民法あれこれ図解編 
債務不履行と不法行為のちがい
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 違法な行為では共通しても、発生原因で区別されるのが債務不履行と不法行為です。
 債務不履行は契約の中で生じ、不法行為は契約以外で生じるとことに違いがあります。
 とはいうものの、民法の基本的な考え方は故意または過失で生じたものに限って私人は責任を負うにすぎません。
 また、債務不履行の形態の呼び方は条文の見出しと異なります。2に示した区分は学説によるものです。民法415条は前段が不完全履行、後段が履行不能に区分されます。解説書は条文にかかわりなく学説を持ち出すので戸惑わないでください。
 なお、損害賠償の基礎知識もあわせてごらんください。故意・過失、違法性、因果関係など基本用語も整理しています。

           債務不履行と不法行為のちがい

 

 

 

 

 

 

 

 

 








      
 2 債務不履行の要件と効果

 態 様

   要     件

  効  果

 

 履行遅滞

 (412条)

@債務者に責任あり

A履行が遅れている

B遅れが違法


  @損害賠償

  A契約解除

 

 履行不能

 (415条後段)


  @債務者に責任あり

 A債務発生後に不履行

  @損害賠償

  A契約解除

  B代償請求

 

 不完全履行

 (415条前段)

@債務者に責任あり

A履行が不完全


  @履行の請求

  A損害賠償

  B契約解除

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