)も大きな目で見ればリズムのパターンではないでしょうか。
音楽家の目とは異なるノイズ(雑音)やバイアス(偏り)が多くなるのも素人だからでしょう。
専門家の解説に振り回されずにもっと音楽を楽しみたいものです。
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