たかがクルマのことだけど

感覚や感情を無視しない


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 感覚と感情はいずれも生身の人間に生じるもので、個人差を伴います。クルマの開発は個人差を排除して誰もが扱える方向に進められてきました。でも、それが機械に依存させるのも本末転倒ではないでしょうか。


●感覚は人間固有の体内センサー

 何度も繰り返しますが運転は人間が行ないます。そのための補助に速度計や回転計を使います。でも、運転は計器を眺めるだけではできません。目線を柔軟に移して選択や判断をしています。

 異常を感じるセンサーを人間は持っています。見たり、聴いたり、臭いをかいたりして発見しています。これが感覚のプラス面です。微妙な違いを知らせる感覚をみがきたいものです。

 運転に慣れるとこの音なら時速何km、この臭いはオイルが焼けてるのかなと気づきます。山勘で走れと言うつもりはありませんので注意してください。


●感情は安全や不快のバロメーター

 マイナス面ばかり強調されがちなのが感情です。キレるな、抑えろ、冷静にと付け加えられます。でも、怖いと感じたり、楽しいと感じるから相手を思いやるのではないでしょうか。

 減速したり、とめたり、譲ったりするのも感情があるからでしょう。こんな判断は機械がしてくれるわけではありません。危ないクルマにかかわらないのも、車間を保つのも感情を無視できません。

 大切なのは独り善がりな感情を抑制し、同乗者を含めた快適な感情を優先することでしょう。わがままをすすめていないので間違わないでください。


旅は互いの共感で成り立つ

 運転のことばかり並べましたが、同乗車にも感覚や感情がつきまとうのも忘れてほしくないことです。運転が上手でも不快な言葉を吐き散らせば不安になります。緊張を強いれば苦痛も増します。遠慮も退屈も感情のなせるものでしょう。

 旅にクルマを使うときは同乗者をリラックスさせることも忘れてはならないでしょう。昔は人の性格を見抜くには、マージャンや運転を一緒にすればいいと言われました。守りに入る人、ムキになる人、冷静な人、トリックが上手な人などが分かったようです。

 行動中にも互いの感覚や感情を思いやることを忘れてはなりません。変なシコリを生むもとです。絡んだ糸をほぐすのは面倒です。楽しい思い出にするのも、嫌な思い出にするのも互いの感情から生じるのではないでしょうか。

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