沼津あれこれ
2005/06/14 おんくろだのおんじゃくそ
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祖母が生きていたときはお寺参りの運転手をした。南足柄市にある道了さん(大雄山最乗寺)と伊豆湯ケ島の便所の神さん(明徳寺)は毎年出向いた。天狗せんべいと便所のお札は我が家に欠かせない物であった。
便所に入るたびに首をひねったのは「おんくろだのおんじゃくそ」というお札の呪文だった。最後の二文字はなんとなく分かっても「おんくろだのおんじゃ」が何なのか分からない。
コンビニで買ってきた『トイレで読むウンチクの本』(アントレックス発行)によれば、これはトイレをまたぎながら「オン クロダノ ウンジャク ソワカ」と唱える呪文のようだ。寝小便やおもらしを避ける功徳があるようだ。トイレの神様である烏樞沙摩(うすさま)明王も紹介されているがこの呪文との結びつきがはっきりしない。ウンジャクは「うすさま」明王としても前後が不明である。
女やもめを33年通した祖母が何で天狗や便所の神様を信じたのか分からない。しかも、沼津からずっと離れた場所まで出向いたのが不明だ。苦しいときの神頼みにしても、金運より家庭円満を祖母が優先したのも面白い。色男で女癖が悪かった亭主に懲りたからだと父は笑う。
数年に一度は伊豆のドライブで明徳寺の前を通過する。それでも立ち寄ることはない。お札が張られていたわりに私の寝小便は他人より長く続いたからだ。でも、これからトイレの神様にすがる時期が近づいた。それにしても「おんくろだのおんじゃくそ」の呪文は今も分からない。
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