打たせ湯で修行は甘い
前頁 次頁
トップページ 風呂全項目 よりみち解説 旅行解説 お笑い解説
打たせ湯を設ける温泉も増えた。心身の鍛錬にも役立つにせよ、そのストイック(禁欲的)な姿勢が排他的で独善的に映る。サウナと同様に我が身に苦を強いるヨガの修行を娯楽施設に何で持ち込むのだろう。たまには決めポーズというところだろうか。
打たせ湯を見て滝の下に落ちる水を身に受ける修行者を思い出す。何を好んで冷たい水に打たれるのだろう。また、あの姿には中学のとき両手にバケツを持たされて廊下に立たせられた記憶がつきまとう。手足がしびれて立たせた教師を思わず呪った。
五体満足でも自分の身体を支えきれず、エレベーターやエスカレーターを使いたがる若者も多い。ま、そういう輩は打たせ湯に近づけないだろう。打たせ湯には腹が突き出たり、皮膚がたるんだブザイクな姿はさらせない。また、わたしのように痩せ身にも似つかわしくない。
風呂場で全身をさらす場は移動を除けば打たせ湯だろう。衆目を集めるからそれなりの体型でなければ恥じさらしである。そういうこともわきまえず、ブザイクな身体を無神経にさらすのはわたしには耐えられない。ミケランジェロが描く筋骨たくましい客が利用しないのが不思議である。【2007/05/20】