たかがクルマのことだけど

オートマ車だってクルマに変わりはない


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 オートマ車に換えてから20年たつ。たまにマニュアル車を運転するとギヤチャンジにとまどう。どこに入れているのか忘れて位置を確かめるから前方確認が甘くなる。バックするときは何度も位置を確かめる。面倒だからオーバートップにして走ると加速が悪くてイライラする。半クラッチを続けると膝が笑う。なんてシチ面倒臭いんだろうとつぶやく。でも、マニュアル車を15年運転してきた。「オートマなんてクルマじゃない」と言い張った時期もある。


 マニュアル車のときは坂道発進に閉口した。半クラッチが下手でエンストもしたから、ハンドブレーキを多用した。渋滞もおっくうで膝がガクガクしてきた。長野道が出来る前は松本から塩尻峠までは慢性渋滞で6時間ぐらいクラッチを切ったりつなげるのもウンザリさせられた。それが厭でオートマ車にしたが、今度は手持ち無沙汰で退屈だった。エンジンブレーキを使うのが趣味だったから4速から2速に落すのはいつものことだった。同乗者は呆れていたが文句を言わせなかった。「嫌なら乗るな! 」と言い張ったものである。それで相変わらずレンジの変更はひんぱんに行なう。


 また、シフトアップやダウンを嫌うなら運転するな、と言い張った。クルマはドライバーが走らせるものだ、とも嘘ぶいた。レッドゾーンまで回転を引っ張るのも趣味だった。でも、それは続かなかった。体力と気力が伴ってできることだ。また、可愛い妻や子どもを巻き添えにすることはできない。

 オートマ車だってクルマに変わりはない。クラッチ操作は簡単になったけれど、使い方を間違えれば凶器になる道具だ。それだけは忘れたくない。マニュアルかオートマかにかかわらず、目的に応じて使い分け、安全で確実な走行をするのがドライバーの勤めである。

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