ランク付けは大嫌い

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 風呂嫌いな私は家族に不潔呼ばわりされている。下着は毎日替えているし、汗をかけばシャワーも浴びる私が何で変わり者扱いされなければならないのだろう。身体を洗い、汗を流せば済むのに浴槽に長々とつかる心理が私には分からない。また、家族といえども同じ湯につかるのが私にはなじめない。

 銭湯や温泉で私がためらうのは同じ湯に他人がつかることである。循環式にせよ露化されていることは知っていても病気持ちの客と同じ湯につかるのが気になるのは心配症すぎるだろうか。他人の楽しみにケチを付けたくないが、身体も洗わずに入浴する客を見るたびに不快になる。銭湯時代のしきたりを持ち出すのはアナクロニズムだが、体を洗ってから浴槽に入るくらいの気配りを持ってほしいものだ。


                 ランク付けは大嫌い

 最近は格付けや人気度で語る物知りが目立つ。そのたびに落ちこぼれのわたしは人や物にランク付けをするのを拒む。福沢諭吉が「天は人の上に人を作らず」と言ったのを都合よく覚えている。温泉や銭湯をあれこれランク付けするマニアもいるがわたしはマネる気はない。

 好き嫌いで語れば傷つく人や施設もある。営業妨害だけでなく虚言・妄説をたれ流すもとだ。流言や風説に振り回されるのは、自分で考えない類が墓穴を掘ったにすぎない。でも、好き嫌いを隠すつもりはない。不快な応接や過大広告は放置しておけないし、良いものは奨めたくなる。

 入浴嫌いが温泉や銭湯を語ればロクなことを言うはずもない。だから、施設の内容やアクセスにふれても湯の質までは立ち入らない。それを忘れてあれこれ並べ立てるのは、それで生計を立てている方に失礼である。

 キレイごとばかり並べた気がする。恨みつらみを隠すのも欺瞞(ぎまん)かもしれない。気分でなりたっている風呂についてあれこれ書いているが、自分の経験にとどまるだけだ。それを補うために『風呂嫌い』に「温泉学」のコーナーを設けて科学的な解説を加えた。日本人の生活に欠かせない入浴も深入りすれば何彼と気づかされるものがある。【2007/05/18追加