沼津の中の伊豆

2006/01/06 「沼津の子守唄」に驚く




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 たまには子守唄を思い出すかと内館好子さんの『うたってよ子守唄』(小学館文庫、2006年)を買ってきた。流し読みすると「沼津の子守唄」がとり上げられている。千本松原が出ているから沼津にちがいない。気候温暖で広い海岸線、そして砂浜や松原というのも沼津のイメージである。

 子守唄を祖母に唄ってもらった気がする。でも、この本で紹介されている「沼津の子守唄」の記憶がない。江戸時代に流行ったというが今も唄われているのだろうか。掲載されたものを転載するが、私は同じページに載っている「五木の子守唄」は何度も口ずさんだ。

   坊やは よい子だ ねんねしな
   この子の 可愛さ 限りなさ
   天に 昇れば 星の数
   七里が浜では 砂の数
   山では木の数 かやの数
   沼津に下れば 千本松
   千本松原小松原
   松葉の数より まだかわいい
   ねんねん ころりよ おころりよ

            (同書第2章 34ー35頁)

 子守唄についてあれこれ語るつもりはない。沼津の子守唄は赤ん坊の「ねむらせ唄」と子どもの「遊ばせ唄」の両面を持つようだ。そして、五木の子守唄は子守自身の「労働歌」という。この本には出ていないが赤い鳥が歌った「竹田の子守唄」も五木と同類だろう。子守唄には「島原の子守唄」をはじめ哀歌も多いが混乱するのでやめておこう。

 内館さんは子守唄を子どもと母や祖母と結びつける絆(きずな)として見直し、唄うことを通じて親子のふれ合いを強固にしたいという思いもあるようだ。家庭内暴力(DV=ドメスティックバイオレンス)を排除するものとして位置づけている。

 また、詩人の松永伍一氏が登場するのもなつかしい。ずっと昔に角川文庫の『日本の子守唄』や五木寛之との対談にも登場していた。そこまで触れるとキリがないからやめたい。日本の子守唄はヨーロッパのそれとは異なる気がするだけである。

 ともあれ、沼津の子守唄がこんなに有名だったのかと驚く。聞いた思いがないから戸惑う。また、この本の164ー166頁に掲載されている「日本中で親しまれている、各地の子守唄」のリストの欄外に竹田の子守唄だけが詳細不明と記載されるのが気になる。『放送禁止歌』だったからだろうか。

【補記 】

 竹田の子守唄については、「ふぉーくのことあれこれ 07赤い鳥」で放送禁止になったいきさつにふれています。



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